崩壊の後の再生して混同した世界

シンク「・・・ねぇ、昔のよしみもあるから言うけどさ・・・そろそろあんたらもヴァンを見限る心積もりでもしておいた方がいいんじゃない?」

リグレット「なっ、わ、私達に閣下を裏切れと言うのか・・・!?」

シンク「前は違うだろうけど、今のヴァンに従うのが辛くなってるだろうってのは見てて分かるよ。それに今あんたらが辛くなってる理由はヴァンの心変わりってだけじゃなく、預言に支配された世界を壊すって共通の目的が無くなって宙ぶらりんの惰性で一緒にいるってだけの状況もあるからなんじゃない?」

ラルゴ、リグレット「「っ!」」

ルーク「あ・・・ラルゴまでってことは、シンクの言葉は当たらずとも少なからずって感じか」

二人が唖然と表情を崩す様子にルークも感じ取る・・・もう以前と違うと二人も感じていて、それを言葉にされて理解したのだと。

シンク「多分アリエッタはともかくとしてディストはいつ逃げ出そうか、機を伺ってるだろうね。フォミクリー技術を研究出来なくなった今、ヴァンの元にいる理由なんて無くなったも同然だろうし」

ルーク「むしろ今まで逃げ出さなかった事の方が珍しいと思うぞ。話に聞くディストの感じだと」

シンク「もしかしたら今頃あんたらがいなくなった事で好機だって逃げ出してるかもね。逃げ出しやすくなったって思ってさ」

ラルゴ「まさか・・・」

シンク「・・・同情心から言う訳じゃないけど、僕らを見逃すって言うならディストが逃げたしたならそっちも見逃した方がいいよ。僕らはギルドに所属しててあんたらが目をつけられたからって言い訳を出来るかもしれないけど、ディストの場合は誤魔化しがきかないだろ。それなのに僕らは見逃してディストは見逃さないってのは道理に合わないし、何よりリグレットはともかくラルゴ・・・あんたとしちゃそんな半端に筋の通ってない行動を取りたくないだろ?」

ラルゴ「っ・・・むぅ・・・」

シンク「・・・僕達が言えるのはもうここまでだ。後はどうするかは自分で考えな。ヴァンに無意味に従うか離れるかはね」

ルーク「俺としちゃ是非とも離れてほしい所じゃあるけどな。あんたらがこれで引いたってまた派遣されてくるのが何か簡単に予想がつくし」

ラルゴ「・・・おそらく、そうだろうな」

リグレット「・・・閣下を見限る・・・私は・・・私は・・・!」

ルーク「・・・ここまで苦悩する程なら、いっそリグレットも俺みたいにいらない宣言された方がマシな気がするな」

ラルゴ「遺憾だが俺もそう思う。いっそ諦めがつくからな・・・」

シンク「というかあんたはもうほぼ諦めの領域に来てるよね、ラルゴ」

ラルゴ「・・・シンク、このギルドは俺達でも入れるのか?」

リグレット「ラルゴ!?貴様、既に裏切る覚悟を決めたと言うのか!」

シンク「入りたいんなら面接を受けるなり何なり勝手にしなよ。けど僕らはあんたらと組むつもりは一切ないし、擁護もしないからね」

ルーク「そりゃな・・・このギルドって純粋な人間種だけで構成されてる訳じゃないから、種族差別意識を持って下手な行動したら即行追い出されるぞ。ありがたいことに俺らもレプリカだからとか関係無く受け入れてもらえてるしな」

リグレット「なにっ!?レプリカなのにだと・・・!?」

シンク「それだよ・・・その態度に心根を改めないとこのギルドじゃやってけないし、何より僕達があんたらを信用出来る訳がないからね。だから神託の盾を辞めてこのギルドに来たいってんならそうしてから来な。繰り返すけど僕達はあんたらと組むつもりは一切無いけどね」

ラルゴ「・・・分かった。こちらに来るかどうかは分からんが、自分達がどうするべきかは考えさせてもらおう」

ルーク「・・・ま、あんたらが敵にならないならいい選択が出来るようには祈っといてやるよ」

リグレット「っ・・・」

決して味方にはならず、かといって敵にもならず・・・ルークとシンクのそんな受け答えにリグレットは表情を複雑に歪める。ラルゴの覚悟が決まったような様子と違い迷いを捨てられないといった様子のまま・・・









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