ワールドトラベラールーク君シリーズ

視点~コナン~















・・・その後俺達はキッドが通天閣から飛び降りたのを見た中森警部達が追いかけんと走って行く前に宝石を預け、通天閣から出た。普通なら事情を話すために残るところだが、そんな気分になれなかった。これからルークに俺、『工藤新一』の話をしなければならないという一大事の為・・・






・・・そして話すに適当な場所として上がったのがルークが通天閣を見ていたというビルの上という事で、俺達は3人で屋上に揃いぶんだ。
「・・・さて、夜も遅いしちゃっちゃと話した方がええやろ。工藤」
「・・・あぁ、今から話すのは全部真実だ。信じるか信じないかはお前次第だけど、絶対にこの話は蘭達にはしないでくれ。頼む・・・!」
「・・・あぁ」
服部も既に明かす事を前提に俺に工藤と話しかけるが、言われるまでもない。蘭達への口止めだけはしながら、俺は話を始める。黒の組織との長い因縁の始まりを・・・















視点変更~ルーク視点~



「・・・ってわけだよ」
「・・・」
・・・俺に子供らしい口調を止め、タメ口で自分の歩んできた人とは違う人生を語り終えたコナン・・・いや、正確には工藤新一と言う名前なんだけど。まぁそれは置いといて話を聞いたらその人生はすごい物・・・としか言うしか出来なかった。探偵として活動してる最中に黒の組織と呼んでる奴らに毒薬を飲まされて死んだと思ったら、体が今の子供の物に縮んでたっていうんだから・・・
「・・・それで灰原も黒の組織の元一員で、毒薬を飲んであの体になったのか・・・」
「あぁ、服部も含めてその事を知ってんのは博士に俺の両親くらいだ・・・後はルークは会ったことない人に、不本意だけどキッドくらいだ」
「ただルーク、お前随分と順応が早いな。疑わへんのか、俺らのこと?」
「・・・わかるよ、それくらい。お前らが嘘をつくようなヤツに見えないってのもあるし、蘭達に冗談でも話してほしくないって言ってるからそこだけは触れちゃいけないんだってわかるしな。それだけ重要なんだろ?『江戸川コナン』が『工藤新一』ってバレないようにするってことはさ・・・」
「・・・こんな姿に俺がなっちまったなんて蘭のヤツにバレたらそれだけでも悲しむってのに、組織の事まで言ってみろ。アイツの事だから私も戦う、なんて言うのが簡単に想像出来るからな・・・俺は巻き込みたくないんだ、絶対に危険だっていう戦いに・・・」
「・・・」
・・・話せば話すほどにわかる、どれだけ強い気持ちを持って『江戸川コナン』という役を演じて『工藤新一』という自分を隠し蘭達を守り戦ってきたのかを。そんな姿を見て俺は自然と足を動かし・・・
‘グワシグワシ’
「・・・なっ!?」
たまらずその小さい頭を撫でていた。
「なんだ、いきなり!?子供扱いしやがって・・・!」
「いやまぁ、なんつーか・・・撫でたくなったんだ、精一杯頑張ってる子供をさ」
「バーロー!俺を子供っつーんならお前も子供じゃねーか!」
「そうだよ。けど誰も巻き込まないように頑張ってるお前を誉めてくれる誰かがいてもいいんじゃないかって、そう思ったから俺なりに行動で形にしたかったんだ」
「!誉めてくれる・・・!?」
「うん、誰にも言えない想いがある時に気遣いの言葉があった時に俺も大分救われてきたからさ・・・これで少しでもお前が喜んでくれたならって思ったんだけどさ、ダメだったか?」
「っ!・・・そんなことねーよ・・・」
・・・共に歩んでくれる人がいるのも嬉しい、けど優しい言葉をかけられても嬉しい。話を聞いたらコナンは服部のような一緒に歩んでくれる人はいても、誉めたりするようなことを言ったりしてくれる人はいないんじゃないかって思ったんだけど・・・照れ臭そうにして顔を背ける姿見ると、正直良かったって思えたな。今の姿、ホントに子供そんままだからな。









・・・そして俺達は一通り話を終えた所で常時はコナン、事情を知る者だけの場の時は新一と呼ぶことでまとまりその事件は一先ずの終わりを告げた。そう、一先ずの・・・












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