「・・・人によっては例えそういうことになったとしても王族と結婚出来るなら、いいじゃないかというように言う者もいるかもしれない。むしろ王族と結婚するのはそういった事だというように言う者もいるかもしれないし、私もピオニー陛下からの言葉が無ければ例えそういった形になっても諦める形で行動していただろう・・・だがライマを出てから見識を広めるように旅をしてきた経験も踏まえて言わせてもらうと、私はアッシュとの結婚はしたくないというのが偽りのない本音だ」
「・・・そうですか。まぁ女性の目線から見れば貴女の言ったように地位を求めるような方でもなければ、アッシュが起こしかねない事に関して安穏と出来る筈もないでしょうから我慢出来ないというならその方がいいでしょうね」
それでクロエは今までの話の流れをまとめるよう、自分はアッシュと結婚をしたくない・・・そうハッキリ告げてジェイドも納得するように頷いた。クロエの立場からしたらアッシュが相手というのは様々な意味からゴメンと願うのは当然だと。
「・・・よし、話は決まりだな。つー訳で後はライマに戻ってその事を進めれば晴れてお前はアッシュや役目から解放になっからそれまで我慢しとけよ」
「待ってくれ。これでバンエルティア号に戻るみたいな空気になっているが、その前に私からルークに聞きたいことがある」
「俺に？何だよ？」
話は終わった・・・そう判断したルークのまとめるような声にクロエが聞きたいことがあると待ったをかける。
「・・・これは私がアドリビトムに入ってから思っていた事だが、何か普通にアドリビトムで活動している時のルークと今のルークでは印象が違う気がするのだが・・・どうしてだ？」
「あぁ、その事に関しては私も疑問に思っていました。いつもの貴方ならクロエにそこまで関わることもないと思っていたのですが・・・」
「印象が違うって何だよ・・・単純に陛下に言われたってのもあっけど、クロエまで俺らのゴタゴタに巻き込まれる必要ねーって思ったから行動してただけだっつーの」
そこからクロエが今とアドリビトムの時の印象と違うと言うとジェイドも分かると同意するのだが、ルークは何とも言いがたげに視線を背けつつも思ったことを行動にしただけと返す。
「・・・実際クロエがアッシュの相手にあてがわれるって風に陛下から秘密だって話にされた時から、あいつと結婚出来る奴なんかいんのかって思ってたんだよ・・・俺はもうナタリアと結婚をするって事に関しては一応受け入れちゃいる。ナタリアもそんなことを言うだけは言っちゃいるが、全く割り切るとかそんなことはしてねーのはお前らもアッシュとの事から分かっちゃいるだろうが・・・だからっつーか、どうせアッシュと結婚なんざ誰がした所でろくな結果になんざなんねーのは目に見えてるから、だったらクロエに変に頑張らせるようにさせない方がいいって思ったんだよ。どうせ今のまんまじゃ話に出たようにさも自分達は問題ないみたいに振る舞う中で、時間が経ちゃもう我慢出来ねーってんで二人がそういうことしてライマがとんでもないことになりそうだってなるだろうからってな」
「ちょっと待ってください、ルーク・・・貴方、そんなことを考えていたんですか・・・？」
ルークはそのままいかに自分が考えてきたのかについてを自分なりに言葉にしていくのだが、途中でジェイドが装うような様子など全く感じさせないままに信じられない物を見るように確認の声を向けた。付き合いはそれなりにある筈だが、ルークから出てくる言葉と思えなかった上で決して軽く思える話ではなかった為に。









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