崩壊の後の再生して混同した世界

ルーク「・・・ま、お前の言うことは分からない訳じゃねぇよ。仲良くなれるなら仲良くなるに越したことはないしな」

シンク「その意見には僕も同意しておくよ。昔の僕だったら馴れ合いは必要ないだとか言ってただろうけど、魔物より意識がある奴が敵になる方が厄介だっていうのは重々承知してるしね。なら変に意地張って敵を作るより、味方を作る方が何倍もマシさ」

ルーク「まぁこういうことを言う辺り、シンクも大分変わったよな」

シンク「そういう君の方がもっと変わったと思うけどね。この半年でさ」

ルーク「まぁそりゃ否定出来ねぇな。半年前まではマジで何も出来ないおぼっちゃんだったんだし」

シンク「自覚してる分、マシだと思うけどね」

刹那「・・・お前達は変わったのだな」

ルーク「自分達で言うのもなんだかって感じだけどな」

シンク「でも向こうが変わったとしても悪い方向にしか変わらないってのは分かる・・・だから戻らないし戻りたくもない、って訳さ」

刹那「・・・わかりあうことと分かる事は別、か・・・似てるのに、どうしてこうも違うのか・・・」

ルーク「分かったから認められないこともある。今の俺ならそう思えるよ・・・昔の俺は師匠だけが世界を広げてくれて、俺の事を分かってくれてるし心を通わせる事が出来てるって思ってた。でもあの人は俺を見捨てた。俺があの人を慕ってる事を分かる以上に・・・俺がレプリカだって分かってたから認めないし、認める事が出来る筈もないと・・・」

刹那「・・・お前は人間だ。レプリカとかそんなことは関係無い」

ルーク「刹那ならそう言ってくれると思ってた。ありがとう・・・けどもう俺は気にしてないから話を続けるけど、生まれつきの人間かどうかだけじゃなく生まれが何処かだとか肌の色がどうとか、果てには男か女か・・・人を判断する基準が明確に決まっていて、それが全く変わらない人なんてそれこそ腐るほどいる。例え他の人から言われたって何したって、それを変えない人なんてな」

シンク「分かるって事がいいことに繋がるだけじゃない。むしろ悪いことに繋がることも多い・・・現に僕達の事情を知って態度を翻した奴らなんて何人も見てきたさ。人を見るような目じゃなくなったのもそうだけど、反対にロクに知りもしないのに自分は全部分かってるんだって同情以外向けてこなかった奴も何人もいた・・・前者の方が鬱陶しいのかと前は思ってたけど、今となっちゃ後者の方が断然鬱陶しいけどね。僕達の今の道は僕達で選んだ物なのにそれを全く理解しないでそんな目ばっかり向けられて、腫れ物を触るかのように扱われてもいい気分なんてしないのにさ」

刹那「分かるだけでなく、分かったつもりになること・・・それもまた危険だということか・・・」

ルーク「・・・ま、色々言い過ぎたとは俺も思う。ただ俺としちゃお前のやる気を削ぐ為にんなこと言った訳じゃないとだけはちゃんと言っとくぞ」

シンク「そうだね。僕達は単に戻らない理由に加えて、僕達の思う事を言っただけだからね」

刹那「分かっている・・・お前達が嘘偽りのない気持ちを伝えている事は。だからこそお前達の言葉を受け止めたい、わかりあうことの意味を間違えず世界から争いを無くすためにも・・・!」

ルーク「・・・そういう風に捉えてくれるとありがたいな」

シンク「むしろこういったリアクションを取ってくれるとは思ってなかったけどね。でも何て言うか、刹那らしいや」

・・・ルーク達の言葉に刹那がむしろ決意に満ちた表情を浮かべた様子に、そっと二人は微笑を浮かべる。それこそ刹那だとばかりに。










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