ワールドトラベラールーク君シリーズ

・・・ここどっかの書斎?最初世界を飛んでそう思ったのと同時に、また不法侵入やってしまったと思い俺はさっさとそこから出ようとした。
「・・・えっ?・・・お兄さん、誰?」
すると眼鏡をかけた7才くらいの子供が子供らしくない様子で警戒心バリバリに俺のとこに姿を現した。
「ご、ゴメンなボウズ・・・すぐにここから出るから・・・」
「待ってよ、お兄さん。人の家に勝手に入ってるんだから、住居不法侵入で通報させてもらうよ」
「うっ・・・」
この家の子供だろうと思いすかさず謝りを入れ退出しようとしたら、その子供が油断なく携帯を取り出したのを見てマズイと俺は思った。ここまた別世界の日本だ・・・日本はセキュリティ厳しい所だと思って。
「ちょっ、ちょっと待ってくれ。色々信じられないだろうと思うけど、俺気付いたらここにいたんだ。それに何も取ってない、信じてくれ。頼む・・・」
「・・・」
けどいきなり飛んできた俺に弁明の言葉なんて浮かばず、ただ頭を下げる以外に出来なかった。すると子供がスタスタとこっちに近付く足音が耳に届く。
「・・・じゃあもう1つ質問するけど、ここですごい光がピカッて光ったから僕ここに来たんだけどお兄さんここで何をしたの?」
「っ!?・・・お前、見てたのか・・・!?」
「うん・・・答え次第じゃお兄さんを捕まえて、警察を呼ぶよ」
「っ・・・!?」
だけどその子供が冷静に問いかけるその中身に俺はたまらず驚いて顔を上げた、ここに飛んだ瞬間を見られたんだと思い。それだけでもまた驚いてたんだけどその子供を見ると腕時計のレンズを上げ狙うようそのレンズ越しに射抜くよう油断なく俺を見ているのを見て、また俺は驚いた。この子供、ただの子供じゃないと思って。
「・・・わかった。信じないなら信じないでいいけど、俺は嘘をつかずに話すからちゃんと聞いてくれるか?」
「・・・うん、いいよ。話してみて」
・・・正直その子供をどうにかしようと思えば出来たけど、そんなことしたくはなかった。だから俺は正直に話す事にした。その子供を傷付けるくらいなら嘘だと思われたり頭がおかしいヤツだって思われた方がマシだって思ったから・・・















「・・・って訳だよ」
「異世界から・・・」
・・・そして大分時間も経って全て話終わった後、その子供は俺の話を途中で止めることなく真面目に受け止め考え込むポーズを取る。つーかなんだろ、この子供らしくない子供。普通は俺の話聞いたら嘘だとか笑ったりとか目を輝かせたりとかしてるのに、全くそんな素振り見せないし。
「・・・お兄さん、今の話の中にあった超振動ってホントに使えるの?」
「ん、あぁ使えるのは使えるけど・・・」
「じゃあちょっと・・・・・・・・・これを消してみて」
するとその子供は超振動の事を問いかけると、部屋から出ていきすぐさまごみ袋を持って戻ってきた。
「わかった・・・」
‘キィィィィィィン’
「!・・・これは・・・!」
「少なくても超振動が嘘じゃない、とはわかっただろ?」
「うん・・・」
地面に置かれたそれを超振動の証拠とするため両手をかざし超振動を使いごみ袋を消し、どうだと確認を取ると子供はようやく警戒でなく驚愕の様子を浮かべた。
「でまぁ、その流れで言うことじゃないのも分かるんだけど・・・俺いきなりここに飛んだだけで盗みに来た訳じゃないんだ、だから警察に突き出すとか無しにして見逃してくんねぇかな・・・?」
「・・・うん、警察には突き出さないよ。けどどうするのお兄さん、世界を飛んできたから頼るところなんてないんでしょ?」
「まぁなんとかなるよ、今までもそれでやってきてたしな」
それでここで畳み掛け早くここから出ようと思った俺に子供は警戒の代わりに心配の声を向けてくるが、これまで今以上に理不尽な状況にあったのでこれくらい大丈夫だと笑顔で返せば子供はまた何かを考え込む様子を見せる。



「・・・だったら僕の知り合いを紹介するから、しばらくそこで暮らしなよ」



「・・・はっ?」
・・・いきなりの事に何を言われているのかわからなかった。だがそれからとなったのは間違いなかった、この世界における俺と江戸川コナン・・・いや、工藤新一との関係は・・・











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