ワールドトラベラールーク君シリーズ

「・・・お目汚しな物を見せてしまって申し訳ありません、アテナ」
「いえ・・・この時代の黄金聖闘士達の関係を未来のアテナである私が責めるつもりはありませんから、気にしないでください。それに楽しそうではありませんか、あの二人も」
「はぁ・・・」
そんな俺達にアルバフィカさんが頭を下げてくるけど、アテナさんはいいと言いつつ笑顔で二人を見守っていることでなんとも言えない表情になる。
「・・・そろそろ止めるか。小宇宙が使えない今カルディアの心臓に負担がかかっても、私はもう冷やすことは出来ないからな」
「ん?デジェル、だよな。それってどういうことなんだ?」
「・・・次代の蠍座は違うのか・・・まぁいい。それなら話すがカルディアの心臓は病に犯されていた状態を秘術を用いて延命させていた。だがそれは小宇宙を燃やせば異常な熱を心臓に与える諸刃の剣・・・同じく小宇宙を扱えなくなったとは言えカルディアの心臓を思えば、あまり無茶はさせられん」
「・・・そうなのか・・・」
そんな時にデジェルさんが意味深な事を呟いていたのを星矢がなんなのかと聞くと、想像以上にキツいカルディアの病の事を聞いて星矢は複雑そうな表情を浮かべる・・・確かにそういう事聞くと、あんまなんも言えなくなるよな・・・
「・・・でも小宇宙を燃やしたらって話だから、小宇宙が扱えないんなら関係無いんじゃないんですか?現にカルディアはレグルスを平気な顔で追いかけ続けてるし・・・」
「・・・確かに、そうだな」
「見てないで助けてくれよデジェル!エルシドでもアルバフィカでもいいからさ!」
「・・・やれやれ、俺が行こう」
けど瞬の指摘に少し考え込む様子を見せるデジェルさん。そんな姿に助けを求める叫びを上げるレグルスに、エルシドさんが仕方なさそうに足を運び出す。
「・・・アンドロメダの言うよう小宇宙を扱えないなら関係無いというのは信じたい所だな・・・流石に小宇宙を扱えんのなら聖闘士に戻る事も出来ないから、これからの生活に不便にならないことを願いたいものだ・・・」
「・・・あー、それは心配いらないと思うぜ。その秘術ってのはぶっちゃけて言えば、アテナの血を受け入れるってもんだ。そしてその秘術を授けたじいさんも以前は聖闘士だったかで、その血の効果で500年生きてたつってたな。だから余程変なことしなけりゃ俺もそれくらいは生きられる可能性はあるらしいぞ」
「カルディア・・・そんな話、私は聞いてないぞ・・・」
「当たり前だ、今初めて言ったんだからな」
それで一人考察をしていたデジェルさんの元にエルシドさんになだめられてレグルスと共に来たカルディアが秘術の詳細を明かすと、初めて聞く事実に目を瞬かせるけど平然とカルディアは初めて言ったと言う。
「ま、そんなこたどうでもいいんだ。リミットが来た命が終わったことも、生き返って今があってそれで生きてるならそれでいい・・・そして俺は命を燃やすんだ。いかに短い未来しか無かろうと再びリミットが来るまでな・・・!」
「またお前は・・・」
そしてぎらついた目を浮かべ自身の生を力強く生きることを宣言したカルディアにデジェルさんの目に呆れがこもったけど、カルディアの言うことが分かるだけに俺は何も言えなかった・・・自分の死の事を覚悟して生きる事、そしてそれを強く貫く事が周りの人の理解を必ず得られる物とは限らないと知ってたから。
「・・・すまないな、今終わった」
・・・と、そんな時シオンさんを先頭にして残りの先代達が入ってきた。そしてその最後尾にはアスプロスとデフテロスの兄弟がいる・・・決着がついたのか、穏便に?











61/63ページ
スキ