ワールドトラベラールーク君シリーズ

「先代に聞く・・・ちょっと待ってくれ、沙織さん。まさか・・・!」
「えぇ、そのまさかです。先代を甦らせたいと思います、私の力でね。それも先代の双子座だけでなく、全員と言う形でです」
「「・・・っ!」」
先代に聞く、そう言ったアテナさんに俺達が騒然とする中で星矢が予想をつけてまさかと言えばその通りと生き返らせると返してくれた。それにシオンさんと老師は信じられないと目を疑う。
「出来るのですか、そのようなことが・・・!?」
「えぇ、とはいってもハーデスのしたことを真似するだけですので普通に生き返る事は出来るでしょうがどのような作用が出るかがわかりません。それにこれがパラレルワールドであるとは言っても、地上の平和の為に戦ってくれた貴方達への報いだと思うのです。私は」
「アテナ・・・」
それでシオンさんがそれをしっかりと言葉にすればアテナさんは完璧には出来ないだろうと言いつつも、報いと言い老師は感激した様子を見せる・・・まぁここじゃすっぱりと流されたけど、この世界が先にいた聖域のある世界とは似ているだけで正確には違う世界ってメフィストフェレスの存在でパラレルワールドってわかったからな。それはいいか、別に。
「では早速始めたいのですが・・・この時代の黄金聖衣を集めてきてもらってもいいですか?魂があれば話は早いのですがこの時代の聖戦は終わったばかりでハーデスも封印されたばかりで協力的ではなさそうですし、その意志を強く宿す物で代用すれば先代達を生き返らせる事が出来ると思います。そしてその代用品としてピッタリなのが黄金聖衣なのです」
「・・・わかりました。では我々が黄金聖衣を集めてまいります」
「我々もお手伝いします、二人とも。星矢と瞬にアイオリアはアテナについて差し上げてくれ」
「うん、わかったよ。カノン」
それで早速指示を出し始めそれで黄金聖衣が必要と言うアテナさんにシオンさん達が動き出し、俺達はその光景を見届ける・・・さて。
「・・・アテナさん、この花輪。お返しします」
「・・・どうしたんですか、ルーク?」
それで花輪を外し手渡そうとする俺に、アテナは首を傾げる。
「俺今まで色んな所に行ったりしてきましたけど、何か縁深い場所とかだったりすると何回かその世界に行ったりしたりしたんです。けどそういった事って何回か巡りめぐった後でとかって言う時が多くって、少なくてもこんなほぼ同じっていうような世界の過去でそれで同じ場所に来ることなんてまずなかったんです。それでもしかしたらって思って考えたんですけど、この花輪がこの過去って呼べる世界に来たんじゃないかって・・・多分強い縁を持った物とか持ってたりしてもそうなると思うんですけど、この花輪はちょっとその力が強すぎるんじゃないかって思うんです」
「・・・成程、だからこの花輪を返したいと言うんですね。わかりました、受け取らせていただきます」
・・・見てすぐ分かる神の力がこもったものなんて、縁を引き寄せる力がどれくらいかなんて想像出来ない。だから手放さなきゃならない、帰る為にはこの花輪を。
せっかく作ってくれたものを返さなきゃならないのは心苦しかったけど、アテナさんはそれを察して笑顔で受け取ってくれた。
「・・・戻って参りました、アテナ」
はやっ!・・・何気にホッとしていて気を抜いていた俺は黄金聖衣を持ってきた四人を前に、ちょっと驚いてビクッとした。
「ありがとうございます。では早速始めましょう・・・」
「「「「・・・っ!」」」」
荘厳に並べられた黄金聖衣のボックスを前に意識を集中を始めたアテナさんだけど、瞬時にビッグな小宇宙が辺りに満ちて俺達は驚きに満ちた表情を浮かべた・・・ホントに神と、そう思える程の小宇宙だった。



‘カッ!’



「「「「・・・っ!」」」」
・・・そして黄金聖衣を中心に光が爆発したように広がった後、眩んだ目が回復した後見えた光景に俺達は目を疑った。



「これが・・・先代・・・」









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