崩壊の後の再生して混同した世界

(視点変更、数日後の神託の盾本部にて)






ヴァン「何・・・レプリカ達を連れてこられなかっただと・・・!?」

ラルゴ「・・・思いの外、ギルドの監視がキツくてな。下手に実力行使をしても俺達が目をつけられるばかりか、撃退される可能性すらあった。あそこで行動を起こすべきではなかったと判断したまでだ」

ヴァン「くっ・・・!」

ラルゴ「当分の間はレプリカ達もそうだが、ギルドの警戒も続くだろう。事を起こせば俺達の仕業と見られ、立場を一気に悪くしかねん」

ヴァン「だから手は打てんと言うことか・・・ええいくそ忌々しいっ!あのレプリカ達があのような事を言わなければ、こんな状況にはならなかったと言うのに・・・!」

二人「「・・・」」

感情のままに机を叩き苛立つヴァン・・・かつての冷静で全てを見通しているかのような態度がまるで嘘のよう。そんな姿に二人は何とも言えない視線を向けていた。












(数時間後、別の部屋にて)

ラルゴ「・・・まだディストはここから逃げ出してはいないようだが、時間の問題に見えてきたな」

リグレット「あぁ・・・だがお前もそうかもしれんが、私にそれを批難出来るような気持ちはない・・・ディストが逃げ出したとなれば、私は追手となったとしても見逃すだろうな・・・」

ラルゴ「・・・お前がそこまで言うとはな・・・余程あの二人に言われたことに影響されたか」

リグレット「・・・認めたくはないが、それは事実だ・・・私達はそれこそ閣下の目的の為に集まってきたのだと思ってきたが、目的が無くなって我々は単に今ここにいるだけ・・・そう知らされ、そうだと認識してしまった・・・以前ならあのような言葉を聞いても揺るがなかったと思うが、今となってはな・・・」

ラルゴ「・・・俺もだ。最早ここはかつての俺達の居場所ではなくなっている・・・シンクがここを抜け出したのは、そういった考えがあったからなんだろうな。最早自分がいるべきと、いたいと思える理由がないからだと。そしてあのレプリカ、ルークとこの半年程行動を共にしてきてあそこまで仲が良さそうな様子を見せていた所を見る限り・・・シンクは俺達の元に戻るより、ルークと一緒にいさせてやるべきだろう」

リグレット「あのレプリカとシンクを一緒に、か・・・?」

ラルゴ「・・・少なくとも、お前がルークをレプリカという以上はシンクはこちらに戻るなどと首を縦に振らんだろう。そしてあのギルドで二人はレプリカという身の上を明かし、それらを受け入れてくれたという・・・リグレット、お前はヴァンの影響もあって純粋な人間種以外に対しての偏見を直す事は難しいだろう。それでシンクは同じ六神将に所属していたから偏見はないと思っても、ルーク相手に同じように出来るか?」

リグレット「そっ・・・それは・・・」

ラルゴ「・・・否定出来んなら、二人に関わろうとするのはやめろ。その上で俺達自身、これからどうするべきかを真剣に考えるべきだ。ここを出るか否か、出るにしてもどのように動くべきか・・・出来るならディストも含めてな」

リグレット「・・・ディストも、か?」

ラルゴ「奴が一人先に神託の盾を抜け出すとなれば、ヴァン達の俺達に対する当たりが酷くなるのは確実だ。それにアリエッタに何も知らせぬままに今のここに残しておきたくもないだろう。流石にな」

リグレット「っ・・・それは・・・」

ラルゴ「・・・だから真剣に考えるべきだと言っているんだ。これからの俺達がどうするべきかをな」

リグレット「・・・そう、しなければならないと言うことか・・・閣下への忠誠を貫くか、どうするかを・・・」

ラルゴ「焦ってもいいことなど何もない・・・ゆっくり考えていくぞ。どうすることが最善なのかを」

リグレット「あぁ・・・」

・・・ラルゴの言葉に真剣に頷くリグレット。忠誠をまだ捨てきれないにしてもどうすべきか考えることは大事。それをよく理解した為に。












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