崩壊の後の再生して混同した世界

シンク「ま、ヴァンにモースがその調子ならダアトの様子もつられる形で悪いだろうとは予測はつくけど・・・勢力として現在一番まともに統治を行っているのは、ダアトの影響を受けにくいマルクトって所かな?」

ラルゴ「・・・当たりだ。と言っても現在マルクトはキムラスカにダアトと実質的にほぼ国交の断絶関係にあるため、詳しく内部について語ることは出来ん」

ルーク「断絶関係?・・・まさかユリアの譜石に詠まれてたっていう預言の中身があるからか?」

ラルゴ「それもあるが直接的でいて、決定的な理由はモースの発言だ」

シンク「モースって・・・ああ、何て言ったかはともかくとしてもどういう態度でマルクトに接してたかあいつなら想像はつくね。大方オールドラントだけの頃なら預言により滅びていた国だがこんな世界になったからにはお前らを滅ぼさない代わりにキリキリ働け、預言が無くなったのだからせめてそのように役に立て・・・くらいは平気で言うだろうし」

ラルゴ「・・・ほぼシンクの言った通りだ」

ルーク「え・・・マジ、なのか・・・?」

ラルゴ「あぁ・・・お前達がオールドラント領から出た後、俺達は謡将にモースの護衛という形でケセドニアで行われた首脳会談に参加したのだが・・・キムラスカも含め、その時の話し合いは話し合いの様相と呼べる物ではなかった。俺達やモースの隠していたことに戸惑いつつも反論するキムラスカとマルクトに対し、決して自分は悪くないと言うばかりかマルクトに対しては預言の事があったためかやたら強気なモース・・・そしてその中でシンクが言ったような言葉をモースが口にした瞬間、ピオニー陛下は表情を変えた後にさっさと部下共々その場を後にしていったのだ」

ルーク「うわ・・・そりゃそんなこと言われりゃ誰だっていい気持ちなんざしねぇだろ・・・」

ラルゴ「そうだ・・・事実最初こそはモースは意気揚々ともうこの際キムラスカと共にマルクトを攻め落としてやろうと、インゴベルト陛下に嫌らしい笑みを見せながらすりよっていたが、陛下に拒絶された。何故とモースは慌てていたが、様々な理由が返されたもののやはり一番は口にされなかったが・・・そのモースの態度にあったと思われる。預言が意味を為さなくなった以上、キムラスカはキムラスカでモースの態度を不審に思うのは当然と言えたからな。だがその予測を伝えたとてモースはそれを受け入れるとは到底思えなかったので、謡将含め俺達は何も言わなかったがな」

シンク「むしろ言ったら言ったで、あることないこと言葉にして何としてでもキムラスカを味方にしようと動いてただろうね。けど話に聞く限りじゃやろうとすればするほどドツボと言うか、キムラスカ側がモースに拒否を示した可能性が非常に高かったと」

ラルゴ「あぁ・・・それでそこからピオニー陛下がいなくなったこともあり場は終いとなって俺達はダアトに戻ったが、マルクトより届けられた手紙がありその中身を見ると、ローレライ教団の人間をマルクトから追放すると共にキムラスカも含めて特使以外に国内に入れるつもりはないといった物だった」

シンク「それで国交断絶って流れ?随分あっさり決まったね。モースがそんな相手の都合を許すとは思えないけど」

ラルゴ「・・・実際にマルクトがマルクト国内にいた教団の人間を追い出したばかりか、モースの指示で示威行為をしてこいと神託の盾が向かわされたが、容赦のない攻撃をマルクト軍から受けて撤退せざるを得なかったとのことだ。それでならばと特使を立てて交渉に何度か向かったが、食料の取引以外に話を聞く方法はダアトの上層部を丸ごと一新するしかないとしか返されることはなかったのだ」

ルーク「何度行ってもか?そいつは本気でピオニー陛下が出した結論なんだな。モース達が信頼出来ないからそこまでしないなら関わりさえさせないって相当だろ」

シンク「そういった決意もあるだろうけど、それに加えてキムラスカがダアトにつく事はまずないって見越した上でそんな強行が出来たんだろうね。会談の中でインゴベルト陛下の反応辺りを見て、これなら大丈夫だろうってね」

ラルゴ「・・・シンクの予想は正しい。いや、事態はより深刻でマルクト程でないにしても、ダアトの人間でもキムラスカに向かえる事の出来る人間が限られているのが今のダアトとキムラスカの仲の現状なのだ・・・」

ルーク、シンク「「・・・?」」

ラルゴの言葉に二人は思わず首を傾げる。キムラスカとダアトまでもがそういったことになるとは思ってなかったとばかりに。












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