ワールドトラベラールーク君シリーズ TOW編
アンジュ「そう・・・なら聞くけど、貴方はルークの事について聞いてる?近々正当に王位継承者を決める事について」
ベル「は?・・・知ってるっちゃ知ってるけど、それって今言っていいのか?ウッドロウもクレスもいるけど・・・」
アンジュ「構わないわ、もう少ししたらアドリビトム内に知れ渡る事だから」
ウッドロウ「ちょっと待ってくれ、アンジュ君。その王位継承者を決めるとはルーク君にアッシュ君の事かい?」
アンジュ「えぇ、そうよ」
クレス「そんな・・・確かアドリビトムに来たのはそれを見極める為で、決めるためじゃなかったはずじゃ・・・?」
アンジュ「最近の噂については二人も知っているでしょ?それでルークが噂がウザったいから早く決めてくれってライマの本国に手紙を出して言ったらしいけど、それって本当なの?ベル」
ベル「・・・うん・・・つまんねー噂に振り回されんのウザいって言って、ならさっさと正式に決めりゃ俺に文句言う奴もいなくなるみたいなこと愚痴ってたから間違いないけど」
・・・これは嘘だ。普段のルークならこう言うだろうという事を俺なりに昔を思い出した感じで言ってみただけだ。俺はルークの本心を知ってるから、誤魔化す為にそれらしいことを言ったに過ぎない。
アンジュ「そう、ならいいけど・・・」
ベル「なぁアンジュ、もしかしてそれを聞くためだけに俺とクエストに一緒に来たのか?」
アンジュ「いえ、違うわ・・・本当に言わなきゃいけないことは別にあるの。それは私宛に来たライマからの手紙にこう書かれていたのよ。『王位継承者を決める場にはアドリビトムからの見届け人として何人かつけて欲しい。ただしそちらでベルと名乗ってるという異世界のルークは必ずつけてくれ』と」
ベル「へ・・・俺?っていうか俺、ルークから俺もその場に来るようにって書いてあるって聞かされてないんだけど・・・」
アンジュ「そうらしいわね・・・だって私宛の手紙にだけそう書いたって書いてたから」
なんで俺?・・・つーか俺を呼び出すって、俺はこっちのルークと違ってライマには直接関わってないから誰か経由でライマに情報伝わってても、誰にも興味を持たれないはず・・・って、ちょっと待て・・・まさか・・・!
ベル「・・・なぁアンジュ、もしかしてピオニー陛下からの直筆の手紙だったりしたかそれ・・・?」
アンジュ「えぇ、そうだけどどうしたのベル?」
ベル「いや、ちょっと待ってアンジュ・・・色々考えたいことがあるから・・・!」
そうだった・・・すっかり俺、ピオニー陛下の事を忘れてたよ・・・!・・・あの人とは全くこの世界で会わなかったから何も感じなかったけど、ルーク自身気付いてるとしたらあの人くらいって言うほど鋭い人だし元々・・・もし、もしルークの正体がピオニー陛下にバレてたら正当王位継承者ってどうなるんだこの場合・・・!?
クレス「・・・どうしたんだい、ベル?少し顔色が青いけど・・・」
ベル「っ・・・いや、なんでもない。大丈夫・・・早く戻ろうぜ、もう依頼も終わったしアンジュも言いたいこと言い終わっただろ・・・?」
・・・ルークがどう考えてるのか分からないけど、多分ピオニー陛下が気付いてたらまずいことになる可能性が高い・・・早く帰らないと・・・!
