ワールドトラベラールーク君シリーズ TOW編

(とあるカフェの一角)







レイヴン「・・・さ、色々オッサンに聞きたいでしょ?今ならなんでも答えてあげるから、ドシドシ質問していいわよ?」

・・・対面にレイヴンとジューダス、俺とルークは隣り合わせで座る中で、レイヴンは笑顔で俺達に話しかけてくるけどその目の奥が真剣で笑っていない・・・俺はそう感じていた。

ルーク「・・・いつから俺達の事に気付いてた?」

レイヴン「きっかけは偶然だったんだけどね。ルーク君とベル君が同じ店に入ったのを見た・・・そう言った事を言った人がいるのよ。それでその情報を調べたって言われた上でオッサンは頼まれたの。二人に接触してくれってね」

ルーク「は?・・・って事はオッサンが俺らをつけてた訳じゃねーのか?」

レイヴン「そうそう、オッサンも依頼を受けてここにいんのよ?そこんとこは理解してちょうだいね」

・・・レイヴンが首謀者じゃない?一体どういう事なんだ、っていうかその前に・・・

ベル「・・・ならなんでジューダスはここに?」

ジューダス「・・・言っておくが僕はレイヴン側ではない。最近のお前の行動がおかしいと思い、ついてきただけだ」

ベル「へ?・・・もしかして俺、わかりやすかったのか・・・?」

ジューダス「心配するな。おそらく僕以外にお前の変化に気付いたものはいない。この前の買い出しから微妙に態度がどこか周りを気にした物に変わっていたことに加え、ルークを見つけた時にどこか意識的に気を使い避けているような空気があった。それで何事かと思った結果だが、まさかこのような事になるとは思ってなかったとだけ言っておく」

ベル「うわ・・・わりぃ、ルーク・・・」

ジューダス「気にするな。普段の態度で気付いているのは僕だけだと言っただろう。現にアドリビトムの大体のメンバーはその事を知ったなら何らかのアクションは起こすだろう。しかしそれもないことから後は知ってるとしたらレイヴンにその誰か・・・といったくらいだと僕は見ている」

ルーク「・・・だろうな。まぁ気にすんな。興味本意でジューダスが動くとか思っちゃいなかったけど、知られてるのがまだそれくらいって分かっただけでも良かったしな」

ベル「・・・あぁ」

情けねぇな、自分に励まされるなんて・・・まぁ確かにジューダスの事は意外だった。けどまだアドリビトム内に広まっちゃいないのは不幸中の幸いだよ、ホント。

ルーク「・・・んじゃ次の質問に行くけど、俺らの事を探った奴って誰だ?つっても一応俺らも周りを警戒はしながら行動してたんだ。尾行の得意な奴は大分限られてくるから・・・性格的に考えて尾行してた奴と、そいつにオッサンに指示出した奴は別人なんじゃねーか?」

レイヴン「っ・・・まさか、そこまで読みきってるの・・・?・・・怖いわこの子ー、猫被りすぎでしょ・・・」

ルーク「いいから答えろよ、オッサン・・・」

・・・正解を言われておどけたように体を抱くオッサンにルークはスプーンを突き付け、有無を言わさない力を込めた声を向ける。

レイヴン「・・・多分ルーク君も勘づいてるんじゃない?・・・二人をつけてたのはジェイ君だよ」

ルーク「やっぱそうか・・・しいなはこういった事に関しちゃお節介に口を出すだろうし、すずは融通聞かせそうにないしな。リーダーのアンジュか頭領からの依頼じゃなきゃ受けないって。その点ジェイなら金銭次第でアンジュを通さずやると思うし、変に言いふらしもしないだろうし・・・妥当な所だな、この人選は」

レイヴン「・・・ねぇ、なんなのこの子?弟君よりあらゆる意味で怖いんだけど、オッサン・・・」

ジューダス「すりよるな、うっとうしい」

レイヴン「ひどい!」

ルーク「まだ質問は済んじゃいないぞ・・・お前とジェイに依頼を出したのは誰だ?答えろ」

レイヴン「・・・あーっと、それはねぇ・・・それだけは言うなって言われてるのよ、オッサン」

ルーク「・・・あ?」

レイヴン「ちょっとちょっと、そんな怖い顔しないでよ。これでもオッサン、結構ギリギリまで話したのよ?それに何でも答えるとは言ったけど、何でも正直にとは一言も言ってないしね。後無理矢理にでも口を割らせようとしたらアドリビトム内に全部ぶちまけるわよ」

ルーク「・・・チッ」

・・・アッシュより迫力がジワジワ来るルークの睨みにレイヴンは平気そうにいなしたばかりか、事実をバラすと盾にされたことで舌打ちをしてルークは椅子に背を預ける・・・確かにこの状況ってあんま俺らにとっちゃいい状況じゃねぇし、黙っといてもらわないとキツいしな・・・でもちゃんと聞くことは聞いとかないとな。








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