ワールドトラベラールーク君シリーズ TOW編

ルーク「リタ・・・お前の気持ち、嬉しかった。でもまずこれだけは言わせてくれ・・・もしライマの本国に帰っても即刻結婚だとかそう言ったことには流石にピオニー陛下でもしないとは思う。まだ年齢的に少し早いからな。それでもし俺の事が不満になったり城の生活が嫌になったらすぐに言ってもらって構わないから、結婚にまでいかない状態だったらなんとしても俺がお前を逃がす・・・だからリタ。俺の婚約者になってくれるか?」

・・・そして真剣な表情を浮かべ、ルークは条件付きとは言えハッキリと告げた。婚約者になってほしいと、リタに。

リタ「・・・えぇ、わかった・・・って言いたいけど俺に付いてこいって言うくらい出来ないの?あんたがいくら慎重にしたいって、気を遣う形だって言っても・・・」

ルーク「・・・そこは勘弁してくれ。これから散々苦労かけることになるかもしれないんだから逃げ道くらいあるって示しときたいんだよ。でもそれ以上に俺は・・・一人の女として、お前を大事にしたい」

リタ「っ!?」

ルーク「付いてこいなんて今はまだ言えない・・・けど代わりに逃げたいって思えないくらい、逃げる必要がないって思えるくらい大事にする。そしてもし本当に結婚する時にまでリタが一緒にいてくれるなら俺は言う・・・俺にこれからも付いてきてくれってな。だから今はそれで勘弁してくれるか?」

リタ「・・・うぅぅ・・・そこまで、言うなら・・・いい、わ・・・もう、それで・・・」

うわぁ・・・リタすっげぇ恥ずかしそうに妥協してやるみたいな声上げたけど、ぶっちゃけ今こう聞いてる俺まで恥ずい・・・あんな感じの口説き文句言うなんて、俺絶対無理・・・!

ジュディス「フフ・・・これで一件落着かしら?」

アンジュ「そうね・・・じゃあ解散しましょうか。目的も達成されたことだしね。私達はお邪魔なようだし・・・」

ルーク「・・・あ、ちょっと待った」

アンジュ「・・・どうしたの、ルーク?」

そんな空気に場にいた女子が後は二人で、みたいな空気を作り退散しようと誘導しようとしてた・・・俺も微妙な気持ちになってたからそれに従おうとしたけど、唐突にルークからかかった声に皆立ち止まる。

ルーク「ここから出た後俺らの事をアドリビトム内にお前ら広めるつもりでいるか?だったらそれはちょっとやめといて欲しいんだけど・・・」

ジュディス「それはどうしてかしら?」

ルーク「今そんなことが大々的に広まっちまったら後々が面倒になりそうだからだ。お前らもさっき話してたから分かるだろ?近々アッシュ達がアドリビトムに戻ってくることになってるってのは」

リカルド「・・・成程、奴らの性格からしてそう言った噂が流れれば首を突っ込んでくるだろうな。何故そうなったのかと」

ルーク「あぁ・・・特にアッシュは色々言ってくるのは目に見えてる。俺だけじゃなくリタにまでな。そんな事態は俺もリタも嫌だし、もしアッシュ達の結果が芳しくないものだったらその事をいきなり聞かされたから混乱したなんて言い訳を使われるのも避けたい。だから出来ればあいつらがどうなるかが決まるまでは噂を立てられると困るんだよ」

アンジュ「そう言うことね・・・わかったわ。ジュディス、貴女にはシェリア達にさっきの話も含めて事情の説明をお願いしていいかしら?」

ジュディス「わかったわ、私からその時が来るまで余計な噂が立たないように言っておくから」

ルーク「悪いな、二人とも」

それでルークから話をしないでほしいと訳つきで言われて、ジュディスもアンジュも納得してくれた。確かに二人の事実を聞いたらアッシュ達結構混乱するだろうしな。

ルーク「・・・あー、セネル達も引き留めて悪かったな。とりあえず話も終わったことだしな。もう解散しようぜ」

アンジュ「そうね、そうしましょうか」

それでルークが改めて解散って言ったことで、アンジュの同意で皆下に行こうと歩き出す。



ルーク「・・・後でそっち行っていいか?」

リタ「・・・うん」



・・・そんな中で最後尾の二人の前を行く事になった俺は確かに聞いた。ルークとリタの仲良さげな小声の会話が。






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