崩壊の後の再生して混同した世界

・・・ダンテはとある世界において名うての悪魔ハンターとして、その手の業界では活動していた。しかし世界が変わった今となっては悪魔の行動範囲も変わり、ダンテもまたやり方を変えざるを得ない状況になっていた。主に資金面でカツカツであったり、移動距離の面でまともに動くことが出来ないために。

故にこのギルドに参加を決めたのだが、基本的に週休六日のスタンスを変えてない上に悪魔退治以外の仕事に乗り気ではないダンテは、ギルドの何処かの拠点でダラダラしていることが殆どだ。故に仕事で出掛けてることの方が稀な例なのだ。今の状況は。






ケンシロウ「悪魔、か・・・人の皮を被った悪魔なら何人も見てきたが、まさか本当の悪魔まで存在する世界になるとはな」

ダンテ「ま、悪魔と言ってもガッツのある奴なんてそうそういない。この場にいる奴らなら下級悪魔程度朝飯前で片付けられる簡単な物さ」

アーカード「吸血鬼に悪魔・・・他にも人の枠に囚われぬ者はこの世界には沢山いる・・・」

ルーク「アーカードがまた楽しそうなのは置いておくとして、正しくこんな世界になったからこそ・・・なんだよな、本当に。でも今更だけどマールは本当にまだこのギルドに参加してていいのか?一応お前の所の世界での唯一のって言える国のお姫様なんだろ?」

マール「そこは心配ないよ。時々は戻るようにするってパパには言ってるしそうしてるから。それにこういった立場だからこそ私も動けてるんだしね。国の皆は下手に兵力を削れないから動けないのもあるし」

シンク「まぁ国からすれば当然の判断と言えば判断じゃあるけどね。国防の為の戦力を蓄えておくのは」

会話の流れがまたアーカードに持っていかれそうになるのを止めてマールに問い掛けるルークの声に、マールは大丈夫としつつもその中身にシンクがどこか投げ槍そうに妥当と漏らす。






・・・こんな世界になってギルドが今出来上がっているのだが、軍が丸ごと星の治安は我らが守る!・・・と言った陣営は出てこなかった。それが何故かと言えば、シンクの言ったように国防の為に力を残したいとする各世界の上層部の意向が大きいからだ。

この世界では日常生活においても魔物などにより危険に遇う可能性という物が高く、国の上層部としてもそんな危険に対して対策を取るために動かねばならない。中にはアーカード達のように貴重な戦力を送り出す者もいるが、基本的に国の上層部はそんな賭けに出る・・・と言うか自分の身の危険に繋がりかねない発案を避ける輩が多かったりする。

そういった上層部の意向からこの星全体の統治及び治安維持の為、一勢力が軍を出してくることはない。故に基本的にギルドの構成員は国の上層部と関わりが薄かったりするか、特例で何かあってここにいるか、もしくは・・・ルーク達のよう、訳ありでここにいるのかの概ね三パターンに分かれている。

そんな状況の為に一つの世界の露骨な介入はない代わりに、狙いはどうあれ周りにも目を向けれる気骨のある統治者もいない・・・そういった端から見れば保身の為とも取れる行動の為、シンクは悪態をついていたのだ。そんな人物達は今でも嫌悪感でしか見れない為に。






カエル「まぁそんなに気にする物でもあるまい。むしろそういう状況だからこそ積極的にお前達に関わりを持とうとする元の世界の人物達もいないだろう」

シンク「そうならいいんだけどね・・・ギルドが大分この世界中に浸透してきてる今、オールドラントからの依頼がないとも限らないのがどうにも不安なんだよ」

クロノ「気にしなくていいんじゃないか?行きたくないなら別に無理に行かなくても。それに俺達や他のギルドメンバーもいるし、行くなら俺達が行くさ」

ルーク「・・・ま、あそこからの依頼なんてない方がいいのは間違いないな。少なくとも俺達にとっちゃな」

カエル達の言葉にシンクは不機嫌というか微妙そうな表情になり、ルークは軽く肩を上げながら気にした様子はないとばかりに答える。オールドラントと関わりなど新たにまた持ちたくないと、そう共通した様子を見せる形で。












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