「だから私はそういったことを踏まえてどちらともにも立場やら命の危険についても触れはしたが、アッシュにはナタリア様の入れ換えの件に加えて現状でのキムラスカに次代の王族の数が不足していることを挙げて説明していったのだ・・・二人からすればそういったことを自然の流れに任せてというようにしたいのかもしれないが、王族の数を増やしたいというキムラスカ上層部の事情もあって子どもを意識的に早めにもそうだが、数を多く作ることが歓迎される事だとな」
「そう言ったらどういった反応をしたんですか？」
「二人共そんなこと・・・というような反応だったが、そもそもこちらから出した条件だというように言ったら苦い顔をした。だからナタリア様にはアッシュをキムラスカから逃がさないように縛り付けるには子どもを作ることがその性格を考えれば確かだというように言い、アッシュには下手な流れが出来ればいかに陛下と言えどナタリア様にその座を降りてもらうといったことを決断することも有り得ない訳ではないから、そういった事を防ぐには表向きには王族の血を引く者同士で結婚した上で子どもを作るのが一番の安全策になると伝えれば・・・ようやくという形で二人とも複雑そうではあるが、頷いた。自分達の立場やら相手の考えることに求めることやらで板挟みになることに苦心しているといったようにな」
「・・・それは何て言うか、二人からしたら他意はないのかもしれないけれど、そう聞くと二人からしてキムラスカの王族を増やすこととかに関心とかないようにしか聞こえない気がするな・・・」
「事実関心はなかったと私は見ている。正確に言うなら互いが互いに危険であると突き付けられた事に、それをどうにかしなければと私の言葉に闇雲に食い付いたといったところだろうな」
「・・・それもこれもアッシュからしたら隠しているつもりではあっても、互いが互いに思いあっているからこそ相手に不利になるならで決断したということですか・・・」
そうしていかにダイスダーグは二人にとって利があるのかについてを語っていって説得したのかについてを説明するが、その中身と推測にラムザは何とも言えないというように力なく頭を横に振った。






・・・ラムザがこんなようになる理由は一応ダイスダーグの考えにこそ同意して動いてはいるが、それでもアッシュやナタリアに対して昔からの付き合いがあるからこそそれなりの情があるからである。ベオルブという侯爵の地位にいる貴族の子どもとして、立場的には相手側が上ではあっても歳の近い存在としての付き合いがあったことからだ。

ただそれでもラムザがダイスダーグの考えに乗って動くことを決めたのは何故かと言えば、アッシュがヴァンに連れ去られて行ってしまった事やキムラスカに戻ろうとしない事もあったが・・・決定的な理由は先に出たよう、ナタリアの性格やら考え方からして独断で行動しかねないという光景が目に見えたからだ。特にアッシュと入れ換えられて入り込まされたルークに対して度々記憶はまだ戻らないのかと何度も何度も言っていたと周りから聞いたのもだが、自身もその姿を見ていたことからダイスダーグより事実を知らされ自分も内密に協力して動くように言われた時、ラムザはとてもナタリアなら大丈夫だから信じようなどと言う気には到底なれなかったから、ダイスダーグの言うようにするとしたのである。少なからず苦い気持ちを抱いたがだ。

だがラムザとしてもその苦い気持ちを呑み込んででも兄達のやろうとしていることに賛同して動くことにしたのだ。いや、正確には一番下の妹である存在も共にである。









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