ワールドトラベラールーク君シリーズ

「行くぞ星矢!!ライトニングプラズマ!!」
「なんの!!ペガサス流星拳!!」
‘バチィッ!!’
「・・・っ!」
・・・ただそんなツッコミとかどうでもよくなる、技が二人の間でぶつかった瞬間の凄まじい音に俺は目を見開いた・・・聖闘士すげぇ強いとは最初からわかっちゃいたけど、こんなすごい技を目の前にしたら改めてすごいとしか言いようがなくなるな・・・
「フッ、成長したな星矢!!ライトニングプラズマに合わせる程の拳速を稽古の場で出せるようになるとはな!!」
「俺も伊達に戦い抜いて来た訳じゃないぜ!!まだまだ行くぞ!!ペガサス彗星拳!!」
「フッ、甘い!!ライトニングボルト!!」
‘バチィッ!!’
「・・・すげぇ・・・つーかこれがただの稽古なのか、カノン?」
「まぁな。だがこれはあくまであいつら二人だからやれることだ、他の奴らはあんなに実践さながらの本気で戦う事はない・・・その分周りへの被害は半端じゃないがな」
「え・・・うわっ!?」
‘ボゴン!!’
・・・周りなど気にしないで思う存分更に技をぶつけあう二人にこれマジだろとカノンに言えば、意味深に遠い目で二人を見たことに俺も二人の方を見る。その瞬間俺らの前の床が大きく砕け散ったのを見て、俺はたまらずローレライの鍵を抜き防御の姿勢に入る・・・が、その床の破片は瞬の持っていた鎖が俺らの周りを囲んだことで俺らにはぶつからなかった。
「・・・すごいね、ルーク。星矢とアイオリアの攻撃に反応出来るなんて」
「・・・色々戦ってきたからほんの少しだけ見えましたけど、あんなライトニングプラズマとか向けられたら生き残れる自信ありません」
俺らを守った瞬だが鎖を握りながら感心する目を向けられ、そのなんか微妙な期待がこもったものに本心からこれが精一杯と首を振る・・・マジな話で全神経集中して、やっとその攻撃の軌跡をギリギリ見れたんだからな。オールドラントにいた頃の俺じゃ反応すら出来なかっただろうし、まず絶対。
「・・・カノン、ルークが戦ってきたってどういう事?」
「そうか、お前らはルークから話を聞いていなかったな・・・まぁいい、ここに来たからにはお前らにも話をした方がいいか」
ただ今度はなんか疑うような視線をカノンに向ける瞬に、カノンは星矢達じゃなく獅子宮の方を見る。
「・・・ルーク、ここらで獅子宮に入りゆっくりするぞ。あの二人は放っておけばいい」
「えっ・・・ちょっと止めなくていいのか?て言うか一応俺の為にこの稽古やってるんじゃないのか、これ?」
「心配するな。これ以上見ても決め手に欠いて技など使わず単純な殴りあいになる。だがあの二人は白黒はっきりするまで続けるからな。ここで止めても奴らは止まらん、続けさせておけばいい。決着が着くか腹が減れば自然と獅子宮に戻ってくるだろう」
「えぇぇ・・・」
そこで出たまさかの撤退宣言に流石にどうかと思ったけど、遊び足りない子供を待つような親の感じで済ませようとするカノンにどうとも言えない感覚を覚えた・・・聖闘士ってそんな子供なのか?
「それにだ、ずっとここにいるとまた流れ弾の攻撃が飛んでくるぞ」
‘ボゴン、ボゴン!!’
「うわっ!早く獅子宮に入ろう!ここ危ない!」
「わかったなら何よりだ・・・ローリングディフェンスは解くなよ、瞬」
「わかってるよ」
だが二人の間で周りに対する配慮が無くなっている流れ弾がどんどん数が増えてきたことに、俺もすぐに安全を選びカノンと瞬と共に獅子宮へと非難していった。















・・・その後獅子宮の中に入り俺の話を聞いた瞬はすぐに敬語を取り払うよう言ってきた。カノンに敬語無しなのにそんな他人行儀はやめて欲しいと、慈愛のこもった瞳を向けてきた。

そんなことがあった後、稽古を終えた二人が獅子宮の中へと入ってきたんだけど・・・やたらボロボロの姿の二人は瞬の介抱を受けベッドの中へダイブすることになった。

その姿になんか怖くなった俺は獅子宮の前はどうなったのかを恐る恐る確認しに行ったら・・・それこそ筆舌に尽くしがたい様子で獅子宮の前はボッコボッコの荒れ地へと変わっていた・・・よかった、早く二人の戦いから逃げ出しといて・・・








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