ワールドトラベラールーク君シリーズ

視点~キッドサイド~






「くそっ、ざまぁねぇな・・・」
・・・あの探偵ボーズを見かけた時に最近一緒にいる外人の兄ちゃんに興味があった。そのことからちょっと予定を変えてサービス程度にと思って兄ちゃんの前に姿を現してみたら、あんな動きされるなんて思わなかった・・・なんとか侵入ポイントとして予定してた通天閣の外側の鉄骨部分に取り付きはしたものの、帰りにハングライダーは使えねぇなこれじゃ・・・
「好奇心は猫を殺すに、藪をつついて蛇を出す・・・今更ながらにこの言葉の意味が理解出来た気がするぜ・・・!」
けど俺の中には後悔なんてない、むしろ楽しいという想いが顔に浮かんで仕方ない・・・なんせ・・・
「・・・おっと、今はあの探偵コンビの待ち受けるターゲットポイントに向かうか。予告の時間も近いしな・・・」
・・・と思ったら、本来の目的はあくまでもビッグジュエルで予告状も出している。今更盗みをキャンセルだなんて言えるはずもないと怪盗キッドとして動き出す、今回は服部平次というあの探偵ボーズに匹敵するヤツもボーズと一緒にいるターゲットのある場に・・・















視点変更~コナンサイド~



~♪♪♪♪♪♪~
「ん?電話?」
「おい、こんなときくらい電源は切っとけ!」
「あはは・・・ゴメンね、おじさん」
キッドが来ることで警察の人達がビッグジュエルの周りをガチガチに固めている中、俺の携帯が唐突に鳴り小五郎のおっちゃんが怒ってくる。俺は苦笑いを浮かべながら場を少し離れ携帯を見るが、公衆電話から?誰だ?
「・・・もしもし?」
『コナンか!?』
「ルークお兄さん?どうしたの、急に?なんか焦ってるようだけど・・・?」
気になったから声を抑え出てみたら、相手はやたら急いだような声のルーク・・・
『単刀直入に言うぞ!キッドがそっちに飛んでったのを目撃した!』
「えっ!?キッドがこっちに!?」
だけど続いた言葉に焦りの意味を理解した俺の声が大きく高くなって、周りの人達の視線が一気に集まった。
『多分そろそろなんか仕掛けてくるはずだ!気をつけろ、俺もそっちに行くから!』
‘ガチャッ!’
「あっ、お兄さん!・・・切られた・・・っていうか、こっちに来るって・・・」
そして言うことを言ってすぐ切ったから何も言えなかったけど、目立ちたくなかったんじゃなかったのかルーク・・・まぁ熱い所あるからキッド見て抑えられなかったんだろうな・・・
「おい、どうしたボーズ!?キッドがこっちに来てるとか言うてたけど・・・!」
「・・・うん、知り合いのお兄さんがキッドがこっちに飛んできてるって・・・」
「何ぃ!?キッドが来てるだと!?・・・おい、警戒を強めろ!予告の時間も近いんだ、なんとしても守り通す!」
電話が終わり近づいてきた服部が内容を問いかけ俺が答えれば、中村警部が大きく反応して周りの警官に指示を出す。
「・・・おい、工藤。なんかおかしないか?」
「・・・あぁ、らしくない」
そんな中で服部が俺に更に近付き、ひそひそ話をしてくるが中身は共に感じてたキッドらしくないという違和感・・・
「アイツはターゲットの前に現れるまでは無駄な行動はしないし、それこそ最初からハングライダーを使っての突入なんてやるわけがない。怪盗キッドなら誰かに変装してこの場に最初からいるってのが常套手段だ」
「そやろ・・・俺はあんまキッドと会ったことないからわからんけど、それにしても話に聞いてたキッドとはちょっとイメージが違うな・・・」
・・・キッドならいくらかの仕掛けを用いて予告状に沿ったように派手に登場はしても、演出無しにあのキザな怪盗がマジックショーの舞台裏を誰かに不必要に見せるような登場の仕方はしない・・・
「・・・なんか目的があったんか?ここの宝石とはまた別に・・・」
「・・・わからねぇ。けどせっかくルークがこっちに来るって伝えてくれたんだ。ここであのキザな怪盗を捕まえてやるさ」
「そやな・・・!」
服部は別に目的があるのではと言い出すが、推測だけしたって意味はない。だから今はキッドを捕まえる事が重要と俺が不敵な笑みを浮かべて言えば、服部も同じような笑みを浮かべる・・・










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