始まる恋と分かる物を始まらせたいと願うか?

・・・そうしてジェイド以外のライマ陣は使っていた部屋で待機することになったのだが、一体何のためにピオニーがアドリビトムに来たのかについてが分からないと落ち着かない面々はヤキモキするばかりであった。ただそれでも隠れて話を聞きに行こうという人物がいない辺りは流石にいかにピオニーが礼儀作法に砕けた面が強いと言っても、命令違反まですればどういう風に言われるか分からないことを懸念してだ。

ただそれでしばらくの時間が経ち、戻ってきてくれというようにアスベルやフレンから言われる事になり部屋から出て受付の方へと向かうのだが・・・その様子をアスベル達は複雑そうに見送っていたことをライマ陣は知らなかった。






「・・・来たか」
「・・・他の皆様はどうしたのですか?」
「少しお前達と話をする間は場を離れてくれと頼んだ。一応今から話す中身に関しては場にいた面々は何なのかは理解しているだろうが、それでもライマの今後に関わる事を話すのだからということでな」
「「「「っ・・・」」」」
・・・それで受付の所まで戻ってくると、ピオニーとジェイドとフリングスだけがそこにいた。
その事にナタリアがどうしたのかと聞くのだが、常にない真剣な様子でライマの今後を話すからと返したことに緊迫した面持ちに一同は変わる。
「・・・まぁまずは先に本題から伝えさせてもらう。それは何かと言えば今この時をもってルークとナタリアの婚約を解消すると共に、アッシュとナタリアの二人を婚約するものとした上でアッシュの王位継承権をルークより上の物とするということだ」
「「「「っ!?」」」」
だが次の瞬間ピオニーからアッサリと告げられたまさかの宣告に、一部を除き驚愕といった表情を一斉に面々は浮かべた。そんなアッサリ告げていいと思える中身ではない事を発表したことに。
「やはり驚くか・・・まぁそれも当然の反応だとは思うが、今さっき決定したことではあるが俺が決めたことだ。一応ライマを出る前には貴族達にはこういったことになり得るとも話してあるから問題はない」
「ちょっ、ちょっと待ってくださいピオニー陛下!ど、どうしていきなりそんなことを決めたんですか!?婚約を解消はまだともかくとしても、アッシュが王位継承権が上になるようにするなんて・・・!」
ピオニーは想定通りというように漏らして話を進めるが、ガイが慌てたように何故そこまでになったのかと訴えかける。
「そこに関して王位継承権の件に関しては俺と貴族達が話し合った上での事だが、婚約の件に関してはここでの生活についての報告を受けたからだ・・・そしてその報告に関してを確かめる為にお前達には部屋で待機してもらい、ここのメンバーにその事についてを聞いて確認したら確かだと言われたことからそうすることにしたんだ・・・時折アッシュとナタリアが明らかに想いあうような様子で接しているという光景を見ていたという話があったとの事からな」
「「「「っ!?」」」」
だがピオニーがそこで返してきた答えに、一同は先程よりも数段上の驚きを浮かばせた・・・ここでアッシュとナタリアの逢い引きの事が出てくるなどと一切思っていなかった為に。









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