ルーク「アーカードがあの人と似ても似つかない性格をしてるってのは分かってるし、そんなつもりで言った訳じゃないってのも分かってる・・・けどやっぱ、その声で誉められるようなこと言われるとどうにもな・・・」

シンク「そもそもをいうならあの男が僕らレプリカの事を掛け値抜きに誉めることなんて有り得ないしね。下心って言うか、うまく事を進めるための手段でもなければそんなこと言うようなタチじゃないし」

セラス「・・・う～ん、マスターも優しい言葉をかけてくれることなんてそんなにない横暴な人じゃあるけど・・・流石にそこまでは言わないし・・・」

二人の言葉にセラスもまたどう答えていいものかと悩む。






・・・こうやって外に出てこのギルドに入った二人は自分達がレプリカであるということについては話してある。これは当人達がこの人以外の種族も在籍するこのギルドなら別に話してもいいと思ったのもあるが、身分提示を求められたからでもある。

ギルドは最初にどのような人物なのかと見極めてから所属をさせるかどうかについてを決めるのだが、その中には当然出身がどういった所にあるだとかどういった機関に所属をしていたのかという審査基準がある。その時は二人は出身がオールドラントであることを明かしたと同時に、自分達・・・特にルークが元いた地位を考えると誤魔化しをつけにくいと感じたから、明かしたのだ。自分達がレプリカという身の上であることを。

そんな事実を前にしてギルドから出された二人の入団の合格判定は、許可であった。何故かと驚いて聞いた二人だが、そんなことは関係無い事だとレプリカであることなど気にする素振りを見せず面接をした者達は答えたのだ。

そしてそういった経緯の元でギルドに参加する事になったからこそ声高に宣言といったことこそしていないが、二人がレプリカという身の上であることは当然の事と認識されていた。






アーカード「フン、くだらん・・・声が似てるかどうかなど、どうでもよいことだ」

ルーク「アーカード・・・？」

アーカード「私はお前達を認めた、それだけの事だ。人として強く生きようとするお前達をな」

シンク「僕達を人って・・・」

アーカード「自分達がレプリカの体だから人間ではない、という気持ちなど些細な物だ。むしろその産まれに抗い、もがき、苦しみ、生きるためにここに来て動くお前達の姿は立派な人間だ。少なくとも私から見れば、な」

ルーク「アーカード・・・」

セラス「えっと・・・私もマスターに同意します。少なくとも人間でも、人間として認めたくない人もいるくらい酷い人もいましたが・・・二人はそんな人達より人間らしい人間だと思います、このギルドで共に過ごしてきた日々を思い出す限りでは」

ルーク「セラスまで・・・」

ケンシロウ「二人の言う通りだ。お前達は人間より人間らしく生きている、そう思うからこそ俺は今までお前達と共に過ごしてきた・・・人間より人間らしい人間だ、お前達は」

シンク「ケンシロウまで・・・らしくないことを言うよね。セラスはともかく、あんたらまでもがそんなことを言うなんてさ」

アーカード「フッ・・・たまにはこういうのもいいだろうと思ったまでだ」

ケンシロウ「・・・そうだな。たまにはこういうのもいいと思ったから言っただけだ」

ルーク「なんだよそりゃ。二人でそろってそんなこと言うなんて・・・ま、ありがとよ。そう言ってくれてよ」

シンク「・・・今更人間らしいとかどうとか言われても嬉しくないって思ってたけど、あんたらに言われるとそう悪くないもんだね・・・一応礼は言っとくよ。ありがとね」

三人の言葉に二人は少し恥ずかしそうにしながらも礼を返す。オールドラント領を出てから色々と成長した二人はその言葉が嘘ではないと分かっている為に・・・












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