ワールドトラベラールーク君シリーズ

「そうだ。ちなみに老師の弟子という事で紫龍が巻き込まれ、教皇の弟子という事でムウが巻き込まれる可能性が高い・・・後はランダムで俺達の誰かは確実に1人は巻き込まれる。話を聞いてくれる者を探しに来た二人によってな。おかげで俺にデスマスクは二人が揃った小宇宙を感じた時はすぐに逃げ出せる程敏感になったな。ゴールデントライアングルに自ら俺は飛び込み、デスマスクは積尸気を開き黄泉比良坂に自ら飛び込んでやり過ごし・・・まぁその分、割りを食らうのはサガだがな」
「・・・他の人は逃げ出さないのか?」
「アルデバランにアイオリア、ミロにアイオロスにシュラはとっくに諦めてる。カミュは適当な言い訳をつけ近付けない為に自分の周りにフリージングコフィンの壁を張ったが、天秤座の武器を使われ破壊されて以降諦めた。アフロディーテは猛毒のあるロイヤルデモンローズに触れるもの全てを噛み砕くピラニアンローズの生えてる庭園の奥に逃げ込み、俺達のように二人の誘いを流してる事が多いな」
「・・・シャカさんが入ってないけど・・・」
「・・・あいつは例外だ。何せ人の話を聞いてるのかどうかわからんやつだからな。酒を酌み交わしながらも神仏がどうとか二人に言っているから、あれを苦と思ってるかどうかなど聞く気にもならん。現に流石にあの二人も余程の事がなければシャカは誘わんし、機嫌を損ねればオームとか天魔降伏とか天舞宝輪とか聞こえてくるからな。それも何故か別の宮にいる俺達の耳に」
「・・・」
・・・あぁ、他の黄金聖闘士と違ってあの人すげぇマイペースな唯我独尊だからな。あんまり無理になんかさせたら痛い目に合うのは目に見えてるし。つーか他の人達も必死すぎだろ、明らかに技っぽい名前のもん混ざってるし・・・そんだけ嫌だったんだな、黄金聖闘士。
「・・・とりあえず、だ。今から俺達がやることはいかに被害を少なく、かつ早く飲みの場を終わらせられるかだ」
「しかしムウが来てくれるなら貴鬼の協力が欲しかったのだが・・・そうそう何度も貴鬼をダシに使えば怪しまれるから今回は連れていけないとムウに言われた・・・このままでは徹夜は確実になるぞ、カノン」
「うっ、貴鬼が来んのか・・・ならここで貴鬼の役目を担ってもらうのはお前しかいないな、ルーク」
「へ・・・俺?」
そんな中でどう対応するのかと話し合う二人だけど、ここで俺の名前が出てくるって・・・嫌な予感しかしねぇ・・・















・・・そして数時間後、天秤宮の中にて。
「おお、話には聞いていたが可愛いな!ムウの写真を見たときも思ったが、これ程とは!」
「そうじゃろうそうじゃろう!アテナがお気に入りになられるのもわかるじゃろう、シオン!」
「「「「・・・」」」」
やたらペタペタ微笑ましげに俺を触る若返り教皇シオンさん(教皇の法衣に首からカメラぶら下がってるってシュールだな)に、俺の両脇を持ち上げシオンさんに見せつけるよう俺を向ける若返り老師の童虎さん・・・うん、わかってた。貴鬼を可愛がる教皇なら今の俺に構い倒すんじゃないかってなんとなく。そして思う・・・言葉遣いはシオンさんは老け込んじゃいないけど、童虎さんも二人揃ってホントに雰囲気じじくせぇ・・・
愛想笑いになりかける俺の顔を見てるムウさんにカノンに紫龍の視線がすっげぇ同情くせぇのが尚痛い・・・
「シオン、それぐらいにして食事にしましょう。ルークも貴方が来るのを待ってお腹を空かせているでしょうし、折角料理を仕込んでくれた紫龍とカノンにも申し訳が立ちませんよ」
「おぉそうだな!では土産に沢山酒も買ってきた事だし、今宵は夜通し飲み明かすぞ童虎!」
「おう!」
「「「「・・・」」」」
・・・ムウさんのさりげない機転により俺は地面に下ろされたが、明らかなヤル気満々で天秤宮にとっとと入っていく二人に俺らは微妙な面持ちになりながらその後を付いていった。







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