きっかけとボタンのかけ違いがもたらす関係

そんな本物の『ルーク』に対してならばとヴァンはバチカルの近くまで本物の『ルーク』を連れていくと共に、そこで時間を取ってもらい出会えるようにしてもらったガイや、そのガイの姉にジェイドと顔を合わせて話をした。これはガルディオスの生き残りやマルクトにジャキ達もヴァンの協力者というか全員が協力関係にあると話をすると共に、自分達の秘密を打ち明ける事で本物の『ルーク』に信用をしてもらうために腹の中を明かすという手段を取った為だ。

そうして話をしていったヴァン達に最初こそはそれらの話についてを信じられないといったような反応を本物の『ルーク』は見せていたのだが、それでも次第に預言についての中身がヴァンが持っていた第七譜石の存在もあって大袈裟ではないのだということを認識した上で、ヴァン達の元に預言に詠まれた戦争の時まではいると告げた。特に一応貴族として国の為に身を捧げるようにと教育を受けてはいたが、預言の中身通りだとしたなら自分にその事を何も言わずに見殺しにしたのだという事を考えれば、話を信用せずにバチカルに戻ってそんなことになったら死んでも死にきれない・・・という考えからだと。

ただそれでヴァン達の事情は理解はしたからこそ本物の『ルーク』、いや仮の名を付けてくれということでヴァン達の元にいる間はアッシュと呼ばれる事を選び、ヴァンが率いる神託の盾の一員として動くことにした。これはアッシュとしてもそんな形で犠牲になっている者達がいるなら自分も黙って守られていられるばかりでいるのは良くないと、事情を知った上で正義感を子ども心ながらに燃やした事からであった。

・・・それでアッシュがヴァン達に協力することは確定してヴァンがいない時はラルゴを始めとした他の面々がサポートをすることになるのだが、その一方でファブレに置かれているルークに関しては役割が終わればどうなるのかということも出てきたのだが・・・そこに関しては全てが終わった後にガイが色々言われるだろうが、ガルディオスに戻る際にルークの事を引き取るようにすると切り出した。これは手段としては最善を得るためとは言え人道的にはやむを得ずの事をしたのに、それで終わったらルークの事は用済みだから殺して済ませるだったり見捨てて勝手にする・・・なんて事をするのは自分を除いた家族達が預言で死んでいたのを考えると、気持ちが良くないということからと。

そんなガイの考えを聞いて一番先に賛同を示したのはジェイドである・・・元々フォミクリー技術を開発したのは彼であったがそれを過ちと見て封印することを選んだが、封印した筈の技術をサフィールがまだ研究していることを止められなかったのもあるが、それで事情はあれども再度そのフォミクリー技術を使うことになった苦心があることに加えて、そこで造り出したルークを見殺しにするような判断は色々気持ちよくない・・・そういったことからルークを始末せずに受け入れるといったガイの判断に、ジェイドは賛同したのである。後々にサフィールからフォミクリー技術を取り上げると本人には言わないが決めているのもあって、これ以上フォミクリー技術による被害者をレプリカであっても出したくないと思ってである。

そんなジェイドの賛同もあったことからマルクトの面々は全てが終わればルークを受け入れるとなり、ヴァンもまたそれでいいならとしたのである。ヴァンとしては自分がそうすると発案した事から自分の元でルークを受け入れることも考えていたと述べた上でだ。









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