ワールドトラベラールーク君シリーズ

・・・まぁムウさんからの連絡を受けた後はまた三人で盛り上がる形で巨蟹宮の夜を終えた。そして朝になって次の獅子宮から迎えが来るかと思えば、アイオリアさんは獅子宮で待つように言われている為また俺はカノンと一緒にデスマスクの半端なく眠そうな視線で見送られる中で上へと出立した。盛り上がりすぎて酒を飲み過ぎだデスマスク、最後辺りホントに茹で蟹っぽかったし。









・・・そして次の獅子宮へと着いた訳だが・・・
「ははは!かわいいなぁ!アイオロス兄さんから見た俺はこんな感じだったのかな!なぁカノン、どう思う?」
「・・・俺が知るか」
「・・・はは」
着いた瞬間カノンから俺を奪い取ったアイオリアさんはいわゆる高い高いをしながら輝かしい笑みを浮かべ、俺を見上げてきた。カノンはなかば呆れたような声を向け、俺は乾いた笑い声以外に出ない・・・
「それよりそろそろ星矢達の来る頃だ。もてなしの準備は整ってるか?」
「あぁ問題ない!あいつらが全員でかかってきても大丈夫なくらいにコンディションがいいからな、今の俺は!」
「・・・え?全員でかかってきてもって、どういう事ですか・・・?」
「ん・・・あぁ、言っていなかったのか?カノン」
「どうせなら奴らが来てからと思ったんだよ」
けどなんかもてなしとは程遠い単語が聞こえてきたことに俺はたまらず口を挟む。それでアイオリアさんは俺を地面に下ろしながらカノンと顔を見合せる。
「そう言うことか・・・なら説明しよう。今この聖域を上がってきている青銅の聖闘士がいるんだが、この青銅達はアテナに呼ばれた聖闘士達でな。それで青銅達はルークに聖闘士同士の戦いがどんなものかを見せる為にここに来てるんだ。俺と稽古という形でな」
「え・・・でも青銅と黄金ってランクが違うから、相手にならないんじゃないんですか?こう言ったらなんですけど・・・」
「心配はいらん、あいつらは青銅でもその実力は俺達に引けを取らん!・・・っと、来たな」
「・・・え?」
それでアイオリアさんが事の経緯を説明してくれるが、途端に下の方からの階段の方に楽しそうに視線を向ける。そこには・・・
「ようアイオリア!久し振りだな!」
「おお星矢!それに紫龍に氷河に瞬も久し振りだな!」
階段を昇ってきた大きな箱を各々背負っている四人の男達の姿があり、星矢と呼ばれたヤツとアイオリアさんが笑顔で再会を喜びあっていた。
「この子が沙織さんの言っていた子供なの、カノン?」
「あぁ、そうだ。名前はルークだ」
「ルークか・・・僕は瞬、よろしくね」
「俺は紫龍だ、よろしくな」
「氷河だ」
「あ・・・ルークです、よろしくお願いします」
そんな中で残り三人が俺に自己紹介をしてきたことで、俺も慌てて返す。
「行儀のいい子だね・・・残念だな。兄さんにも会わせかったよ、ルークを・・・」
「・・・一輝を連れてこれる訳ないだろう。というよりルークを前にアイツがどのような行動を取るか、俺には想像出来ん・・・」
「・・・えっと、一輝さんってどんな人なんだカノン?」
「・・・筆舌に尽くしがたい、とだけ言っておく」
「・・・」
それで膝をかがめながら寂しそうに兄さんと呟き微妙な表情で一輝と出すカノンに、どういった人物なのかを聞いたけど返ってきたのはなんとも言えない様子の言葉だけ・・・そんなすげぇのか、一輝って人?
「さぁ星矢!早速稽古をするぞ!お前らがどれだけ強くなったか、俺に見せてみろ!」
「へっ!あの時のままの俺と思ったら大間違いだ!紫龍、氷河、瞬!アイオリアとは俺が一人で戦う、手出しはするなよ!」
「まぁ星矢だったらそうなるだろうな・・・おい、お前ら。お前らは先に行っていいぞ、別に全員で戦う必要はないから会いたいヤツがいれば会いにいけ」
「・・・カノンがそう言うなら俺は先に行こう、老師とシュラに久し振りに会いたいからな」
「なら俺も先に行こう、カミュに早く会いたい」
「僕は残るよ。別に会いたい人は今は特にいないしね。それにルークに流れ弾が来たら僕が防いだ方がいいでしょ?」
「・・・そうか。なら早速聖衣を付けてくれ、もうそろそろ始まりそうだ」
「・・・おわっ、もう聖衣着てるあの人!」
・・・そんなことはさておきとどんどんと話が進み、マイペースに紫龍と氷河が獅子宮の先に行きちょっと目を離した隙に星矢が黄金聖衣に比べると派手さに身を守る部分が少ない聖衣を身に付けていた。
「ホラ、始まるよ。普通の人には見えないかもしれないけど、これが聖闘士の戦いだからしっかり見てね?」
「・・・あ・・・う、うん・・・」
そして横にいた瞬から優しくかかってきたのでそっちを見ると、既に瞬も聖衣を纏っていた・・・うん、もう突っ込まないぞ。









36/63ページ
スキ