始まる恋と分かる物を始まらせたいと願うか?

「・・・分かったろ、お前はもうこの問題に関わらねー方がいいってことは。だからお前からすりゃスッキリしねーとか何とか色々あるかもしれねーが、もうここまでにしとけよ。じゃねーと余計に厄介な事になるぞ」
「っ・・・」
ルークがそんなクロエにもう気にするなと重い様子で言うと、反論が出来ないとばかりに歯を噛み締めるしか出来なかった。事実クロエの立場ではこれ以上何もしようがないことは嫌でも考えざるを得なかった為に。


















・・・そうして三人というかルークがもう戻ろうぜといった言葉から、クロエとジェイドは反論出来ずにアドリビトムに戻る事にした。それで三人は程無くしてバンエルティア号に戻ったのだが・・・



「・・・どうした、カーティス?私に何か話したいことがあるのか?」
「えぇ、少し貴女の意見を伺いたいと思いましてね・・・」
・・・時間は夜で他のメンバーが揃って眠りについたバンエルティア号の甲板の上にて。
そこでクエストが終わった後で夜になったら甲板に来てくれと周りに聞こえないよう小声で言われていたクロエが甲板に向かうと、そこにジェイドがいたために用向きを問うと真剣な面持ちで言葉を返してきた。
「・・・先程クエストから帰る道中の中で今後のルークやアッシュ達を中心にしたライマの事に関して、ピオニー陛下への報告に出す手紙のこともあって考えていたのですが・・・言い方を選ばずに言わせていただくとルークやナタリア達関連の事を触れないような手紙を出すことをしたら、話に出たような未来になりかねないという可能性は非常に高いとしか思えないと考えたんです。それこそ将来的にアッシュとナタリアの不倫はほぼ確実に起きるだろうと」
「・・・確かに話には出てはきたが、カーティスはどうしたいんだ?わざわざ私に話をしたいなんて言い出してくる理由にならないと思うのだが・・・」
「・・・今回の話で出てきた中身をそのまま手紙で陛下に伝えるべきかもそうですが、伝えるにしても改革に手を出すべきとも進言するべきなのかを貴女の目線からお聞きしたかったんです・・・本来ならルークに聞くべきだと思うのですが、彼に聞いた場合だと自分が我慢するというように諦めたような言葉が出てきそうだと思ったからになります」
「あぁ・・・ルークはもうその辺りで受け入れたというか諦めたような事を言うだろうというのが目に見えたから、私に話をということなのか・・・」
「そういうことです・・・」
そんな様子のままジェイドが何故自分がクロエを呼んだのかを語っていくのだが、ルークを呼ばなかったのは何故か・・・それを悟ったクロエの苦々しげな言葉にジェイドも同じように頷き返した。先の話し合いまでならともかく、今となってはルークの様子から答えは自分が諦めればそれで済むというように言いそうなのが簡単に想像出来た為に。
「・・・ですから貴女の意見を伺いたいのです。貴女はこの件に関してどうするのがいいと思うのかについてを」
「・・・ちなみにカーティス自身はどうするべきと思っているんだ?」
「そこに関しては自己弁護が入っている部分も否定はしませんが、この件の改善を上奏したいですね。理由としては話に出たようあの二人がもしもの事を起こした時、私達の立場や心証が一気に悪くなってしまう形になり、以降は私も含めてこのアドリビトムにいる面々がろくでもないことになるのは目に見えていますからね。なので貴族もそうですがアッシュやナタリア・・・それにティア達も余計なことだとか時間やらルーク達が解決すべきだみたいに言った上で、話に出たようなことになっても自分達に責任はないというように主張するでしょうが、もうそうなったら後の祭りでしかありませんし私に至ってはこうしておけばよかったと後悔を抱くことになるのは目に見えてますからね・・・ですからティア達からは後で色々と言われるでしょうが、私としてはこの改善に手を出すべきと進言したいと思っています」
「・・・カーティス自身の為という部分は確かにあるが、それでもティア達の為にもなると思ってということからそうしたいということか・・・」
だからクロエに聞きたいとジェイドが言うがその前にそちらの考えを聞きたいと返すと、自己弁護の部分はあると前置きはされたものの重く語っていった嘘を感じない答えの中身に、クロエも納得した。ジェイドとしては自分だけじゃなくティア達も含めた上で改善しないと、本気で後でどうにもならなくなると見たから動きたいのだと。









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