ワールドトラベラールーク君シリーズ

視点~ルーク~









「くそっ、どうなってんだ宝石は・・・!?」
・・・キッドが通天閣に飛んだ後、俺は全速力で走って通天閣まで来た。だけど流石にハングライダー相手じゃスピードが違うから大分遅れる形になった・・・だから携帯を持ってない俺じゃ連絡も受けられなくて中の様子も聞けない為、俺は非常に焦りながら階段を駆け上がっていた。ただ通天閣のエレベーターに非常口は警察官がキッド対策にと固めていたので、俺は仕方なく外側の鉄骨部分からなんとか飛び移りながら階段のある部分を見つけてそこに移動して階段に移った・・・コナンからお兄さんの身体能力高すぎだよねと光彦達と一緒にサッカーの相手してた時言われたけど、これくらい動けないと生きてけなかったからな色々・・・

まぁ侵入経路はともかく、キッドを捕まえる為にここに来たんだ。まだ捕まってないなら俺が捕まえる・・・!















視点変更~コナンサイド~



「・・・」
「・・・どないしたんや、怪盗キッド・・・?」
・・・俺と服部は今、通天閣の展望台の上で強風に煽られながらキッドと対峙している。だが服部は目の前でただ口元を笑ませるキッドに正気を疑うような声を上げるが、俺も同じような気持ちだ。いつものキッドだったなら認めたくはねーけど鮮やかな手際でトリックを駆使して宝石を掠め取るはずなのに、強引に煙幕を使い宝石を混乱の中で奪い取るに留まった・・・それだけならまだともかく、こいつは俺達にだけ分かるくらいのヒントを出してここに呼び寄せた節がある。おっちゃんや中森警部達はまだ展望台にいるが、昨日から思ってたんだが妙だ・・・仕方ねぇ、聞いてみなきゃ話にならないか。
「・・・何が狙いだ、怪盗キッド。わざわざ自ら俺達をここに招くなんて・・・」
「おっと、その前にこれは返しておくぜ」
「えっ・・・うわっ!・・・ってこれ、さっきお前が盗った宝石・・・!?」
なんだ・・・!?こいつがこんなあっさりと宝石を返すなんて・・・まさかこいつ・・・
「今回はその宝石は俺のターゲットじゃない、餌にさせてもらったよ」
「・・・その餌で釣ったんは俺ら、か?」
キッドの餌という言葉に服部も俺と同じ考えに至っていたようで、そうなのかと問いかける。
「正確にはちょっと違うな。俺が狙ってたのはあの外人の兄ちゃん、ルークって言ったか?あの兄ちゃんをここに呼ぶ為だ」
「何っ!?」
「はぁっ!?ルークを!?何を言うてんねん、お前!?」
・・・だが予測を上回るその答えに俺らは驚くしかなかった。ルークを?なんでこいつが・・・?
「本当だったらこの下で待ち構えるあの兄ちゃんの前で俺が華麗に宝石を取る場面を見せたかったんだけどな、予定が変わったしトラブルもあって狙いの宝石じゃなかったのもあるから素直に返したんだよ」
「・・・随分とらしくないやないか、怪盗キッド。電話で聞いたで、さっきルークに見られながらハングライダーでここに飛んできたてな。どうしてそないにルークにこだわるんや?」
それで本来の予定を語るキッドは肩をすくめておどけたように語るが、その根底にあるルークへのこだわりが見える様子に服部がその真意を確かめる。するとキッドは俺達にとって衝撃の言葉を他意の見えない笑みを見せながら放った。



「子供を楽しませる為だよ。過酷な運命を背負ってきた7才の子供をな」








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