ワールドトラベラールーク君シリーズ TOW編
・・・ロックスから手紙を受け取ってその退出を見届けた後、俺達は寄り添いその手紙を共に覗き込む。
ベル、ルーク「・・・はっ?」
・・・ってなんだこの中身?あの人何を考えてんだよ・・・?
ベル「・・・なぁルーク、俺の目が確かなら『一時帰国するのは構わないが、どうせならアドリビトム内で婚約者でも探してきたらどうだ?』って書いてあるの見えるんだけど・・・」
ルーク「・・・俺にもそう見える。つーか『むしろ捕まえてこい!その方が腹に一物も何物も持ってる奴かどうか見定めるより遥かに楽だ!それで全員にフラれた場合に限ってだが、婚約者はこっちで見繕ってやる!安心して玉砕するつもりで行ってこい!そしてその後帰れ!』って・・・あの人何なんだよ?俺だけじゃなく王家のしきたりだとか貴族の面子だとか、そういった物までなめ腐ってるよな・・・?」
よかった、俺の目がおかしい訳じゃなかった・・・なんて喜んでる場合じゃねぇ。現実逃避したくなるようなこの手紙の中身・・・一体なんなんだよあの人、マジで・・・
ジューダス「・・・っ、何をしているお前ら・・・?」
ベル「っ、ジューダス・・・どうしたんだよ?」
ジューダス「いや、暇ならクエストに行かないかと誘いに来たんだが・・・何やら取り込み中のようだな、邪魔をした」
ベル、ルーク「待ってくれジューダス、行かないでくれ!」
ジューダス「お、おい・・・!」
俺達の様子を見て即行で踵を返そうとするジューダスを打ち合わせもなしに俺達はその腕を引っ張り、退出することをなんとか阻止する・・・これは正直誰かに話さないとどうにかなりそうなもんだ・・・ジューダスを逃がす訳にはいかない・・・!
ジューダス「・・・一体何のつもりだ?こんな形で僕を引き止めるとは」
ルーク「・・・ちょっと話を聞いてくれ。それでお前の感想を聞かせて欲しいんだ。頼む・・・」
ジューダス「・・・なんなんだ、一体」
切実なルークの声にジューダスも観念したように話を聞いてくれることにしたらしい・・・グッドタイミングだ・・・ジューダスなら変なこと言いそうにないからな・・・!
ジューダス「・・・なんだ、この手紙は・・・」
ルーク「そうだよ、正に俺達が思った感想がそれだよ・・・」
・・・それで手紙を見終わり呆れた声を出すジューダスに、ルークも疲れたように声を上げる。
ジューダス「・・・まぁこの手紙のふざけた中身についてはこの際議論はしないでおこう。だが実際問題としてお前はどうするつもりでいる?ピオニー陛下のあの人柄を見る限りでは、本気でこの手紙のようにしてほしいと思っているように思えるが・・・」
ルーク「・・・だろうな、あの人ふざける時はとことん真面目にふざけるし・・・それにあながちライマの貴族から適当に誰か見繕うってのも、面倒がない訳じゃないんだよな」
ジューダス「・・・それは権力争いか?」
ルーク「ま、簡単に言えばそうだけど・・・つーかそもそもほぼ一般人ばかりのギルドメンバーを巻き込む気は俺には無いんだよ。それに実際に王族としての生活に入るとなったら理想と現実の差ってヤツはどうしても出てくる・・・んなもんに一般人を巻き込むつもりはねー」
ジューダス「一般人を巻き込むつもりはない、と言うならエステルはどうなる?あいつはガルバンゾの王女だろう。地位的に見ても釣り合いは十分につくと思うが」
ルーク「それも無理。別にウリズンみたいに敵国って訳じゃねーけどガルバンゾだってそれなりに大国でライマは小国だから釣り合いについては微妙だし、何より向こうは向こうでヨーデルって奴と継承権がどうかとかいう話になるだろうからまず無理だ」
ジューダス「・・・以前に会ったことがあるのか?そのヨーデルとやらに」
ルーク「まぁちょっとだけな。エステルと雰囲気が似た優男って感じでエステル自体とは仲は悪くないけど、周りの取り巻きどもはヨーデル様が次代の王だエステリーゼ様が女王だとかって風に、自分が後ろ楯になってある程度の実権を握るのにやっきになってる。元々そんな輩の制止を振り切ってエステルはこっちに来たんだ・・・もし俺と婚約をしようなんて時にはライマの重臣にヨーデル派達は喜ぶだろうけど、エステリーゼ派は反対すること間違いなしで最悪の場合俺を蹴落とそうとするライマの人間と組みかねない。エステリーゼを奪うことは許さないってのと、アッシュに王位を継承させるって目的の合致でだ。そう考えたらエステルが応えるかどうかを考える前にデメリットがでかすぎるから、婚約を申し込むなんか出来るわけがねーよ」
ジューダス「・・・そこまで聞けば確かにエステルとの婚約は出来んな」
・・・色々な思惑。それらを考えた上でルークはエステルとだけはないと言い切った。ジューダスも納得したように頷く。
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ベル、ルーク「・・・はっ?」
・・・ってなんだこの中身?あの人何を考えてんだよ・・・?
