ワールドトラベラールーク君シリーズ TOW編

・・・そのように事が決まり、ルーク達は再びアドリビトムでの活動に戻った。けど数日の間、ルークとアッシュ達の間で特に動きが起こることはなかった。

もしかしてルークと争う気はなくなったのか?・・・最初俺はそう思った。けどセネルやジュディスから話を聞く限り、そうではないらしい。何でもルークと大体一緒にいる俺を見て、突撃するのを躊躇して避けているからだと言われた。

まぁ確かに俺はこの数日、あまりルークから離れないように過ごしていた。一応安全の為にと言うのと、俺もどうなるかを確認したかったからだ。けどそれで向こうも俺とも争うのはって思ったんだろうな・・・実際俺やルークがいない場じゃ結構色々言ってたらしいし。

・・・でもそんな事態がずっと続いた所で何にもならないってことで、ジュディス達と話をしてしばらく俺は積極的にクエストに行ったりしてルークと距離を取って過ごす事になった。ただそれだとルーク一人じゃ不安もあるってことからリタを始めに、常に誰か事情を知るメンバーが一緒にいることになった。全てはそうすることでアッシュ達がどう動くかもだが、状況的に動かしやすくもさせる為に・・・












レイヴン「・・・ちょっとベル君、いる!?」

ベル「ん?レイヴン、どうしたんだ?」

・・・そんな風に決まって俺が食堂で適当にまったりしていると、レイヴンが焦った様子で俺の所に来た。

レイヴン「ルーク君とアッシュの二人がベル君達の部屋の前で喧嘩しだしたのよ!すぐ来て!」

ベル「!わかった、すぐ行く!」

何かと思ってたらルークとアッシュの衝突の報告・・・それを聞いて俺はすぐさまレイヴンに付いていく・・・どうなるかを見定める為に・・・






アッシュ「・・・この前たまたま勝ったからって偉そうにしてんじゃねぇ、この屑が!」

ルーク「・・・落ち着け、アッシュ」

アッシュ「落ち着けだと・・・テメェに指図される謂れなんざねぇよ!」

ベル「っ・・・あー、完全にアッシュヒートアップしてる・・・」

・・・それで部屋の前に着いた訳だけど、何人か周りで聴衆になってる中俺が見たのはティア達を後ろにつけたアッシュがただ冷静なルークを一方的に罵っている光景だった。

リタ「・・・ねぇあんた、いい加減にしなさいよ」

アッシュ「うるせぇ、部外者は黙ってろ!」

リタ「はぁっ!?あんたらが今いる場所はどこよ!?ここはバンエルティア号の中でアドリビトムよ!あんたも私もギルドのメンバーである以上は口出しする権利はあるわ!場所も弁えず喧嘩吹っ掛けんじゃないわよ!ガキじゃあるまいし!こっちもこっちで迷惑被ってんのよ!折角ルークと一緒に研究してたってのに・・・!」

アッシュ「っ・・・研究、だと・・・!?」

そんな場に隣にいたリタが激情をぶつけた訳だけど、その言葉にアッシュもだがティア達にも驚きに動揺が走る・・・まぁ何にも知らなかったらイメージは分からないだろうけど、ここ最近のアドリビトムじゃ普通の事だったしな。二人が一緒にいて何かやってるの・・・

リタ「・・・はぁ。アッシュも含めてあんたら何しにこのアドリビトムに戻ってきたの?あんたらがここに戻ってやった事ってクエストかルークの事遠回しに悪口言って愚痴るか、そればっかじゃない。それで場所も考えないでまた喧嘩を売って、それを止めないで・・・あんたら、結局どうしたいのよ?アッシュはもうともかくとしても、ナタリア達はこの事を」

ナタリア「っ・・・それ、は・・・」

続いたリタの言葉に代表で声をかけられたナタリアは驚きもあって、たまらず視線を背ける・・・ティア達はともかくとしても、ナタリアはアッシュのやることを基本は終わってから止めに入る。つまりアッシュの意志を尊重しているからこそ何も返せなかったんだろう・・・ルークと対する姿勢を断固として崩さないアッシュの意志を。

アンジュ「・・・揉めているようね」

ガイ「あっ、アンジュ・・・これは・・・」

アンジュ「いいわ、こういう時が来るのは分かっていたから・・・でもこうなったからにはハッキリさせる必要があるわ。これからの事をね」

ガイ「えっ・・・?」

今度はそこにアンジュが来たわけだけど、決意のこもった声を受けガイが戸惑うけど俺はその言葉に感じていた・・・ここで決着をつけるという意志を。






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