きっかけとボタンのかけ違いがもたらす関係

そんなジャキの提案に主にペールギュントがそこまではと言ったが、ガイの安全の事を考えればそうした方が断然にいいということに、ジャキでなければ死にかねない事態も有り得る・・・そういったことも否定出来ないから、サラには後に伝えることにしてガイと共にファブレに入り込む事となった上で、それが成功となったのである。






「それはそうと、次にヴァンが来るのは何時だった?私としてはそろそろ姉さんの様子を聞きたいのだが・・・」
「遅くならなければ一週間の内に来るとの事だ。それにヴァンもジャキの事を考えてサラの伝言なりちゃんと持ってくるだろうさ」
「ならいいがな」
そんな中でジャキが気になるというようヴァンの来訪についてを切り出すと、ガイが苦笑気味に分かっている筈と返したことにそっと目を閉じながら会話を打ち切る。






・・・ここで名前が出てきたヴァンとは、預言により数少ない生存が詠まれていたフェンデ兄妹の内の兄である。そんなヴァンに対してもジャキは預言もだが、予知を見てヴァンにその中身を伝えた。ホドを実際に消滅させることになるのはマルクトがヴァンの事を研究の為の実験材料として用いた時に生じた擬似超振動によるものから、ホドが消滅すると共に何とか妹と共に生き残る事になるが・・・そこでこのホドが滅びる最中で第七譜石を見付けた上でその中身を詠んだことにより、預言から離れた未来を作る事を神託の盾に入った上で復讐心と共に決意するようになると。

そんな話に一同はヴァンも含めて絶句するしかなかったが、ジャキが見た予知の映像から第七譜石のあったとされる場所を探しに行くと・・・隠されていた場所が場所なだけに色々な苦労こそはあったが第七譜石を見付ける事が出来た上でその中身を詠んだことにより、一同は唖然とする以外になかった。その中身が最終的にオールドラントの終焉を詠んでいたのもあってだ。

ただ予知が見えたジャキが預言をどうにかしなければならないという気持ちは分かるが、それで一人で行動されても困る・・・といったように言った事から全員でこれからどうするのかと話し合った結果として、ヴァンとその妹であるティアは一先ず流れに従いつつ動く上でガルディオスの面々・・・そして将来的にマルクトと協力しながら動くことになった。

これは下手に預言に離れた行動を取ったらどうなるか今後のことが分かりにくくなる事もそうだが、神託の盾としてヴァンが教団に入り込む事が出来れば様々な情報を抜き出して自分達に回す事が出来るようになるという利点があったからだ。そしてそんな案に関してをヴァンは覚悟を持った様子で決意して頷いた・・・ジャキの言葉も何もない時だったなら自分は絶望と共に一人で行動すると決めていたかもしれないが、こうして事実を知った上で皆と共に動けるのなら協力して預言に詠まれた未来を変えるために尽力すると。

そうしてヴァンは何が起こるかは分からずとも預言に死が詠まれないなら機を見て連絡を送るようにすると言った上で、マルクト軍の指示もあって妹のティア達と共にガルディオスの元を離れていき時間が経つのだが・・・これに関しては二年近い時間が経った頃になって、ファブレに入り込んでいたガイとジャキの元にセントビナーから手紙が届いた。それはヴァンは命からがら生き延びた上で神託の盾に入って、今は地位を上げるために必死に頑張っていると。

・・・このセントビナーからの手紙というのは、ガルディオスの面々がホドから避難するにあたり自身らの安全と生存を確かな物と見せる為にマルクト軍に秘密裏に受け入れてもらったのだが、その責任者が当時のマルクト軍の元帥であったと共にセントビナーを本拠地としていたマクガヴァンの元にホド戦争の後に身分を隠す形でガルディオスの面々は身を寄せていたからだ。

これはマクガヴァンが良識的な人物であったこともそうだが、サラ達からもたらされた情報もあってここでガルディオス達を見捨てるわけにはいかないという判断からでもあった。そして預言や教団の事を考えればマクガヴァンとしてはガルディオスやサラ達の事を切り捨てることは、マルクトや自分達の今後に関わるという打算もあったのはガルディオス側も承知の上でだ。

だから協力関係となった上でガイ達やヴァンの事も話をしていたから、いざという時はセントビナーを経由して手紙のやり取りをすることは元々から決定させていたのである。その方が色々な意味でいいだろうからと。









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