崩壊の後の再生して混同した世界

ラルゴ「・・・理由は単純に、アッシュとの接触を避けさせるためだ」

シンク「あ・・・ということはヴァンに六神将はバチカルに来るなとでもお達しが来たのかい?またあんたらにアッシュを拐われでもするか、もしくは自発的にキムラスカから出られる可能性を考慮してさ」

ルーク「あぁ、確かアッシュの評価がめちゃめちゃ悪いって情報あったな。それで今の居場所に居心地の悪さを感じてるアッシュが、あの人を頼ってダアトに向かう可能性があるみたいに思ってるって事か」

ラルゴ「・・・何故そんな情報まで知ってるんだ?お前達は」

シンク「三つの勢力内じゃどうかは今聞いたけど、他の世界の人の出入りは抑えきれないんだろ?そこからさ」

ラルゴ「そうか・・・話を戻すが、元々やっていたことから今の俺達はキムラスカ・・・特にバチカルへの出入りが規制されている。モースは一応はそうはなってはいないが、導師を自らの手で排除したことが仇になってな・・・今は導師の代理という形でダアトから動くことは出来んのだ」

シンク「まぁそりゃそうだよね。自分がイオンの事を排除したんだからその責任を負わないと」

ルーク「つってもモースがいきゃキムラスカも素直に要望に答えるって訳じゃねぇんだろ?その様子だとよ」

ラルゴ「・・・確かにそうだ。マルクトは取りつくシマもないが、だからといってキムラスカがダアトの側というわけでもない。むしろ今の状況でダアトが行動を起こせば、余程の大義がなければキムラスカとマルクトの方が組みかねん状況にある・・・それほどに今ダアトの立場は微妙なのだ」

シンク「まぁやってきたことがやってきたことだからね。預言保守派もそうだけどヴァン達は特にキムラスカを裏切ってた行動を取っていたも同然だし」

ルーク「ん~・・・今となっちゃダアトが一番立場が低いっていうのは分かったけど、キムラスカってどんな感じなんだ?そこをまだ聞いてないけど」

ラルゴ「・・・そこに関しては俺達の立場では又聞き話程度だが、どうとも言えん状況だそうだ。何故かと言えば預言により『聖なる焔の光』を見殺しにした上で戦争を行い、繁栄を得ようとしたという事実が明らかになったからな・・・その点でキムラスカ内は国の上層部に対する不信の声が多々上がっているらしい。ただダアトに対する不信の声はその比ではないらしいがな」

シンク「そこはどうしようもないよね。元々ダアトからの働きかけからのものだったし、そこにアッシュの立場が加わってるからってのもあると思うよ?」

ルーク「アッシュの?」

シンク「あいつは同情めいた言葉とか態度とかってのをすごく嫌うけど、あいつと直接関わらない人間だったり接してはいてもその態度から心中を勝手に考える人間なんかいくらでも出るもんさ・・・今でこそバチカルに無事にいられるよう戻ってこられたが、キムラスカの上層部やダアトに殺されそうになっていたなんて可哀想なお方なんだ、あの態度も今も不安に思っていることの裏返しなんだ・・・みたいなことを考える人はね」

ルーク「うわぁ・・・でもまぁその考えだとダアトびいきな考えって起きにくいか、アッシュが被害者って見られ方なんだし」

シンク「まぁね・・・ただあくまでアッシュは要因の一つで、キムラスカとダアトの間柄はしばらくは良くはならないのは間違いないだろう。そしてキムラスカ単独で国内をなだめられるかって言ったら、時間が必要としか言えないだろうね。下手に強行手段としてマルクトに乗っかるような形でダアトを突き放すような事しても、勢い任せの考えなしじゃ逆効果になるのは目に見えてる。なら下手に動かないでゆっくりやる方がよっぽど安全だ」

ルーク「成程・・・でもあの人だけが考えたことかどうかは知らないけど、俺らを矢面に上げるように連れ帰りにきたんだよなこの二人。って事はダアトだけかキムラスカも含んだ物かはともかく、結論急いでるって事じゃないのか?」

ラルゴ「・・・それに関しては俺の方から言っておく。今更お前達を連れて帰る気もない分、せめて下手な混乱を起こさないよう動かねばな」

シンク「それは助かるけど・・・ホントあんた苦労してるね」

ラルゴ「・・・言うな」

シンクは本気で哀れむような目をラルゴに向ける。苦労を全て背負い込んだようなその姿に。












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