始まる恋と分かる物を始まらせたいと願うか?

「・・・まぁ後は俺達に任せてくれ。あれだけ言えばもうアッシュとナタリアは下手にルークの事をどうこうということはしないだろうし、ティア達に関してもちゃんと抑えるようにするからな。だからお前はアドリビトムでこれからどうするかに関してを考えながら学んでいけ」
「はい、そうします」
そうしてピオニーは話をまとめるようにこれから頑張るようにという声をルークにかけ、神妙な面持ちで頷き返した。






・・・ルークがアドリビトムにまた行くのはどういうことかと言えば、ルーク自身も自覚はあるが世間知らずな事から下手な所に行くよりはアドリビトムでしばらくは色々な事を安全に学ぶ為であった。一応アドリビトムでの生活で以前より協調性だったりは身に付けたが、それでも普通の人より常識だったりがまだ足りないのは事実だった為に。

ただそうすると決めてはいるもののアッシュとナタリアはジェイドにヴァンを付けて、王族としての役割だと命じればライマに縛り付けることは可能だろうが、ティア達は一応は王族でも貴族でもないから今の立場から降りるだとか国の外に出てルークやアドリビトムと接触する可能性もないとは言えない・・・まぁ一応前者はそんな思いきったことが出来るだけの気持ちや考えがティア達にあるとは思ってはいない上で、後者に関してはピオニーはもうライマから出すことはないようにすると決めている。もしもの事を無くす為にもだ。






「ご安心を、陛下。私もアドリビトムに共に戻りますので、出来る限りルークのサポートをさせていただきます」
「前にも言ったが極秘の名目上ではライマの人間になったからとは言え、そこまですることはないと言ったから無理はしなくていいんだぞ?」
「いえ、むしろそれくらいはさせてください。これまで何度も私の事を気遣ってくださったのに、その気持ちに甘えて何もせずにというのは流石に私の気が済みませんので・・・」
「・・・分かった。ルークもそれでいいか?」
そんな中で自分がいるからとクロエは自信を覗かせる笑みで会話に入り、ピオニーは気を使わなくていいと返すがその意志が固いことを確認してルークはどうかと問い掛ける。
「あー・・・ガイ達がいなくなるから俺としちゃ色々助かりますけど、期間とかずっととか決めるつもりもねーし離れたいって思ったらいつでも離れていいぞクロエ。俺ももう自分がいつまでも甘えてられるような状態じゃねーってのは理解してっから自分でやることはやっていくし、時間が経ちゃセネル達の所にまた行きたいって思うだろうしよ」
「その時はその時だ。まぁそこに関してはアドリビトムに戻ってからにしよう・・・今はライマに着くまで待って陛下達を見送ることが先だからな」
「・・・分かったよ」
ルークは頭をかきつつ無理はいいと言うのだが、気にしないとばかりに平然と返す様子のクロエに折れる形で一言返して頷いた。もうこれ以上余計な事は言う気はないとなる形で。



















・・・そうしてルーク達を乗せた船はライマの港に着くことになるのだが、ルークとクロエは船から降りなくていいとピオニー達から言われてそのまま待機し、そのまま船が出港する形でライマを後にした・・・これはアッシュ達の性格的に一応ピオニー達を迎えに来たとは言いつつも、その実はルークに会いに来るために待っている可能性をピオニーが懸念してだ。

そしてそういった予想は当たっていてアッシュ達は待っていたのだが、出迎えに関しては感謝はするがもうルークとは船内で話を終えたしお前らに会わせる理由はないからと、アッシュ達を強制的に連れていく形でライマの城へと戻った。









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