「・・・もう二人の仲に関してお前らに今更説明する必要もないだろうし、アドリビトム内でも散々言い争いやら喧嘩やらをしてきたことに関しては俺も報告を受けている。その事に関しては一朝一夕に解決するのは難しいとは前から思っていたが、そういったナタリアの事を考えていく内に俺は考えた・・・アッシュは本来好きな相手と将来的に王位を継ぐ形で結婚出来るという立場になるというのに、ルークはただその立場やらナタリアという婚約者を失うばかりというのはあまりにも哀れではないかということもあって、もうそのアッシュ達からいっそ離れてもらった方がいいんじゃないかと思ってな」
「もういっそ離れるってどういうことなんですか～・・・？」
「一応王位継承権を持つ者としてライマに在籍していることにはするが、もしアッシュ達の事が真実であると聞けたなら先の処置に併せてもうライマの国政に関わらずに済む立場にいてもらうということだ。そしてその事に関してはルークにはもうジェイドから話してもらって了承済みだから、俺や貴族達が一方的に命令を下しての物じゃない事は言っておく」
「「「「っ！？」」」」
そうして二つ目の理由と語っていく二人の不仲に関してであるが、アニスの不安げに探るような声に最終的に出した結論と共にルークには既に話してあるという言葉に、一同は驚きと共に一斉にルークを見ると・・・そこにはただもう全てを静かに受け入れているルークの顔があった。
「・・・この事っつーかアッシュとナタリアの二人の事に関しちゃある時をきっかけに色々と考えざるを得なくなって、ピオニー陛下に報告をしてからジェイドと話し合うことや陛下と報告の手紙を出しあうことが増えたんだよ。そんでそうしていく内に今言ったような事にするけどどうするかって言われて、俺はそうするって選んだ・・・その方がいいってな」
「その方がいいって・・・」
「・・・もういいって思ったんだよ。ナタリアはいずれの結婚に反対なんて風には俺には言っちゃいねーがアッシュに対しての気持ちを振り切るなんて素振りなんざ一切見せちゃいねーのもそうだし、アッシュもおんなじようなようなもんだってのに加えて俺に喧嘩ばっかり売ってくる・・・そんな中で陛下からそういった事に出来るって風な手紙が来たって聞いて、もういいかって思ったんだよ。俺が意地を張って我慢してんなことになるくらいなら今言ったようなことにした方が丸く収まるのが目に見えたからな・・・」
「っ・・・！」
そんなルークはいかに自身が考えてきたのか・・・それらを全て諦めたというように受け入れたといった言葉を口にしていくルークだが、そう聞いたティアは怒りの表情を浮かばせた。
「何を言ってるのルーク！ここで貴方が頑張らなくてどうするのよ！」



「そんなことを言うならお前が頑張れ」



「えっ・・・！？」
・・・そしてティアの怒りが爆発したのだが、すかさずピオニーが挟んだ言葉に驚愕の表情を浮かべた。
「・・・何でみたいな顔をしているが、そういう事を言うお前もそうだが他の奴らも含めてルークとアッシュとナタリアの三人の関係を改善しようと動いたか？ましてや少しは改善が出来たと言えるかに、アッシュとナタリアからすればティア達の誰か一人でもお前ら三人の関係の改善に力を尽くしてくれたと言えるか？言えると言うなら誰でもいいから手を挙げてみろ。反論したいならまずそこからだ」
「「「「っ・・・！」」」」
その様子にピオニーがそもそも三人の関係の改善に動いたのかとティア以外の面々にも投げ掛けるのだが、その言葉に一斉にティア達は気まずげに顔を歪めるしかなかった。事実ティア達は関係の改善をしようとしなかった上で、アッシュもアッシュで関係の改善なんているかと本来なら言った所だろうが、ピオニーの様子から下手に反論しようもないと感じて。









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