アンジュ「・・・そうね、と言いたい所だけどまだ聞いてないわベル。貴方がその依頼を受けるかをね」
ベル「あ・・・あぁ、受けるよ。別に俺断る理由ないし早く帰ろうぜ・・・」
ウッドロウ「いや、少し待ってほしい」
ベル「なんだよ、ウッドロウ・・・」
ウッドロウ「・・・いや、これは私の独り言と思って聞いてほしいのだ。私の独り言とね」
ベル「え・・・?」
焦る俺を食い止めてまで独り言を聞かせたい、そう言うウッドロウの顔はどこか寂しそうな笑顔・・・その姿に俺は妙な胸騒ぎを感じていた。
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ベル「は?・・・知ってるっちゃ知ってるけど、それって今言っていいのか?ウッドロウもクレスもいるけど・・・」
アンジュ「構わないわ、もう少ししたらアドリビトム内に知れ渡る事だから」
ウッドロウ「ちょっと待ってくれ、アンジュ君。その王位継承者を決めるとはルーク君にアッシュ君の事かい?」
アンジュ「えぇ、そうよ」
クレス「そんな・・・確かアドリビトムに来たのはそれを見極める為で、決めるためじゃなかったはずじゃ・・・?」
アンジュ「最近の噂については二人も知っているでしょ?それでルークが噂がウザったいから早く決めてくれってライマの本国に手紙を出して言ったらしいけど、それって本当なの?ベル」
ベル「・・・うん・・・つまんねー噂に振り回されんのウザいって言って、ならさっさと正式に決めりゃ俺に文句言う奴もいなくなるみたいなこと愚痴ってたから間違いないけど」
・・・これは嘘だ。普段のルークならこう言うだろうという事を俺なりに昔を思い出した感じで言ってみただけだ。俺はルークの本心を知ってるから、誤魔化す為にそれらしいことを言ったに過ぎない。
アンジュ「そう、ならいいけど・・・」
ベル「なぁアンジュ、もしかしてそれを聞くためだけに俺とクエストに一緒に来たのか?」
アンジュ「いえ、違うわ・・・本当に言わなきゃいけないことは別にあるの。それは私宛に来たライマからの手紙にこう書かれていたのよ。『王位継承者を決める場にはアドリビトムからの見届け人として何人かつけて欲しい。ただしそちらでベルと名乗ってるという異世界のルークは必ずつけてくれ』と」
ベル「へ・・・俺?っていうか俺、ルークから俺もその場に来るようにって書いてあるって聞かされてないんだけど・・・」
アンジュ「そうらしいわね・・・だって私宛の手紙にだけそう書いたって書いてたから」
なんで俺?・・・つーか俺を呼び出すって、俺はこっちのルークと違ってライマには直接関わってないから誰か経由でライマに情報伝わってても、誰にも興味を持たれないはず・・・って、ちょっと待て・・・まさか・・・!
ベル「・・・なぁアンジュ、もしかしてピオニー陛下からの直筆の手紙だったりしたかそれ・・・?」
アンジュ「えぇ、そうだけどどうしたのベル?」
ベル「いや、ちょっと待ってアンジュ・・・色々考えたいことがあるから・・・!」
そうだった・・・すっかり俺、ピオニー陛下の事を忘れてたよ・・・!・・・あの人とは全くこの世界で会わなかったから何も感じなかったけど、ルーク自身気付いてるとしたらあの人くらいって言うほど鋭い人だし元々・・・もし、もしルークの正体がピオニー陛下にバレてたら正当王位継承者ってどうなるんだこの場合・・・!?
クレス「・・・どうしたんだい、ベル?少し顔色が青いけど・・・」
ベル「っ・・・いや、なんでもない。大丈夫・・・早く戻ろうぜ、もう依頼も終わったしアンジュも言いたいこと言い終わっただろ・・・?」
・・・ルークがどう考えてるのか分からないけど、多分ピオニー陛下が気付いてたらまずいことになる可能性が高い・・・早く帰らないと・・・!
アンジュ「・・・そうね、と言いたい所だけどまだ聞いてないわベル。貴方がその依頼を受けるかをね」
ベル「あ・・・あぁ、受けるよ。別に俺断る理由ないし早く帰ろうぜ・・・」
ウッドロウ「いや、少し待ってほしい」
ベル「なんだよ、ウッドロウ・・・」
ウッドロウ「・・・いや、これは私の独り言と思って聞いてほしいのだ。私の独り言とね」
ベル「え・・・?」
焦る俺を食い止めてまで独り言を聞かせたい、そう言うウッドロウの顔はどこか寂しそうな笑顔・・・その姿に俺は妙な胸騒ぎを感じていた。
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