ベル「・・・なぁルーク、俺の目が確かなら『一時帰国するのは構わないが、どうせならアドリビトム内で婚約者でも探してきたらどうだ?』って書いてあるの見えるんだけど・・・」
ルーク「・・・俺にもそう見える。つーか『むしろ捕まえてこい!その方が腹に一物も何物も持ってる奴かどうか見定めるより遥かに楽だ!それで全員にフラれた場合に限ってだが、婚約者はこっちで見繕ってやる!安心して玉砕するつもりで行ってこい!そしてその後帰れ!』って・・・あの人何なんだよ?俺だけじゃなく王家のしきたりだとか貴族の面子だとか、そういった物までなめ腐ってるよな・・・?」
よかった、俺の目がおかしい訳じゃなかった・・・なんて喜んでる場合じゃねぇ。現実逃避したくなるようなこの手紙の中身・・・一体なんなんだよあの人、マジで・・・
ジューダス「・・・っ、何をしているお前ら・・・?」
ベル「っ、ジューダス・・・どうしたんだよ?」
ジューダス「いや、暇ならクエストに行かないかと誘いに来たんだが・・・何やら取り込み中のようだな、邪魔をした」
ベル、ルーク「待ってくれジューダス、行かないでくれ!」
ジューダス「お、おい・・・!」
俺達の様子を見て即行で踵を返そうとするジューダスを打ち合わせもなしに俺達はその腕を引っ張り、退出することをなんとか阻止する・・・これは正直誰かに話さないとどうにかなりそうなもんだ・・・ジューダスを逃がす訳にはいかない・・・!
ジューダス「・・・一体何のつもりだ?こんな形で僕を引き止めるとは」
ルーク「・・・ちょっと話を聞いてくれ。それでお前の感想を聞かせて欲しいんだ。頼む・・・」
ジューダス「・・・なんなんだ、一体」
切実なルークの声にジューダスも観念したように話を聞いてくれることにしたらしい・・・グッドタイミングだ・・・ジューダスなら変なこと言いそうにないからな・・・!
ジューダス「・・・なんだ、この手紙は・・・」
ルーク「そうだよ、正に俺達が思った感想がそれだよ・・・」
・・・それで手紙を見終わり呆れた声を出すジューダスに、ルークも疲れたように声を上げる。
ジューダス「・・・まぁこの手紙のふざけた中身についてはこの際議論はしないでおこう。だが実際問題としてお前はどうするつもりでいる?ピオニー陛下のあの人柄を見る限りでは、本気でこの手紙のようにしてほしいと思っているように思えるが・・・」
ルーク「・・・だろうな、あの人ふざける時はとことん真面目にふざけるし・・・それにあながちライマの貴族から適当に誰か見繕うってのも、面倒がない訳じゃないんだよな」
ジューダス「・・・それは権力争いか?」
ルーク「ま、簡単に言えばそうだけど・・・つーかそもそもほぼ一般人ばかりのギルドメンバーを巻き込む気は俺には無いんだよ。それに実際に王族としての生活に入るとなったら理想と現実の差ってヤツはどうしても出てくる・・・んなもんに一般人を巻き込むつもりはねー」
ジューダス「一般人を巻き込むつもりはない、と言うならエステルはどうなる?あいつはガルバンゾの王女だろう。地位的に見ても釣り合いは十分につくと思うが」
ルーク「それも無理。別にウリズンみたいに敵国って訳じゃねーけどガルバンゾだってそれなりに大国でライマは小国だから釣り合いについては微妙だし、何より向こうは向こうでヨーデルって奴と継承権がどうかとかいう話になるだろうからまず無理だ」
ジューダス「・・・以前に会ったことがあるのか?そのヨーデルとやらに」
ルーク「まぁちょっとだけな。エステルと雰囲気が似た優男って感じでエステル自体とは仲は悪くないけど、周りの取り巻きどもはヨーデル様が次代の王だエステリーゼ様が女王だとかって風に、自分が後ろ楯になってある程度の実権を握るのにやっきになってる。元々そんな輩の制止を振り切ってエステルはこっちに来たんだ・・・もし俺と婚約をしようなんて時にはライマの重臣にヨーデル派達は喜ぶだろうけど、エステリーゼ派は反対すること間違いなしで最悪の場合俺を蹴落とそうとするライマの人間と組みかねない。エステリーゼを奪うことは許さないってのと、アッシュに王位を継承させるって目的の合致でだ。そう考えたらエステルが応えるかどうかを考える前にデメリットがでかすぎるから、婚約を申し込むなんか出来るわけがねーよ」
ジューダス「・・・そこまで聞けば確かにエステルとの婚約は出来んな」
・・・色々な思惑。それらを考えた上でルークはエステルとだけはないと言い切った。ジューダスも納得したように頷く。
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