きっかけとボタンのかけ違いがもたらす関係

(だがこうしてガイやヴァン達が心変わりをしてくれても、まだ油断が出来ないというのが実情だ。預言は預言の中身通りになるというように動くといった性質もあるが、まだ不安要素はいくつもあるからな・・・)
ただそんな二人の稽古の中でジャキはまだ安堵は出来ないという考えを抱く。






・・・ジャキは自身の予知によりガイやヴァン達を始めとした面々の事を変えることが出来たが、肝心な世界を終焉にさせる預言についてはまだハッキリと変えている訳ではないし、それらの中身を伝えたとしてもガイ達のように預言の中身通りにしないように行こうという考えにならない者達の方が多いのだ。主にユリアシティに住む者達や、大詠師を勤めているモースなどがその筆頭に上がる。

そんな人物達の裏を出し抜く形で動いてこそはいるが、それで安穏として大丈夫などというように思っていたら、思わぬ所から足を救われかねないという可能性もまた否定出来ないという考えをジャキは抱いていた。そんな人物達は自分達の思い通りの盤面にならないなら盤面で手を打つのではなく、盤ごとひっくり返すくらいの荒業を行いかねないと。

それにジャキ自身もガイ達に言ってはいるが、前まではある程度頻繁に見れた予知もルークを造り出した頃から前より見れなくなってきたと明かした。これはヴァンが言うにはフォミクリー技術は預言に詠まれない存在というのもあって使うと決めたのだが、それがジャキの予知にも影響を及ぼしているのではないかとの事だった。預言と性質の似た予知であるからこそと。

そんな推測にジャキは納得しつつ、預言や予知から外れた未来を迎える為に動くなら予知を頼らないようにして動くのも必然だと考えるようになった。そんな預言ではなくて予知だから頼るのはいいだろうという考えになるのは、預言保守派と同類だと認める物だからと。

だからこそジャキはもう近年ではほとんど見ることのなくなった予知を頼らず切り捨てることを選ぶのだが、だからこそ一層気を引き締めているのだ。姉であるサラもそうだが、今となっては仲間と呼べる立場になったガイ達と預言に縛られない未来に向かうためにと・・・


















・・・そのようにジャキ達が穏やかである時もありながらも締める所は締める形で動いていき、時間は進み滅びの始まりとされるきっかけの年になるのだが・・・ジャキ達もそうだが、預言保守派達にとっても予想外の事が起きていく。その中でヴァンが主に苦心していくことになるのだが、その事を誰もまだ知らない・・・









END









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