ワールドトラベラールーク君シリーズ TOW編

ルーク「・・・戻ったぞ、ってあれ?なんだ、手紙書いてんのか?」

ベル「うん・・・あ、これピオニー陛下からの手紙。俺にも来てたから今返事書いてる最中だ」

ルーク「・・・ふーん、ピオニー陛下がね・・・」

・・・そう俺が手紙を書いてるうちにルークが帰ってきたから、俺は一時中断して手紙をルークに渡す。

ルーク「・・・・・・あー、やっぱりこうなったか・・・」

ベル「・・・あ、見たか・・・手紙?」

ルーク「多分こうなるだろうなって思っちゃいたけどな・・・ま、俺のせいって言えば俺のせいだけど・・・ピオニー陛下は俺の方を擁護してくれるし、何とも言えねぇんだよなこれ・・・」

ベル「・・・あー・・・」

・・・確かに微妙な気持ちになるよな。ルークの立場になると自分が騙してた訳だし、かといって本心を見せたのに態度を改善出来ないのは臣下としてはどうかってピオニー陛下の言葉を否定も出来ないし・・・

ルーク「・・・まぁとりあえずアンジュに報告してくる。ギルドのリーダーのあいつだけには俺からピオニー陛下の決定を伝えろって手紙に書いてたからな」

ベル「あー、わかった」

それでピオニー陛下の決定を伝えに行くっていうルークを俺は見送る。

ユーリ「・・・よ」

ベル「ん?なんだ、ユーリ?」

けどここで入れ替わるように入ってきたユーリに、何かと俺は思う。

ユーリ「いやなに、ちょっと聞きたいことがあってな・・・お坊っちゃんに話を聞こうと思ったけどアンジュに用があるらしかったんでな。それでベルが知ってるなら話を聞かせて欲しいんだよ」

ベル「俺に?」

ユーリ「あぁ、エステルがちょいと気にしてたんだが・・・アッシュ達はいつ戻ってくんのかってな」

ベル「っ・・・」

だがユーリから出てきた名前に俺はどう答えるべきかって、戸惑ってしまう。

ユーリ「・・・その反応から見て、どうやらアッシュ達はまだ帰ってくるような感じはないらしいな」

ベル「あ・・・うん、まぁそうだけど・・・」

ユーリ「・・・やっぱりな」

ベル「え・・・やっぱりって?」

ユーリ「ちょっとウッドロウやらオッサンやら何人かと話をしてたんだけど、その時ウッドロウが言ってたんだよ・・・正当王位継承者になったルーク君だが、そうとはっきり決まったならアッシュ君も含めてギルドの中でももう従者として態度を一新しなければならない。だが霊峰アブソールでのピオニー陛下はそういった態度を取るとは思えなかったアッシュ君達を従者として試すため、ライマに連れ戻したのではないか?・・・ってな」

ベル「っ!!」

ウッドロウ・・・あんた、ピオニー陛下のやろうとしてることを読んだってのか・・・!?

ユーリ「・・・どうやらそれも正解みたいだな。ま、心配すんな。俺らは別にそれを言い触らすつもりはないからな。それに俺達が言わないでいたところでどうせ誰か別の奴が噂するって、そこにいた奴ら皆思ってんぞ」

ベル「え・・・それって・・・」

ユーリ「いくらライマの本国でやることがあるからって、そんなにここをアッシュ達が空けるかって事だ。あいつらの性格なら間違いなく世界の為にもとか、ルークの近くにいないととかってなる・・・けどそんなあいつらがいつまで経っても帰ってこないってなったら、そりゃいい加減出てくるだろ。アッシュ達はどうしたんだってな」

ベル「・・・確かに・・・」

ユーリ「そうなったらどうなってるのかってアンジュやお坊っちゃん辺りは事情の説明を求められるだろ・・・ま、ウッドロウの話からやり手の人物って事らしいからな。多分その辺りも含めて今アンジュの方に説明が入ってるんじゃないのか、ベル」

ベル「・・・うん」

疑問じゃなく確認・・・そう言い切るユーリに嘘は意味はないと俺は観念して頷く。








41/72ページ
スキ