ワールドトラベラールーク君シリーズ TOW編

・・・継承権問題に決着を着けた。そこから俺達はしばらくの間を穏やかにアドリビトム内で過ごしていた。



・・・けどそんな穏やかな場にまた、ある問題が飛び込んできた。















ロックス「・・・失礼します」

ベル「ん?どうしたんだ、ロックス?」

・・・部屋で二人マッタリしてた俺達。そんな部屋にロックスが入室してきた。

ロックス「ルーク様にお手紙が届いていましたので、お届けに来ました」

ルーク「そっか、ご苦労様」

ロックス「ありがとうございます・・・では失礼します」

ルーク「・・・ん?差出人はピオニー陛下からか・・・」

ベル「ピオニー陛下が?一体なんだろうな・・・」

ルーク「まぁ見てみりゃわかる・・・・・・・・・・・・あー、そう言うことか・・・」

ベル「どうしたんだ?」

ルーク「・・・いやまぁ、本国から俺に選ぶようにって催促が来たらしいんだよ。ナタリアと婚約解消したのなら、正当王位継承権を持つ俺がいつまでも婚約者がいない状態はどうかって思うから別にまた婚約者を選べって催促がな」

ベル「・・・あー、そういうことか・・・」

手紙を開いて微妙そうな表情をしたルークの気持ちは、一応貴族としての教養があるから俺にもよくわかった・・・何せ貴族ってのは体面に地位を気にする生き物だ。次期王が婚約者もいない宙ぶらりんの状況ってのは様々な揉め事が起こりやすい。例えば口うるさく言ってくる人が増えたりだとか、ここぞとばかりにその地位を狙ったあからさまな玉の輿狙いの婚約を持ちかけてくる人がいたりだとか・・・そういった事はよくあるって聞いたし。

ルーク「・・・まぁ予想してなかった訳じゃないしな・・・どうすっかな、これ・・・」

ベル「・・・流石にすぐ結論出すの無理だろうから、まず返信するべきじゃないのか?それで陛下の指示を仰ぐのが一番だと思うけど・・・」

ルーク「・・・ま、それが妥当か。とりあえず返事書くけど・・・ここらで一回本国に帰った方がいいかな・・・」

ベル「・・・それって、婚約者選びの為に?」

ルーク「それもあるけど、正当王位継承権を得てから一度も国に顔を見せてないからな。ここらで重臣に顔会わせとかないと、俺が猫被ってたってのが嘘にされかねないって思ってさ。実際に素の俺を見てんのピオニー陛下くらいだし、国内が安定してきたのもあるってあったしそろそろパッと程度でも顔見せは必要かなってな」

ベル「そうか・・・」

色々考えてるルークに俺も本来だったらこうあるべきなのかって、自分の事を照らし合わせてみて思った。結構世界を旅してる時間長いからつい忘れがちになるけど、元々はレプリカって言っても地位も一応与えられた貴族だしな俺・・・ま、今はやれることをやるしかないか。

ベル「・・・まずは返事を書けよ。ちょっと俺は食堂に行って茶でももらってくるからその間にゆっくりと・・・さ?」

ルーク「・・・そうだな。悪いな、気を使ってもらって」

ベル「気にすんなよ。んじゃな」

会話もそこそこに俺は部屋を出る・・・やれることっつっても単にルークに差し入れして邪魔しないようにってくらいなんだけど、まぁこの問題にこの世界の『ルーク』じゃない俺がしゃしゃり出るのもおかしな話だし、これはルーク自身が決めなきゃいけない問題だからな・・・















アスベル「・・・あ、ベル。どうしたんだ?」

ベル「茶をもらいに来たんだよ・・・ロックス、お茶ある?俺とルークの分欲しいんだけど」

ロックス「はい、すぐに用意します」

・・・それで食堂に来た俺はそこでティーブレイクしてるアスベルを筆頭とした何人かと顔を合わせ、ロックスにお茶の用意をお願いすると早速と用意を始める。

ゼロス「また何か難しい勉強でもしてんの、ルーク君?普段何か欲しい時は他に用がない時に限ってだけどこっちに来るじゃん、いつも」

ベル「あぁ、それは・・・返事用の手紙を書いてるだけだよ。ピオニー陛下からの手紙だから丁寧に書かなきゃいけないらしいし、俺もお茶が欲しかったからこっちに来たんだ」

ゼロス「ふ~ん」

あぶねぇ・・・ついゼロスに普通に返そうとしてしまったけど、流石にさっきの事言ったら変なことになりかねなかったからな。何とか咄嗟に誤魔化せたぞ・・・










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