ワールドトラベラールーク君シリーズ

「・・・なぁ氷河。確か黄金聖闘士は自分に従者付けられるんだよな?でもお前がカミュさんに会った時からカミュさんって料理美味かったんだろ?そんな従者いるのに料理を覚える暇なんてあったのか、カミュさんに?」
ゆったりとした空気が流れる中、なんでデスマスクと違い従者をつけることに抵抗も訳も持たなそうなカミュさんが料理を出来るのかを氷河に聞いてみる。
「あぁそれは聖闘士は戦闘能力だけでなく、サバイバル能力を磨く事も重要になるからだ。いつ何時、どこで何が起こるか分からないからな。危険な食材かどうかを見極めた上でどう調理し食べれるようにするか・・・その過程で調理法を身につける為に最低限は料理を覚える事になる、どの聖闘士でもだ。その中でカミュは食事の重要性を理解し、ちゃんとした栄養を取る為に料理を覚えたとのことだ」
「へえぇ・・・じゃあ氷河も料理は出来るのか?」
「あいにく俺はまだカミュの領域には達していない。人並み程度には作れるとは思っているが、俺達の中で料理が美味いのは紫龍に瞬だな。あの二人に俺はまだ料理ではかなわん」
そうなんだ。戦う事だけじゃないんだな、聖闘士も。まぁなんとなく紫龍に瞬が料理が美味いのは分かるな、紫龍は必要なら料理を覚えるのに抵抗ないだろうし瞬もなんか好きそうな感じするし。それに何より・・・
「それ聞くとデスマスクが料理が美味いってのも、聖闘士としての土台があったからこそなんだな。アイツそんな食事の為だからって一々真面目に取り組む感じしなかったし、そこで目覚めたんだろうな」
頭の中に思い浮かんだのはデスマスクが料理上手だって事実。多分アイツそういった経験無かったらレトルトでいいとか面倒くさがるタイプだろうしな、料理作れない事実を棚に上げて味を二の次にして。
「あっ・・・!」
「ん・・・え?」
「・・・」
そう思ってたら氷河の表情が崩れ俺の後ろを凝視してたので振り返ったら、無表情のカミュさんがいた。
「・・・デスマスクの料理は美味かったのか?」
「え?あ、はい・・・」
「・・・そうか・・・氷河、私は少し出てくる。後は頼むぞ」
「はい・・・」
そのまま俺に質問してきたので正直に答えたら、カミュさんは一言言い残し宝瓶宮から下に向かう方に後にしていく。
「なんなんだ、一体?」
「気にするな、カミュの悪い癖が出ただけだ」
「カミュさんの悪い癖?どう言うことだよ、カノン?」
「何、簡単だ。デスマスクが料理上手なのは黄金聖闘士達の間では有名だが、カミュも弟子に長いこと料理を食べさせてた分アイツも料理に自信があったんだ。それで一回どちらの料理が美味いかと黄金聖闘士が味見役を引き受け、戦ったんだ。それで結果はカミュの敗けだった」
「あ・・・でも確かにデスマスクの料理は美味かったな・・・って、あれってもしかして・・・」
なんか嫌な予感した・・・あの時カミュさんがダイヤモンドダストかけたのってもしかして、デスマスクへの対抗心からの腹いせとかなのか・・・?
「おそらく今、道中の宮にいる黄金聖闘士を誘えるだけ誘って巨蟹宮に向かっていることだろう・・・しばらくしたら巨蟹宮で料理対決が行われるはずだ。現に小宇宙を探ったらアイオロスにミロはもうカミュに連れてかれているぞ」
「はやっ!」
今出たばっかでもう天蠍宮突破!?早すぎだろ!
「それが終わったらカミュもすぐに戻ってくるだろう、手土産に何か持ってきてな」
「・・・カミュ、クールになれと言っていた貴方はどこに行ったのですか・・・」
「・・・」
そんなのはもう見慣れた光景と言った様子でカノンが話を終わらせれば、氷河はかなり嘆いた様子でうなだれる・・・大丈夫だよ、氷河。師匠の変化に心揺らされるならお前もまだクールじゃないって証だから。









・・・その後、カミュさんはミロさんと一緒にお土産を持って宝瓶宮に戻ってきた。デスマスクとの勝負の結果は・・・いや、もはや何も言うまい。









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