崩壊の後の再生して混同した世界

・・・元々モースがNo.2という地位にいたのは、その実務能力を買われて・・・と言うわけではない、決してだ。なら何が買われたのかと言えば預言にいかに傾倒しているかに、預言を達成させるということに躊躇いがないかにあった。オールドラントの世界において預言というのは達成されてしかるものといった傾向があったが為に。

だがこの世界になり、預言など詠めることは出来なくなった。それはつまりモースにとって役目を失ったも同然の事なのだが、そこでモースは役割を御免と辞退することはなかった。自分では力不足といった考えを抱くこともなく、イオンを廃する形でだ。

・・・そんなモースが名実共にトップとなってオールドラントの首脳陣として政治であったり、他の世界の領土との人物と対する訳であるが・・・その結果は散々としか言いようがない物と、世界にギルドの中でも酷いものであるという噂が立っていた。

主にどんな噂が立っているのかと言えば自分の高い地位を持って相手を見下したり、何かと言えば預言が詠めればという言葉を不満に思った時点で吐くのだ。いかにも預言さえあれば私は正しく、そう証明出来ると自らの横暴さを全く振り返ろうともしないというよう。

・・・主義主張に環境が違えば当然食い違いというものが発生するのは仕方無いし、現にオールドラント領以外でも世界の統治方法がおかしいと言われ批難された世界はいくつも存在する。だがそれでも前よりうまく行っている世界があるのも事実なのだ。やり方をこの世界に合わせたりする形でだ。

・・・その点でケンシロウのいた世界は元々荒廃していた世界で秩序と言うものがないような世界でこそあったが、他の世界の様々な思惑があってこそとはいえ徐々に再生が開始されていき秩序もそれに伴い少しずつ取り戻されていった。そんな秩序を嫌い、再生する豊かな土地を自分の物にしようと暴れるならず者達もいたがケンシロウを含めて対処していった為に、段々と姿は確認されなくなっていった。その代わり外の荒野に逃げ出すよう出ていった者も大勢いるが、そこは悪い事をしたなら即討伐・・・という流れになっている。









シンク「いい加減、やり方を変えればいいのにとくらいは思うよ。自分達で自分の首を絞めてるって言うか、旧態のやり方に人員が問題があるってのにそれを改める事が出来ない様子を流れ聞くとね」

ケンシロウ「・・・俺が動くべきかとも思ったが、この世界ではあまり望ましい事ではないと聞かされるとどうにもな・・・」

ルーク「こんな世界だから世界と世界の全面戦争なんて流れにはならなくても、一つの世界の代表が誰に殺されたか証拠もなく死んだら色々面倒だってのが目に見えてるらしいしな。まぁ悪いのはモースをどうにか出来ない奴らなんだしケンシロウが気に病む事はねぇよ」

ケンシロウがどうにもやりにくそうに眉を歪める様子に、ルークは気にしないようにといったように声をかける。









・・・この世界では基本的に多少は世界と世界の交流はあっても、相手の世界に関して深入りしないという暗黙の了解がある。何故かと言えばその世界独特のやり方があるのもあるが、大きな問題を抱えてる世界が多いことにあるからだ。

人種差別、国と国のにらみあい、生まれがどこにあるのか・・・数え上げていけばキリがなく、未だに戦争とまでは行かずとも小競り合いくらいの規模の戦いを自身らの世界の中で行っているのだ。

故に水面下ではどうかは分からないが、世界から世界に対しての介入は基本的に行われる事はない。元々から持ち越されている因縁に生半可な姿勢で介入する理由がないこともあるが、そうやってどちらか一方に味方をすれば残った一方側が別の味方を呼ばんと泥沼化する事が容易に想像がついた為に。

だからこそ他の世界の事に関しては介入はまずしない上、下手に正義感を燃やした考えなしの行動は余計な混乱を生みかねない。だからケンシロウのような自身の正義を確立している者でも、迂闊に動くことは出来ないのだ。









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