ワールドトラベラールーク君シリーズ TOW編

・・・嵐のように正当王位継承権を決める試験も終わって事の真相が全て明らかにされた後、ピオニー陛下はアッシュ達を引き連れライマの本国へと帰っていった。

その後アドリビトムにとって大きな依頼が終わったって事で他のメンバーも張ってた気を休めるって意味で特にその後は誰も依頼に動こうとすることもなく、一夜が明けた。












ルーク「・・・もう朝か・・・うわぁ、外出たくねぇ・・・」

ベル「・・・そう言うわけにもいかないだろ・・・飯も食わなきゃなんないし、せめてアンジュには迷惑かけたって謝りにいかないとな・・・」

ルーク「・・・わかっちゃいるんだけど、やっぱりなぁ・・・しゃあねぇ、行くか・・・」

ベル「あぁ・・・」

・・・夜が明けて随分朝早く起きた俺達は暗い面持ちながらも、外に出ようと互いの顔を見合わせてから外へと向かう・・・やっぱ気まずいんだよな。一晩経った後だと申し訳なさが際立ってきてさ・・・












アンジュ「・・・あら、おはようルーク、ベル。早いわね」

ルーク「・・・悪かった、アンジュ」

アンジュ「っ・・・ちょっと、いきなりなんなの?ルーク」

・・・それでアンジュの前に来た俺達だけど、いきなり頭を下げたルークにアンジュは驚いた様子を見せる。

ルーク「昨日の事だ・・・色々皆に迷惑かけたから、まずアンジュには謝っとかないとって思ってな」

アンジュ「・・・いいわよ、別に。こっちも陛下からいっぱい依頼料をもらったから・・・それよりいいの?私はまだ話を聞いてたから貴方の変化は比較的に受け入れられてると思うけど、他の人は・・・」

ルーク「・・・心配してくれんのはありがたいけど、色々やってたのは俺だからな。受け入れられるかどうかはわかんねーけど、俺なりにやるからさ。だから気にしないでくれよ」

アンジュ「・・・そう、わかったわ・・・でも無理はしないでね」

ルーク「わかってるよ」

・・・一先ずアンジュへの謝罪は終わったけど、重要なのはこれからなんだよなホント・・・何せ皆の分もちゃんと謝らないといけないからな・・・















・・・その後、俺達は各々メンバーがいる部屋だったりいる場所に一連の流れを謝りに行った。けど意外とっていう言い方もなんだけど、そんな皆気にしてないとか言う人が多かった・・・まぁリヒターとかクラトスなんかは分かる気はしたんだけど、大体がそうだったのには驚きが大きかった。

ただ多いってのは裏を返すと少数派もいるってことで、エステルとか一部の女子はルークの変化で複雑そうに戸惑ってたしクレスやロイドなんかはどうとも言えない表情をしてた。

まぁ一部例外っていう意味で最もなのは、カイル達だった。何せジューダスがほぼ最初から最後まで俺達と一緒でカイル達に何も言ってなかったもんだったから、結構怒られた。言ってくれればよかったのにって・・・ゴメン。人の事言えないけど、カイルは分かりやすいから無理だ。



・・・まぁそんな感じに全部の部屋に謝りに行った訳だけど、最後に俺達はある部屋を残していた・・・それはリタのいる研究室だ。






ウィル「・・・む、ルークにベル・・・?」

ハロルド「何の用~?」

リタ「・・・」

ルーク「・・・いや、昨日の件から色々迷惑をかけたからさ。謝りに来た」

・・・それで部屋に入って皆の視線が集中する中、ルークは頭を下げる・・・なんか、リタだけ明らかに視線の種類が違う・・・やたら力こもってるように見えるけど・・・

ウィル「いや、俺はそこまで気にしていない・・・お前にも事情があるという事は聞いたし、俺はそれほど関知していないからな」

ノーマ「それ言うならあたしもかな~」

ハロルド「私は感謝してるわよ。あの嘘発見器の実験台になってくれたんだしね・・・ま、言いたいことがあるのは元々こっちなんだからリタも何か言ったら?」

リタ「・・・」

ルーク「リタ・・・」

ハロルドに進められて一歩前に出るリタにルークは複雑そうに表情を歪める・・・










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