崩壊の後の再生して混同した世界

・・・あらゆる世界が崩壊し、リセットされてから再生されて造られたこの世界。そんな世界になった際こういった世界に作り直したという者達は、その時の状況についてをこの世界全てに住まう者達に理屈抜きで頭に直接知識を叩き込む形で理解させた。口だけで説明した所で分からない者もいる・・・そういった考えにより拒否など出来ないよう否応なしに理解をさせるために。

そんな説明があったためにこんな世界が出来た事の経緯を知らない知能を持つ生き物など、まだ思考が確立していない幼子くらいになる。流石に読み書きや論理的行動などが出来ないレベルの子どもは対象にはならなかったがために。

・・・そういった事が起きた為、この世界が元の世界と違うことを知らない者はいないと言えるがまだ話はそう単純ではない。そういう世界であるが為に元の世界では出来たことがこの世界では出来ず、逆にこの世界だから出来ることもある。その中の一つがルーク達の出身であるオールドラントのローレライ教団を語る上で欠かせない代名詞とも言える、預言を詠む事である。

元々この預言と言うのは大雑把に言うなら星の生命が本来歩むだろう未来を、星の命を使って詠む一種の先読みの技法である。ただ預言の通りにすれば繁栄の未来が待ち受けていると長年の間信じ続けられてきたが、ここでその歴史に意味はない。問題なのは、それがこの世界では出来ないということだ。

・・・ルーク達がオールドラント領から出るまで、オールドラント領はそのことにより混乱に満ちた状況が続いていた。特に教団の本拠地であったダアトは預言が詠めなくなった事にどうにかならないのかと、教団に預言復活の願いの声が向けられる日々が続いていた。

そして預言でなくとも元の世界で出来た事が出来ないといった声がオールドラント以外からも多々出てきたのだが、そこで世界を作り直した者達から再び全世界に通達がされた。それは『星の命をみだりに奪いかねない技術に技法は元の世界と造りが違うこともあるが、原則として使えないようにした。一つの世界の過ちでだけでなく数多の世界の過ちを併せ持たせた事で、折角再生させた世界にこの星その物が食い潰されるようなことは避けるために』という物である。

・・・最初、オールドラントの主だった人間達はどういう事だと困惑する声しか出てこなかった。しかしヴァン達を始めとした一派がそれは間違いではないと証拠を示した上で、他の世界でも似たような事になっているという実例を聞かされたのだ。代表的な所で言うなら、とある世界の神羅カンパニーという会社が魔晄というエネルギーを星から抽出していたがそれが出来なくなった・・・といった物だった。

そういった話が次々と出てくる内に、嫌が上にでも人々は理解せざるを得なくなった。頼っていた技術に技法・・・それらは本当に星の命を失う者として禁じられてしまった上で事実だったのだと。

・・・そう言った流れがあったが為、今のオールドラント領では預言はもう詠まれてはいない。だがその代わりとして今のオールドラント領は混沌としていると、ルーク達の耳に届いてきている。
その理由は何なのかと言われると大きくは二つ・・・一つは預言任せの政治を行ってきて預言のない政治に慣れていないことと、もう一つはそんな政治の場にモースという人物がいることにある。

・・・モースは元々ローレライ教団のNo.2という立場にいたのだが、シンクの暴露により導師イオンが偽物と明かされた事で立場上トップの立場になったのだ。自分がそれを主導したという事実を強引になかったものとする形でだ。

だがその事実に関しては知るものは知っているし、その事を不満に思う者もいる。そう言った事もあってモースが上に立つことは不安視されていたのだが、事実その不安は的中したのだ。あまりにも強引すぎるそのやり方を巡って。












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