ワールドトラベラールーク君シリーズ TOW編

・・・結局俺は何もルークの為に打開策を提案することも出来ないまま、ジューダスとその日は別れた。その時にジューダスはルークに接触して事の次第を報告してやると言ってくれた・・・なんだかんだ言ってジューダスに結構動いてもらってる事に、俺は感謝せざるを得なかった。












・・・でも状況はあまり好転したとは言えない。結局誰が黒幕で活動しているのか分からないんだから手の打ちようがない事に、俺は歯痒さを覚えていた。






スパーダ「・・・わりぃ、いるかベル?」

ベル「・・・どうしたんだよ、スパーダ?つーかスパーダだけじゃなくクロエにリフィルまで・・・」

・・・そんな中で俺のいる部屋まで来たスパーダにクロエにリフィルの三人。だがその表情がどこか緊迫感を持った物っぽいと俺は感じてた。

スパーダ「・・・時間があるなら俺達とクエストに来てくれ。名目上は俺の依頼で修行のクエストってするけど別に魔物相手に戦えって言う訳じゃなく、ただついてきてほしいんだ。頼む」

ベル「うっ、うん・・・まぁいいけど・・・」

・・・なんだよ、こんなにスパーダが真剣な感じで頼み込むなんて・・・あんまりいい予感がしないんだけど・・・















・・・それでクエストとしての手続きを済ませ、スパーダ主導の元で訪れたのはブラウニー坑道。だけどスパーダの言った通り三人は魔物と戦うことなんて選ばず、一直線に下層の方へと向かって俺もその後をついていく・・・



スパーダ「・・・ここらでいいか。この辺りなら見通しもきくし、魔物も近付いちゃこねーだろ」

ベル「・・・なんだよ、一体・・・」

・・・それで適度に拓けた場所に来たことで立ち止まる三人を前に、俺は嫌な予感を隠せない。

リフィル「・・・貴方には直接関わりはないことだろうから単刀直入に聞くわ。最近ルークとアッシュの間に流れる噂は知ってるかしら?」

ベル「え?・・・まぁゼロスから聞いて知ってるけど、それがなんなんだよ・・・?」

リフィル「そう、ゼロスから聞いて知ってるなら話が早いわ・・・それでなんだけれど、出来るなら貴方のいる部屋にルークを引っ越させてあげてくれないかしら?」

ベル「・・・へ?いや、いきなりどういうこと?」

いやマジで・・・いきなり何を言ってるの、リフィル?

クロエ「・・・お前も噂を聞いたと言っただろう、ベル。それで最近ファブレに対し、アッシュの怒りが凄まじいというのも聞いていると思うが・・・裏で流れる噂がアッシュに聞かれた時の事を考えると、これ以上ライマの者同士で固まられるとまずいのではと思ったのだ」

ベル「え・・・裏って、まさかお前達はアッシュよりルークがってヤツを聞いてるのか?」

スパーダ「まぁな。つっても俺達はそれがどれだけまずいかって事を比較的分かってる方になるから、言ってるんだけどな」

ベル「比較的・・・?」

スパーダ「・・・あんま言いたくないけど俺もベルフォルマって貴族の中に生まれたからわかんだよ。それがどんだけドロドロした争いを生むかってのをな」

クロエ「・・・私もヴァレンス家の一員として、ベルフォルマの意見に同じような想いを抱いた。後はラントもだが・・・ラントは今別件で用事を頼んでいるからこちらには来ていないがな」

・・・見事に全員偉い人の元ってのが共通してるな、今のメンバー。アスベルも聞いた話だとどっかの領主の息子だって話だし・・・でもならなんでリフィルはここに?

リフィル「私もその噂に危機感を覚えていたのだけど、スパーダ達が集まっていたのが気になって話を聞いてみたの。そして話を聞いてどうするかってなった時に一つ、私は気休めにしかならないだろうけど貴方の所に引っ越させることを思い付いたわ・・・正直今のライマ関係者はその噂でピリピリと言うより過敏になってて、下手にルークとアッシュを刺激しかねないと思ってね」

ベル「・・・分かる気はする。なんか気を使おうとしてドツボにハマる感じがするし・・・」

・・・ガイは笑って誤魔化そうとするだろうけど結局変な形で核心を突きそうだし、ティアは叱責の言葉を出してその事を気にするななんて言って結果的に二人の事を触発させかねないしな。他も同じようなもんだろうし・・・よし。

ベル「・・・俺は別に構わないよ。ただちょっと約束してもらいたいことがいくつかあるけど、いいかな?」

リフィル「・・・譲歩出来る分は構わなくてよ」

・・・ここで俺は思った。うまくいけば状況を少しは改善出来るんじゃないかって。だから俺は必死に考えながら話す。ルークの為にも以降をうまくいかせる流れを。









10/72ページ
スキ