まず二人の婚約の件についてだけど、それは相当な衝撃をアドリビトムにもたらした。数日は皆その話題で持ちきりになって二人がいつもその中心にいるって形でだ。でもそんな環境にいたためリタも相当に鬱陶しがっていたけど、ルークのなだめによって気分を持ち直すと言うパターンを何度か繰り返して過ごしていた・・・そんな光景があるたび女性陣の羨望の眼差しがあったらしい。エスコートに似た気遣いだったとのことで。



それとアッシュ達については後で事情を聞いたエステルが少し悲しそうにしてたが、特に他の皆からの反発を受けることなく受け入れられることになった。なので後でエステルに何も言わなくてよかったのかと聞いたら、アッシュが仲良くする気がないのは悲しいけど仕方ないことなんですって表情を歪めながら答えた・・・流石にここまで来たらどうにかなるレベルじゃないって、エステルも感じたんだろうな。二人がくっついたことには素直に喜んじゃいたけど・・・



・・・そしてこれは俺だけが知ることになるんだけど、俺個人に後で届いたピオニー陛下からの手紙にはアッシュ達の処分の事について書かれていた。要約すれば前に書いてた処分の通りにするって書かれた手紙がだ。

ただもっと詳しく言うならアッシュとナタリア、それとジェイドに師匠を除いてのティア達に関してはルークと二度と関わりをもたない事を約束させられた上でしか、軍属であったり仕事につけない状態にさせられたらしい。もしそれを破れば今度は有無を言わさず罰を与えると言われその仕事を続けるか考える時間を与えられた上で・・・その後の事は俺は知らない。何せピオニー陛下からはそれ以上は聞いてないのだから。

そしてアッシュとナタリアに関してだがこちらは表向き処分をするという訳にはいかないが、重臣一同の集まった場でルークへの対抗心の事を聞いた時に遠慮も何もなくルークへの罵倒の言葉を吐いたことから、情報の規制を強いた上で離宮に置いて誰でもやれるような仕事で忙殺させることで済ませる事にしたらしい。ジェイドと師匠の二人を筆頭に兵士を置いて、滅多なことでそこからは出られないようにする形で・・・これはルークが本当の姿を見せた影響もあっての結論らしいが、どんだけ影響与えてたんだろうなルークは重臣達に・・・









ベル「・・・あっ、ルーク・・・」

それでピオニー陛下へ返信の手紙を書き終えて出して食堂に行くと、ルーク達が穏やかに談笑してる姿を見つけた。つーか・・・

ベル「これでよかった、んだろうな。ルークにとっては・・・」

その姿に俺は思った。前アッシュ達がいた時のような騒ぎだったり争いがなく、至って平和な光景・・・これがアッシュに道を譲らなかったからこそ生まれたルークの幸せな結末なんじゃないかと。そしてその周りにはリタを始めとして、人がいっぱいいる・・・

ベル「・・・自分で言うのもなんだけど、もう俺がいなくても大丈夫だな。ルークは・・・」

だからこそ俺はそっと笑顔を浮かべた、俺が世界を飛んでも大丈夫と確信を得て・・・それでなんか食う気がなくなった俺は食堂から出ようと・・・

ルーク「・・・ん？飯食いに来たのか、ベル？ほら、こっち来いよ」

ベル「あ・・・あぁ、悪い」

・・・したらルークに見つかって手招きされたので、俺はそっちに向かう。変に断る理由もない、そう俺は思ったから・・・












・・・その後ラザリスを倒してルミナシアの危機も回避され、アドリビトムのメンバーは大勢が故郷へと帰国した。それでルークが一緒にライマに行かないかって言ってくれたけど、そこはまた変にライマを混乱させないように断った。

それでしばらくしたらまた皆もアドリビトムに戻ってきて、ルーク達もまた戻ってきた。その時時間が経って改めてどうなのかなって思ってたりもしたけど、別に仲が悪くなった様子もなかったので俺は結構安心した。



・・・そんな風に過ごしていた俺はそれからしばらくして、ルミナシアを後に別の世界へと飛んだ。ルーク達の幸せそうでいて俺なんかとの別れを惜しんでくれる涙の表情を受けながら・・・








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