レイヴン「ほら、オッサンの言った通り愛されてるじゃないのルーク君」

ルーク「レイヴン・・・」

レイヴン「そうでもなきゃこんな場をリタっちがセッティングする訳ないじゃない。リタっち素直じゃないけど、関心のない人にこんな大掛かりな事をするはずないしね」

ルーク「・・・」

そんな時に入ってきたレイヴンの言葉にルークは辛そうに目を伏せる。

ルーク「・・・でも、俺に関心を向けるような奴じゃなかっただろ。リタは」

リタ「・・・あんたが最初に私にクイズを仕掛けて来たときに感じたのよ。不自然だって」

ルーク「えっ・・・？」

リタ「いつものあんたの調子であの時売り言葉に買い言葉で言ったことだっただろうけど、あの後私は思ったの・・・世間知らずで馬鹿って言われてるのに、なんでこんな知識を持ってるんだろうって」

ルーク「っ！？」

リタ「不釣り合いな知識・・・それに私はきっかけを得た。何であんたはそう言う知識を持ってるんだって・・・」

ルーク「・・・あの時がきっかけ・・・」

リタ「・・・でも度々リベンジを仕掛けに来るあんたは、いつものあんただった。だから私は精一杯に持ち合わせた知識を簡単に一蹴されて、負けず嫌いで来てるだけ・・・次第に私はそう思うようになった。けどそれから少ししてあんたがベルと買い出しに行った時に会ってる姿を見て、何で・・・って思ったわ。普段気味悪がって近づこうともしないのにってね」

ベル「・・・っ！」

・・・きっかけと始まり。その違和感を涙を拭ったリタから聞いて俺もルークも微妙に表情が歪んだ。

ジューダス「・・・で、お前はジェイを使って二人のやり取りを調べあげたと言うわけか」

リタ「そうよ」

ジューダス「・・・成程、今となっては納得が出来るな。何故リタが他の誰でもなく、レイヴンを協力者にしたのかがな」

ベル「え・・・どういうことだよ、ジューダス・・・？」

ジューダス「普段のリタの交遊関係を考えてみろ・・・基本的にリタが行動を共にしているのは元々いたガルバンゾのメンバーに研究室にいる者で、他のメンツとそこまで親しくしている場面を僕はあまり見たことはない。その点でリタの立場から誰にも情報を言わないでいてルーク関連で協力してくれそうな奴で該当するのは、レイヴンにジュディスにハロルドと言うところだろう。ただジュディスとハロルドを頼らなかったのはレイヴンと違って行動が読めないという所がある。だからリタがこちらに直接接触する協力者として最後に選んだ結果がレイヴン、と言うことになったのだろう」

レイヴン「あったり～♪流石ジューダス、鋭いね～♪」

ジューダスの仮定にレイヴンは明るく答える・・・でも、確かにジューダスの言葉は今となっては頷けた。他の誰でもなくレイヴンにしたってことは、それだけの理由があるってこと・・・けど俺達はそれを考えなかった、今の状況を防げたかもしれないっていうのに・・・

ヴェイグ「・・・話が進んでいるところにすまないが、こっちにも話をしてくれないか？正直、何がどうなっているのかわからないんだが・・・」

エミル「・・・僕もちょっと、詳しく話が聞きたいな・・・いきなりジューダスまで入ってきて、誰がどうなのかって整理したいし・・・」

ピオニー「んー、そうだな。そちらもどういった経緯があるか、詳しく知りたいところだろう。それにそちらのリーダーもちゃんとした経緯を聞きたいだろうからな・・・よし、ここらでここを降りるぞ。そしてバンエルティア号とやらの中で話をしよう。その方が色々手っ取り早い」

ジェイド「陛下、それは・・・」

ピオニー「固いことを言うな、ジェイド。それに一応この依頼の依頼人は俺なんでな。余程理不尽な事でもなければそれに従うのがギルドってもんだろ？」

ジェイド「・・・確かにそうですが・・・」

ピオニー「よっし、なら決まりだ！ここを降りてバンエルティア号に向かうぞ。いいな、ルーク？」

ルーク「・・・はい」

・・・ヴェイグとエミルが訳が分からないと入ってきて、そこからピオニー陛下がトントン拍子で話を進めてバンエルティア号に戻ることになった・・・けどピオニー陛下の笑顔と違ってルークの表情は沈痛な物へと変わっていた。









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