ワールドトラベラールーク君シリーズ TOW編

リタ「・・・何?妙な顔してんじゃないわよ」

ルーク「・・・いや、わりぃ。正直どう表情を取り繕えばいいかわかんねーんだ。今までの俺だったら適当にムカついたフリしてお茶を濁してたから・・・」

ウィル「・・・成程、今まで仮面をつけ続けて来たことの弊害か」

ノーマ「えー?仮面なんてルー君つけてないじゃーん」

ウィル「・・・ノーマ、お前は少し黙っててくれ」

リタ「・・・なにしてんのよあんた。そんなになるまで嘘ついて・・・」

ルーク「・・・はは、笑っちまうよな。嘘ばっかついて顔を固めて、それで嘘つかないようにしようとしたら本当の自分を見失いかけて・・・」

リタ「・・・ホント、あんた馬鹿よ。大馬鹿よ・・・」

ルーク「・・・でもお前はそんな俺に、自分を犠牲にするなって言ってくれた・・・悪い、そしてありがとう・・・リタ」

リタ「えっ・・・?」

辛そうな表情だったリタ・・・だけどそこで謝罪と礼を同時に言ったルークに、キョトンとした顔になる。

ルーク「・・・ベルは別としても、今まで俺の事を考えてくれた人は居なかった・・・俺の為にあんな涙まで流してくれる人はさ」

リタ「あっ!?あれはその・・・あぅ・・・!」

ルーク「・・・一晩考えて思ったんだ。そうまでしてくれたお前に対して、俺がやれることって何かってな・・・それで考えたんだ。もうアッシュやナタリアに遠慮して生きるようなことは止めようって・・・自分の為に生きようって。それがリタの気持ちに応える事になるんだって。だからさ、俺の事で手間取らせて悪かった。そして俺の為に色々してくれて・・・ありがとう、リタ」

リタ「!?べ、べべべっ!別にいいい、いいわよそんなのっ!」

言いたいことを言って爽やかといった表情を浮かべるルークに、リタは慌てた口調でブンブン首を振る・・・なんでそんなにくちごもってんだ?さっきまで普通にしてたのに。

リタ「・・・あ~っ、もうっ!言いたいこと言い終わったんならさっさと出ていきなさい!研究の邪魔よ!」

ルーク「そうか・・・悪い、邪魔したな。行こうぜ、ベル」

ベル「うん」

それでウィル達からの注目が集まる中、リタが大声で出てけと言ったことで俺達は研究室を後にする・・・なんだろ、ノーマにハロルドの目がやけに面白い物を見るような視線に変わってたような気がするな・・・?















・・・まぁそんな訳で全員への謝罪を終えた俺達は一先ず普通の生活へと戻ることになったんだけど、ルークが素を出した状態での日常生活ってのに皆戸惑ったような空気が大きかった。とはいってもルークもその空気になるのは承知していたからか、別に気にした様子は浮かべてはいなかった。

ただそんな空気を気にせずルークに寄ってくる人もいる。それは結構最初から知ってたジューダスにレイヴンだったり、リタから話を聞いてたジェイにウッドロウにユーリ、それにカイル達だ。

そう言った面々はルークに気楽に話し掛けてきたり、クエストなんかに誘ってきたりもしてくれた。まぁユーリはすぐにキレなくなって大人しい対応をするルークに最初こそ微妙な感じだったけど、意外とすぐに順応していた。それでそう言ったメンバーの後押しもあって、ルークは他のメンバーとも徐々に打ち解けるようになっていった。










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