ワールドトラベラールーク君シリーズ TOW編

ハロルド「あんたに分かるように簡単に説明するけど、人に限らず生命体ってのはこう言う行動を取ったらこう言う動きをするって電気信号を脳から体の中に命令を与えて絶えず働かせてるの。食べるなら食べるで、寝るなら寝ると言った行動をするための電気信号をね。そう言ったパターンがあるってのはドクメントを見て分かる物・・・そしてそれは嘘をつく、という行動も例外ではないわ」

ルーク「っ・・・この剣が光ったのはまさか、俺が嘘をついた電気信号を感じたから・・・とでも言うのか、ハロルド・・・?」

ハロルド「そうよ。正直に質問に答えたら何にも起こらず、嘘をついたら分かりやすく光るといった具合にね」

アッシュ「っ・・・じゃあこの屑が悔しそうにしてたのは嘘だ、とでも言うのか・・・!?」

ハロルド「そうなるんじゃないの?だってその剣が光ったんだし」

ベル「・・・っ!」

・・・場の流れがハロルドの説明で一気にルークを信じられないものを見るような物へと変わった。

ルーク「っ・・・う、嘘だ!そんな馬鹿な物が作れる訳ない!全部ハロルドの作り話だ!」

そんな空気になんとか抵抗するようルークは焦って周りに嘘だって大声で言い出す。

ピオニー「・・・アッシュ、話によるとどっちを取っても嘘発見器を取るようルークの物と同じ物を二つ用意したらしい。試しに分かりやすい嘘を一個言ってみろ。それで全てわかる」

アッシュ「・・・なら、俺はタコが好きだ」

‘フッ’

アッシュ「・・・っ!」

チェスター「光った・・・ってことはルークは・・・!」

ピオニー「嘘をついている、と言うことだ」

ルーク「・・・っ!」

けどだめ押しのようにピオニー陛下の言葉に従ったアッシュの嘘で剣が光った事で、一気にルークの表情がひきつって固まった。

アッシュ「テメェ、この屑が・・・!」

ナタリア「アッシュ!」

ベル「・・・っ!」

アッシュ「・・・なっ!?」

その姿にアッシュがその剣を地面に捨て、腰に刺していた本当の剣を抜いてルークに斬りかかる。だがその瞬間ルークの前に割り込んできたピオニー陛下の姿にアッシュは驚きながらも、その剣を止める事は出来なかった。

‘キィンッ!’

アッシュ「・・・なんだと・・・っ!」

ルーク「・・・無茶をしすぎですよ、陛下・・・っ!」

・・・誰もがその瞬間、動けなかった。ただ一人、アッシュの剣を受け止めたルークを除いて。
反射的に更にピオニー陛下の前に動いたその行動にアッシュは驚愕し、ルークは今までのようにではなく素で陛下にその行動を丁寧に批判する。

ピオニー「いやぁ、すまんすまん。まさかアッシュが本気で斬りかかってくるなんて思わなかったんでな、ついお前を庇ってしまった」

ルーク「・・・よく言いますね、俺を試してたくせに・・・っ!」

アッシュ「テメェ・・・っ!」

ルーク「・・・一旦剣を引け、アッシュ。俺はともかく、ピオニー陛下に傷を負わせる訳にはいかないはずだ」

アッシュ「っ・・・ちっ・・・」

それで斬られるはずだったピオニー陛下は至って楽しそうに答えルークは剣を押し返しながらも会話をすると、アッシュは苛立ちながら声を上げる。けど冷静になって陛下の事を出すルークにアッシュは更に押し込もうとしたその剣を舌打ち混じりに下ろす。

ルーク「・・・陛下、初めから俺を騙す気でこの場を用意してたんですね?」

ピオニー「まぁな。ただ一つ言うなら俺も協力をして欲しいと言われてこの場を用意しただけだ、お前の本性を明らかにして欲しいと言われてな」

ルーク「・・・それがハロルド、って訳か」

ハロルド「私は違うわよ、嘘発見器を作るのに協力しただけだから・・・本当にあんたの本性を明かしたいって考えたのは、こっちよ」

ベル「・・・えっ・・・?」

・・・それで場の流れからハロルドがレイヴンの依頼人なのかってルークが言ったけど、そこでハロルドが指を指したのは・・・

ルーク「リタ・・・?」

・・・ルークが戸惑いながら名を呟いた、リタだった。








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