英雄となった男の侵食
「まぁいい・・・取り敢えずダアトについては余程の何かが起きねば、こちらに反抗しようというような気持ちは起こらんだろう事は分かった。後に聞きたいことだが・・・アッシュにナタリア殿下はどうしている?」
「アッシュに関しては城の牢の中で、ナタリア殿下に関しては見張り付きで自室にいてもらうようにしています。その際に殿下は彼は本物のルークなのですよというように言い出してきましたが、その件に関しては兄上が来るまではフォミクリー技術についての存在は城の中でも知る者は私を含めてかなり限られる為、兄上が来るまでは大人しくお待ちくださいとお伝えしてようやく大人しくなりました。アッシュに関しては殿下がいない時にバチカルに今更戻れるかと暴れだしましたが、少々手荒な事をして黙らせました。今頃は牢の中で多少は回復はしているでしょうが、私への暴言を始めに様々にグチグチと漏らしていることでしょう」
「ふむ・・・話に聞いていた通りアッシュは情緒不安定という様子か・・・分かった。私はこれから城に向かう。お前はこれまでの活動の分、ゆっくりと休めるように手続きをしておいた。しばらくは軍の仕事から離れ、体を休めるといい」
「分かりました」
そうしてダアトについてを打ち切り続いてと二人の名を出したダイスダーグにザルバッグがどういった事になっているかを一人一人説明し、その説明に納得してから椅子から立ち上がり城に向かうと外へ歩いていった。ザルバッグの見送るような視線を受けながら。
・・・そうしてダイスダーグはバチカル城の中に入り、まずはとナタリアの部屋へと向かった。
「・・・貴方は・・・!」
「お久し振りです、ナタリア様。ご機嫌はいかがですか?」
「何をのうのうと!ザルバッグ将軍から聞きましたわ!貴方は全てを知った上で私には何も言わずにいたことは!そんなことを聞かされて機嫌が良くなるわけないでしょう!」
・・・そうしてダイスダーグはナタリアの部屋の入口を守っていた、いや見張っていた兵士達に通される形で入室した。
ただそんなダイスダーグに対してナタリアはすぐさま激昂して返していくのだが、そんな様子になど恐れる事はないとばかりに浮かべた微笑を崩すことなく言葉を続ける。
「殿下に事実をお伝えしなかった事に関しましては謝罪致しましょう。その上で殿下が事実を知られた場合にどのように反応するのかの予想がついたことから、私は陛下達に何も言わぬようにと進めさせていただいたのです・・・アクゼリュスへと向かう親善大使一行の面々に城を抜け出す形で付いていった時のよう、自分がこうしたいからそうすると我々の言うことを無視しかねない可能性は非常に高いと思う形でです」
「なっ・・・そ、そんなことを私がすると・・・!」
「では城を抜け出した件に関して陛下よりの言葉を振り切ったことはどういう理由からでしょうか?ザルバッグから報告は受けておりますが、自分が行かなくてどうするに結果を見れば自分が正しかったと陛下もその時には分かってくれると言われていた事を考えれば、特にアッシュの事を知ったなら待つなんて悠長な事はせず今すぐ連れ戻しに行けばいいというように言われていたのは目に見えていますが、どうでしょうか?」
「うっ・・・!」
そうして謝罪しつつもいかにナタリアの事を信用出来ないのか・・・具体的な実例を交えて話をするダイスダーグに最初こそは鼻息の荒かったが、ナタリアは途端に言葉を詰まらせた。不味いことを言われてしまったというよう。
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「アッシュに関しては城の牢の中で、ナタリア殿下に関しては見張り付きで自室にいてもらうようにしています。その際に殿下は彼は本物のルークなのですよというように言い出してきましたが、その件に関しては兄上が来るまではフォミクリー技術についての存在は城の中でも知る者は私を含めてかなり限られる為、兄上が来るまでは大人しくお待ちくださいとお伝えしてようやく大人しくなりました。アッシュに関しては殿下がいない時にバチカルに今更戻れるかと暴れだしましたが、少々手荒な事をして黙らせました。今頃は牢の中で多少は回復はしているでしょうが、私への暴言を始めに様々にグチグチと漏らしていることでしょう」
「ふむ・・・話に聞いていた通りアッシュは情緒不安定という様子か・・・分かった。私はこれから城に向かう。お前はこれまでの活動の分、ゆっくりと休めるように手続きをしておいた。しばらくは軍の仕事から離れ、体を休めるといい」
「分かりました」
そうしてダアトについてを打ち切り続いてと二人の名を出したダイスダーグにザルバッグがどういった事になっているかを一人一人説明し、その説明に納得してから椅子から立ち上がり城に向かうと外へ歩いていった。ザルバッグの見送るような視線を受けながら。
・・・そうしてダイスダーグはバチカル城の中に入り、まずはとナタリアの部屋へと向かった。
「・・・貴方は・・・!」
「お久し振りです、ナタリア様。ご機嫌はいかがですか?」
「何をのうのうと!ザルバッグ将軍から聞きましたわ!貴方は全てを知った上で私には何も言わずにいたことは!そんなことを聞かされて機嫌が良くなるわけないでしょう!」
・・・そうしてダイスダーグはナタリアの部屋の入口を守っていた、いや見張っていた兵士達に通される形で入室した。
ただそんなダイスダーグに対してナタリアはすぐさま激昂して返していくのだが、そんな様子になど恐れる事はないとばかりに浮かべた微笑を崩すことなく言葉を続ける。
「殿下に事実をお伝えしなかった事に関しましては謝罪致しましょう。その上で殿下が事実を知られた場合にどのように反応するのかの予想がついたことから、私は陛下達に何も言わぬようにと進めさせていただいたのです・・・アクゼリュスへと向かう親善大使一行の面々に城を抜け出す形で付いていった時のよう、自分がこうしたいからそうすると我々の言うことを無視しかねない可能性は非常に高いと思う形でです」
「なっ・・・そ、そんなことを私がすると・・・!」
「では城を抜け出した件に関して陛下よりの言葉を振り切ったことはどういう理由からでしょうか?ザルバッグから報告は受けておりますが、自分が行かなくてどうするに結果を見れば自分が正しかったと陛下もその時には分かってくれると言われていた事を考えれば、特にアッシュの事を知ったなら待つなんて悠長な事はせず今すぐ連れ戻しに行けばいいというように言われていたのは目に見えていますが、どうでしょうか?」
「うっ・・・!」
そうして謝罪しつつもいかにナタリアの事を信用出来ないのか・・・具体的な実例を交えて話をするダイスダーグに最初こそは鼻息の荒かったが、ナタリアは途端に言葉を詰まらせた。不味いことを言われてしまったというよう。
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