「・・・ただ今の話と前に聞いた話として中途半端な優しさは却って人を傷付けるみたいな事を思い出して、そういった事がアッシュの態度に繋がったんじゃねーかって思うようにもなったんだ」
「・・・え？」
だが続いたルークからの声に、クロエだけでなくピオニー達もどういうことかと眉を寄せる。
「・・・まぁ俺は今言った通りそんなナタリアの態度であいつを完全に嫌いになれないってなりはしたんだけど、アッシュからしたらそういったどっち付かずっつーかナタリアが自分を嫌ってないって思える態度が俺に対する気持ちを激しくさせたんじゃねーかって感じたんだよ。仮にも俺が好きなナタリアと結婚しようって奴がこんな情けない奴でいいのかってな」
「成程・・・中途半端な優しさは却って人を傷付けるとはそういうことですか。アッシュからすればそんな優しさを向けるナタリアを諦めきれない気持ちを生み、だからこそそんなナタリアを将来的に娶ることになるルークの事を気に入らないということになるから、一層にルークへの敵意やらを剥き出しにしてくるということになると」
「確かにな。それにアッシュの性格的に立場を気にせずナタリアと付き合っていたとした時、何らかののっぴきならない事情から誰かにナタリアを託さねばならないとなったなら、自分が認めた相手でなければあいつは認められんだろう。魅力は他にもあるがあんな優しいナタリアをどこの誰ともしれない馬の骨に預けたくない・・・ましてやそれがルーク相手なんて尚更にふざけるなというよう」
「・・・だから結果的にその中途半端な優しさによりアッシュによってルークが傷つけられたということか・・・それも自分がそういった姿勢を取ったから結果としてあんなことになったなんて、ナタリア当人は考えることなく・・・」
そのままルークがどういったように考えたのか・・・それらを受けて三人は各々納得といった様子を浮かべていった。ナタリアの行動が結果としてアッシュのルークへの態度の激化を招いたというように考えたその中身についてに。
「まぁそういうわけだけど、クロエが言ったようにナタリアは自分のせいでそうなったって考えられねーだろうなってのもそうだし、仮にそう言ったならそう言ったでどうしようもなかったのですとかって泣き崩れそうなのが目に浮かぶんだよ・・・でももう俺はあいつらと離れる事を選んじまったし、今更これまでの事を覆してまた戻るなんて風にしたらふざけんなってなんのも目に見えてる。だからナタリアは俺の事を吹っ切るのは難しいだろうけど、もう俺はアッシュ達も含めて関わるつもりはねーからその辺りはわりーけど頼むジェイド」
「私が、ですか・・・」
「むしろ適任はお前しかいないだろう・・・一応婚約はしたがちゃんと結婚するまではナタリアはアッシュと夫婦というように共に生活するまでの距離感にはならん。だからナタリアの様子から見てグズグズとルークの事で色々と言うだろうから、今の話をそのまますると気落ちするだろうことを考えた上で、ルークの事を気にしないようにというような考えを植え付けていってくれ。すぐに解決というのは難しいだろうからゆっくり時間をかけてな」
「・・・分かりました。今のままのナタリアだったら将来的に面倒になるのは私の目にも見えていますから、そのように考えるように教育をさせていただきます」
そんな話をしたルークはナタリアに関してを続けて話しつつも後をジェイドに任せると告げると、当人は何とも言い難い表情を浮かべるがピオニーからも命令という形でそれが最善だからと言われれば、仕方無いというように頷いて返した。ナタリアの事はちゃんとしておくのは必要だと。









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