ワールドトラベラールーク君シリーズ TOW編

ピオニー「おー、お前が別世界のルークって奴か?長い髪のルークもかわいいけど、短い髪もかわいくていいな」

ベル「ちょっ・・・なんで、ピオニー陛下がここに・・・?」

ピオニー「お?ベル、でいいよな?お前俺の事を知ってるのか?」

ベル「・・・俺の元々いた世界でもピオニー陛下はいたので・・・っていい加減に頭から手をどけてください」

・・・対面してニコニコ笑顔でいきなり頭を撫でてくるこの感じ・・・やっぱこの人も俺の知るピオニー陛下と同じなんだって感じながら、俺は身を引く。

ピオニー「あー・・・残念だな、もうちょい撫でたかったのに・・・」

ウッドロウ「・・・ピオニー陛下、何故貴方自ら・・・?」

ピオニー「おー、お前はウッドロウか。久しぶりだな・・・再会を喜びたい所だけど、とりあえず俺がここに来た理由を言うならここでの試験を抜き打ちで見に来る為だ」

ウッドロウ「抜き打ちで・・・?」

ピオニー「そう。こっちは本来ならヴァンやジェイド達に任せても良かったんだけどな・・・何やら変な噂がアドリビトム内で流れてるってこっちにも報告で流れてきたんでな。それで臣下を納得させて今日だけお忍びの抜き打ちで来たんだよ。それがどうなのかってのを確かめつつ不正がないようにってな」

ベル「・・・っ!」

・・・じゃあピオニー陛下はここに監査に来たってのか・・・ルークが本気でやるのかどうかを確かめる為に・・・!?

ピオニー「そういうわけなんでな・・・それでアスランに試験をする前にそっちのリーダーにだけ話をさせて俺が来ることは了承させたんだ」

ウッドロウ「成程・・・だから一つのパーティーは貴方の護衛の為に先に来た、という訳ですか」

ピオニー「正解だ・・・ま、これ以上ぐだぐだ言っても仕方ないんでな。お前らはここに着いたばっかりだからちょっと休憩したら始めるぞ。正当王位継承者を決める試験をな。それまではゆっくりしてていいぞ、お前達も」

ベル「・・・」

ピオニー陛下は言いたいことを言うと、奥の方へと戻る・・・もう少ししたら試験が始まる・・・ってちょっと待て。今この場にいるのって誰だ・・・ライマの人達は左側に集まってて、アドリビトムのメンバーは右側で・・・えっと、チェスターにリッド、ハロルドにクラトス、ヴェイグにウィル、リタにエミルか・・・なんだこの統一感のないメンバー・・・

レイヴン「どうしたの、ベル君?皆の方を見て」

ベル「あ、いや・・・なんでこのメンバーなんだろうって思ってさ・・・あんまり皆共通点無い感じに集まってるしさ・・・」

レイヴン「あぁそう言うことね・・・オッサンが聞いた話だと結構この場に来たがってた人多かったみたいよ?けど早い者勝ちって銘打たれてたし、普段の依頼に比べても高額報酬で競争率高かったからこんなメンバーになったんでしょ」

ベル「・・・そうなのか・・・」

レイヴンの言葉に納得してる俺もいるけど、どこかで疑ってる俺もいる・・・もし、もしこの中にレイヴンの依頼人が混じってるとしたら・・・誰なんだ、一体・・・?












・・・その後、少しの休憩を経た俺達。


ピオニー「・・・よし、んじゃそろそろ始めるか」

ルーク、アッシュ「「・・・っ・・・!」」

ピオニー陛下がきりがいいと思ったのか場の皆に聞こえるような声を上げたことに、アドリビトム側にいたルークとライマ側にいたアッシュを始めとして全員の緊張感が一斉に高まる・・・でもどうやって試験をするつもりなんだ、この人・・・?

ピオニー「ルールは簡単だ。今からルークとアッシュ、二人には決闘をしてもらう。そしてその結果で正当王位継承者が決まる・・・って訳だ」

・・・本当に簡単なルールだった。決闘をして決まるって、陛下がなんか仕掛けるんじゃないかって思ってたけど・・・この人、本当はただ興味本意で来ただけなのか?・・・前からそんな節はあったし・・・

ピオニー「ただし決闘とは言ったが、ヒートアップして相手を殺すようなことになってもらったら色々困るんでな。そこはこっちが用意した刃の部分を潰した剣を使ってもらう。危険を減らすためにな・・・いいな?」

ルーク、アッシュ「「・・・はい」」

・・・続いた条件にルークは緊迫した面持ちで頷いたけど、アッシュはそこに苛立ちが加わる・・・確かに陛下から露骨に視線を向けられちゃ、アッシュからしてみれば気分はよくないだろうな。つっても俺もルークがそんなことをやるとは思ってないし・・・






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