ワールドトラベラールーク君シリーズ TOW編

・・・その後ルークは手紙を書き終え、秘密裏にライマに手紙を送ることが出来た。アドリビトムは様々な身の上の人間で構成されていることや、ヴェイグ達みたいな故郷を想い手紙を送る人間もたくさんいる。そんなこともありルークの手紙はそんな人達の中の一つに紛れ込み、誰にも怪しまれることなくライマまで出された・・・って訳だ。












ユージーン「・・・ベル、いるか?」

ベル「ん?どうしたんだよ、ユージーン?」

・・・それでライマの本国からの反応を待つ状態になった現状で、ユージーンが俺らの部屋に入ってきた。

ユージーン「少しクエストに付き合ってもらいたい。本来ならヴェイグかティトレイに頼む予定だったが、二人とも別のクエストに行っていてな。手が空いてるならお前に来て欲しいんだが・・・出来るならその、ルークにも来てもらいたい・・・」

ベル「え?・・・えと、俺は別にいいけど・・・」

ルーク「・・・んだよ?何か微妙に歯切れが悪いな、ユージーン?」

・・・本当にどうしたんだよ、ユージーン?

ユージーン「・・・やはりいかんな。俺には人を騙すような事は出来ん」

ベル「え・・・?」

ユージーン「・・・正直に言おう。頼まれたんだ。お前達をクエストに連れてきてもらうようガイにな」

ルーク「・・・はっ?ガイに?いやいや、俺とガイっていうかティア達もだけど自分達から組むみたいなこと無しにしようってなってるだろ。アンジュとの決まりごとで。それを自分から破る気かよ、あいつ?」

ユージーン「・・・いや、それをどうにかする案を思い付いたと言ったらしくな。それが同じ場所に偶然別のクエストが重なってしまった、という形だ」

ベル、ルーク「「・・・は?」」

いやいやいや、何を言ってんのガイ?・・・確かにクエストの関係上同じ場所で別のパーティーとバッティングしたなんて事もたまにあるらしいけど、それってあくまで初期ごろのバンエルティア号で活動してた範囲だったりクエストの舞い込みかたが半端ない時にだけ起こってたからだって聞いたな。それで人員的に余裕があって行ける範囲も広まったから今はそんなことはないって聞いたけど・・・

ベル「・・・いや、普通に無しだろ。どう取り繕ったって自分から決まりごとを破ろうとしてんだし、そんなことやったら何の為にそんな決まりごとを作ったのか分かんないだろ。それになんで今更そんなこと言い出したんだよ・・・?」

ユージーン「・・・その事についてだが、実はルーティが原因なのだ」

ベル「は?ルーティ?」

ユージーン「・・・この前ユーリと噂について話しただろう。その後にある程度当たり障りない世間話になるレベルに内容を引き下げてその時の事を話したらしいのだが、それをガイ達が聞いてたらしい・・・とのことだ。それでガイが経緯を知る俺に頼み込んで来たんだ。状況は作るから協力してくれないかとな」

ベル「うわ・・・何やってんだ、ルーティ・・・」

ユージーン「・・・俺もそう思う。経緯はどうあれ、あの話は誰かに聞かれてはまずい話だったと思うのだが・・・」

ルーク「冗談じゃねぇよ!ただでさえ最近居心地悪いっつーのに!コイツから話は聞いちゃいたけど、何してんだよあの女!」

ユージーン「・・・すまん、俺がもう少し気を使っていればよかった・・・」

・・・演技もあるけど本気でキレるルークに、ユージーンは頭を下げて謝るばかり。まぁ俺もこうなるなんて思ってなかったから同罪だと思うけど、とりあえずはまずこの状況を打開しないといけないな・・・












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