ワールドトラベラールーク君シリーズ

「・・・俺の準備は出来た、いつでもこい」
「・・・はい」
・・・結局その後、俺は木刀でシュラさんとの修行をする事になり磨羯宮の横で相対することになった。つっても流石に黄金聖闘士の全力で相手なんてなるわけがなく、シュラさんは小宇宙を燃焼させず、特にエクスカリバーを使うことを禁じてやることになった。カノンに詳細を聞いたらエクスカリバーの由来になってるシュラさんの手刀に足刀は大地を砕くんじゃなく文字通り剣のように切れるらしく、威力は平地に谷を作れる程の切れ味らしい・・・よかった、本気で本気でやろうなんてことにならなくて・・・よし、気を取り直していくか!
「はあぁぁぁっ!」
「むっ・・・!」
・・・くっ!やっぱ軽く下がってかわされるか、気合入れて横に振り切った一撃だったんだけどな・・・
「・・・詫びよう、お前の腕は確かに高い。今のお前でも聖域にいる雑兵くらいなら倒せるだろう」
「ありがとうございます・・・けどまだ終わってません、いきます!」
そんな俺の一撃を真剣に誉めてくれるシュラさんに嬉しくはなるけど、こんな絶好の修行相手はいないからな・・・本来の体じゃないけど、この人から得るものは得ないとな!
「魔神拳!」
「何っ、衝撃波を飛ばすだと・・・!?」
‘パァンッ!’
おいおい、驚いた割に片手で振り払っただけで魔神拳消してんじゃん・・・でも構わねぇよ、それくらいやるだろうし!
「・・・崩襲脚!」
「むっ!」
くっそ、魔神拳で目眩まししたから上からの崩襲脚食らうと思ってたのにまた避けられた・・・けどそれも予想ずみだ、崩襲脚をかろうじて避けて仰け反った体勢なら当たる!
「双牙斬!」
「くっ・・・!」
やった、手加減してるってわかっても一撃当たったって思うと嬉し・・・って、なんだ?シュラさんの目がなんか光ったような・・・!
「・・・ジャンピングストーン!」
「うわあぁぁぁっ!?」
‘ガシャッ!’
「ルークーーーーーーッ!?」
・・・嫌な予感を感じながらも振り上げを止めることが出来ず仕方なく振り切ろうとしたら、いきなり両脇に足を入れられ勢いそのままに足で投げられ磨羯宮の壁に叩きつけられた・・・カノンの叫びが聞こえる。つーかすげぇいてぇ・・・けど・・・
‘スタッ’
「・・・大丈夫なのか、ルーク?」
磨羯宮の壁から落ちた俺だけど、体勢を立て直し無事着地した。その俺をカノンが心配してくれる・・・
「・・・まぁなんとか。返し技を受けただけだし、自分の攻撃の威力で死んでたらお粗末だしな。それにシュラさんもちゃんと見極めて技使ってくれたし」
・・・けど伊達に今まで闘い抜いてきたわけじゃないし、シュラさんもそんな馬鹿な人じゃない。ある程度のダメージに慣れてる俺からすればまだまだイケるレベルの痛みだ、これは。
「・・・さぁ、続きをお願いしますシュラさん!」
「・・・聖闘士になってもおかしくないくらいタフだな・・・いいだろう、今日はとことん付き合ってやる」
こんな自分の実力を高められる機会はホントに滅多にない。木刀を向けてアピールする俺にシュラさんは微笑を浮かべ、今度は自分から俺の方に拳を握りながら近づいてきた・・・















・・・その後の結論を言うなら俺はシュラさんとの修行で大分ボコボコにされ、夕方になってお開きになった。聖闘士候補生から見れば黄金聖闘士に教授してもらえるのは相当の贅沢らしいけど、丸一日費やしてもらえた俺は相当幸運なんだろうな。

それで磨羯宮に戻って夕食ってなったんだけど、この磨羯宮のキッチンに立っているのはカノンだ・・・え、何故シュラさんじゃないのかって?んー、なんでか知らないけどアテナに急にテレパシーで呼び出し食らったんだよ。それでカノンが飯を作ることになったんだけど、なんなんだろうな?シュラさん、アテナの呼び出しに顔青ざめさせてたけど。「望んだから厳しくという望みに応えただけです、アテナ・・・」って呟いてたのも気になるし・・・






・・・結局その後、シュラさんは磨羯宮に帰ってこなかった。一体何があったんだろう、そう思いながら俺は磨羯宮で一夜を過ごした・・・










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