ワールドトラベラールーク君シリーズ

・・・夜になりカミュさんの周りでミロさんと氷河は離れずに付いていて、俺とカノンは遠巻きにそれを見ている。そんな状態で宝瓶宮の夜は終えた。



「・・・さぁルーク、行くぞ」
「今日は迎えには来ないのか?」
「悪いがやることがあるから準備が出来たら勝手に来てくれ、とアフロディーテから連絡が来た。だから今から出発だ」
「ふーん、そうなのか」
それで朝になりカノンが出発と言ったからどうしたのかと聞いたら、やることが次の双魚宮にいるアフロディーテさんにはあるらしい。迎えが来ないことにも納得いったよ。
「もう出発か」
「あぁ、行ってくる」
「気をつけてな」
そんな時にミロさんが一人現れ、俺達二人はその見送りを受け次の双魚宮に向かう・・・本来の宝瓶宮の主であるカミュさんがいない状態で・・・















・・・それで俺達は十二星座最後の宮である双魚宮に辿り着いた。
「・・・あれ?何か前ここ通った時よりバラの強い香りがする・・・」
「・・・確かに匂うな。いつもこの宮はバラの匂いがするが、今日はまた特別強い・・・」
そこで俺達が気付いたのは、以前より強いバラの匂い。鼻をヒクヒクさせなんなのかと双魚宮の中を見渡す。
「・・・来たな、二人とも」
「アフロディーテ・・・なんだ、このバラの匂いは?ロイヤルデモンローズではないようだが・・・」
そうしてると宮の奥から改めて見てもやたら美人なアフロディーテさんが姿を現したんだけど・・・いやいやいや、カノン。話に出てた何普通に猛毒のあるバラの名前出してんの?なんか言い方からして結構な頻度でばら蒔かれてる気がすんだけど・・・
「奥に行けばすぐに分かる、ついてこい」
「「・・・」」
けどアフロディーテさんは全く気にした様子も答えをすぐに出す気もなく、奥へと姿を消す。仕方がないので俺とカノンは若干不安な気持ちを残しながら、後を付いていく・・・



「・・・これは、ティーセット?」
「そうだ。もてなしをしろと言われてるのでな、用意をしてみた。使っているのは正真正銘無害なバラだ。それも極上のな」
・・・そこで通された場所に来てみると、そこにはテーブルクロスを引かれたテーブルの上に高いってすぐに見て分かるティーセットが置いてあった。それでそのポットからは確かにバラの香りがしてる、すっごいいい香りが・・・
「さぁ、座るがいい。今ローズティーを淹れよう」
「あ、はい・・・」
ローズティーの準備をしてた。宝瓶宮に来なかった理由を察した俺はアフロディーテさんの勧めに従って、椅子に座る。でもなんだろう、微妙にアフロディーテさんから力こもったプレッシャーっぽいのを受けてる感じ・・・?
「・・・さぁ、飲んでみてくれ」
「はい、いただきます・・・・・・あっ、美味しい・・・」
それで淹れてくれたローズティーを俺に出してきたもんだから飲んでみたら、素直に美味しいって思えた。これ普通に屋敷で飲んでたもんと比べても全然悪くないぞ。むしろいいくらいだ。
「そうか!それはよかった!」
「うわっ!」
「あぁ・・・すまんな、驚かせてしまった」
だけど次の瞬間力が抜けてすごく嬉しそうな満面の笑みに変えたアフロディーテさんが俺に瞬時に顔を近づけてきたのでたまらず驚いたら、笑顔のまま距離を取り謝罪してくる・・・この人こんなキャラだったっけ?









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