頂上同士の騒乱に図らず乱入せし焔

・・・いくつもの命が激突し、いくつもの戦いが生まれは消える・・・そこは戦場・・・

・・・海上の決戦にて戦場を戦場たらしめんとしているのは白髭と呼ばれる男を頭とした白ひげ海賊団と、海の秩序を守るためにある海軍・・・その両者の激突は、一人の男の為だった。






「「「「急ぐぞ~~~!!!」」」」
兄エースを助ける為に白髭海賊団対海軍の戦場にやってきたルフィ達。彼らは意気揚々と戦場に舞い降りんと声を上げた、が・・・
‘ドゴッ・・・オン’
「あ」
彼らのいた場所は凍った高波の上の軍艦。その凍った高波をぶち壊し艦を滑り降りようとしたのだが間違えて自分達の足場をぶち壊してしまい、一路軍艦ごと真っ逆さまに下に落下していく・・・






「え・・・?」
・・・その光景を海軍が作った処刑台の上で捕らえられているエースはア然と見ていたが、エースはそれだけでも常軌を逸する光景であるのに、また何かの変貌を感じていた。
「あの光は、人・・・が出て来た?」
自身の義兄弟であるルフィを確認しながらも、その落ちて来る一団の上辺りから光の球が唐突に現れ、その光が消えた時に現れた鮮やかな朱髪の男を確かにエースは見た。






「はぁっ!?飛んできていきなり空って、どういうことだよぉっ!?」
・・・一方、空から現れた人こと、次元の旅人ルークは今の重力に引っ張られて地面に落ちていくという不条理過ぎる現状に叫ばずにはいられなかった。
「うわっ!周りに人がいっぱい・・・ってか下は氷の海!?やべぇやべぇやべぇ!・・・あ~~~っ!」
叫びつつも自身の状況を確認しつつ周りを見ていくと、同じように空から落ちる人達と地面が氷という現状を確認して慌ててふためく・・・が、それも意味はなかった。



‘ドッパァァァ~~~ン!!’
・・・慌てていたルークの下にあったのは氷の海の中に出来ていた凍っていない海、つまり氷と衝突キスをすることなくルーク達は海へと落ちて行った。
「な、なんでこんなことに・・・」
海に落ちたルークは自身の状況を呪いつつ、海上へと泳ぎ上がっていく。
「ブハッ!ハァ、ハァ・・・」
そして海上に上がり近くに浮かんでいた軍艦によじ登り、ルークは息を整える。そして周りを見渡していくと・・・
「・・・もしかしなくても、ここって今戦場なのか・・・!?」
・・・自分、いや正確には壊れた軍艦によじ登って来ている自分達を見ている面々は明らかに呆然とはしているが刃と刃を交えている。それを見てルークは戦場の真っ只中にいるのだと理解し、戦慄する。
(どうしよう、状況が全くわからない・・・どうすればいいんだ、俺は・・・!?)
・・・今この場は戦場。それでいて誰が味方になってくれるのかすらも検討がつかない。いや、場合によっては自分の周り全てすら敵に成りうる・・・今までの経験上いつ切り掛かられるかもわからないと、ルークはそう思っていた。
「ルフィ!!!」
「エース~~~~~~!!!・・・!!!やっと会えたァ!!!」
「・・・え?」
だがそんな殺伐とした戦場には似つかわしくない二人の声が耳に届いて来て、ルークは近くにいた声を大きくエースと叫んだルフィと呼ばれた少年を見る。そこには嬉しそうな顔のルフィがいた。










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