始まる恋と分かる物を始まらせたいと願うか?

「・・・分かっただろう?二人の行動が少し状況が違えば大きな問題なんて軽々しく言えるようなものではないことは。そしてヴァンだけでなくティア達にも言えることとして、お前達はライマにいる時のクセだったりが抜けずに見て見ぬフリをしてきたんだろうが、ここでの事の報告を聞いて流石にまずいと思って色々と貴族達と話をしてきたんだよ。もうしないようにと口酸っぱく言い含めるであるだとか、それで効果はあるのかだとかを様々にな・・・その結果としてさっき言ったような事にするとなったんだが、これに関しては貴族の反論は相当な物ではあった。だがライマ内と違いここでもそんな様子だったことから将来的な不安として時間が経って、ルークとナタリアが結婚した後でもアッシュとの関係が続くというか・・・有り体に言うならアッシュとナタリアの二人が不貞を起こした場合が取り返しがつかないというように言って、貴族達を説得していったというわけだ」
「なっ・・・!?」
「ピオニー陛下!いくらなんでも言い過ぎだろう!俺とナタリアがそんなことをするだなどと・・・!」
「ふぅ・・・」
そんな一同の反応にピオニーは淡々と話を続けていく中で二人の将来的な不倫の可能性についてが決定的な材料と告げると、ナタリアは絶句するがアッシュが今にも胸ぐらを掴まんばかりに怒りを見せてきたことに、その様子に目を閉じて深いタメ息を吐いた上で・・・



「ならお前もそうだがナタリアも相手側に対して異性に対する想いは一切ないし、お前となんか絶対に婚約したくないと動揺することなど一切なく宣言してみろ。それが出来れば俺も謝ってやる」



「「っ!?」」
・・・二人からして絶対にやれる筈がない事を口にし、二人の息を盛大に詰まらせた。二人が想いあっているという事実を互いが認識しているからこそ、そんなことなど嘘でも何でも言える筈なんてないと思い。
「・・・意地が悪い事を言うなと思うだろうが、実際にそんなことなど出来んだろう?そしていくらお前らがそんなことをしないと否定しようが、このアドリビトムという場でも想いあうことを止められなかった事を踏まえれば、将来的に起こり得る可能性を排除しなければならない・・・そういった話し合いの結果としてさっき言った処置を取るという話だ」
「ま、待ってくださいよぉピオニー陛下~・・・百歩譲って二人が婚約することにするっていうのは二人が想いあっているからそれでいいにしても、何でアッシュが王位が上って事になるんですか~・・・?」
「そ、そう言えば確かに・・・」
ピオニーはそこから目を開けて今の反応が答えだというように言っていくが、アニスが慌ててどうして王位まで上にするのかと聞く声にティアも動揺しつつ納得する。
「そこに関しての大きな理由は二つあるが、まず一つは貴族達の納得を得るためだ・・・確かにルークとナタリアが将来的に結婚してもそんなことになるのは避けたいというのは貴族達も納得はした。だが前インゴベルト陛下の娘であるナタリアが次期女王になってほしいと願う前陛下の信望者の数が多く、どうにかならないのかという声が出てな・・・それで二つ目の理由も関わる形でアッシュを次期王位継承者にしてナタリアをその相手にすれば、様々に問題は解決するということを話していって貴族達は納得したんだ」
「じゃ、じゃあその二つ目の理由は何なんですか~・・・?」
「・・・これは俺の気持ちが大きいという部分もあるが、ルークとアッシュの仲違いを終わらせる為だ」
「・・・えっ・・・?」
そこでまず一つはインゴベルトをまだ信望する者達を納得させるためとピオニーは答えていって、アニスはなら二つ目はとおずおずと尋ねるが神妙な様子で返ってきた答えにアニスだけでなく他の面々もどういうことかとキョトンとした表情を浮かべた。









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