始まる恋と分かる物を始まらせたいと願うか?

「・・・しっかしまぁ、こんなことになるなんてな・・・」
「陛下がやったことでしょう。何を言っているんですか」
「クロエが嫌がることは予想はしていたから、クロエを逃がすことまではやるだろうとは思ってたんだが、ルークの事まであぁするなんて元々思っちゃいなかったんだよ。ただ元々俺もアッシュとナタリアの二人を婚約及び結婚させた方がいいと思ってたからあぁ動いたんだよ。ルークの気持ちを聞いたのもあってな」
「・・・私としてもあぁいったルークの本音を聞けるとは思っていませんでしたから、その点ではあぁして良かったと思っていますよ。そしてクロエから話を聞けたこともです」
「確かにな・・・クロエからの話が無ければ何だかんだで貴族達は何も言わないから、役割を受け入れているだろうからと婚約の見直しをするべきなどと思わず、ただ安穏としていただろうからな・・・」
・・・そうしてピオニーとジェイドはライマの城の中の空き部屋の一室にアッシュ達を解散させた上で二人で入り、改めて今回の事が終わったのだと振り返るように話し合う。互いにクロエの事があって良かったというよう。
「・・・まぁそれでも一応この事に関しては決着はついた。後は先に話したようにお前はナタリアに適宜ルークの事を気にしないようにと言い含めていけ。アッシュに関しては俺が二人になった際、不平不満を口にするような事をしたらクロエとの極秘の婚約のこともだが、今回の件はクロエから切り出されたことだとある程度の経緯も交えてナタリアにぶちまけると言う」
「それは・・・よろしいんですか?アッシュは怒り狂うと思いますが」
「承知の上だ。それにアッシュもクロエとの婚約の事はいくらなんでも忘れてはいないだろうから、その時にクロエに何も言わずにそうしたとはクロエを庇う為でも流石に言ってもいい物ではないし・・・何よりアッシュへの戒めの為だ」
そんな中で今後の事についてを話していくピオニーだが、ジェイドが本当にいいのかと確認を向けてきた声に迷わずに答えていく。
「そもそも今回こんなことになったのはナタリアもそうだが、アッシュのクロエに対する態度からが大元の理由だ。いくら婚約は表向きになっていないからとは言え、その時はれっきとした婚約者に対して取る態度ではなかったことがな・・・その上で二人の逢い引きがアドリビトムの面々にバレていたことに二人は衝撃を受けているといった様子だったが、それをクロエだけが知らんなんて都合のいいことがある訳がないと言えばアッシュはどうなると思う?」
「成程・・・アッシュはそんなこと絶対に言われたくないと言うでしょうね。ナタリアもルークという婚約者がいながらそうした責任は勿論ありますが、それでも彼女はまだルークと婚約者として関係を築きながら接していたと全くは言えなくはないでしょう・・・ですがアッシュに関しては極秘の婚約であったとはいえ全く仲良くもしようとしなかったこと及び、その態度で婚約の破棄をされたから今回の件の発端となったとナタリアに知られるというのは是が非でも避けたいでしょうね。自分がクロエ側から見限られたからこうなったなんていうのはアッシュからしたら男としてのプライドをズタズタにされるような物であると共に、ナタリアが少なからずやっていたことを自身は全くやっていなかったということを明かされるなんてことは」
「あぁ。そしてそれが戒めとなるというわけだ」
ピオニーはそのままアッシュにもだがクロエにも焦点を当てる形で話を進め、ジェイドが言いたいことを察したといった様子になったことにだから戒めとなると口にする。









.
27/29ページ
スキ